第11話 執事が付きっきり

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「…はい?同室?」
「はい。気が付きませんでしたか?この部屋は、2人部屋となっております」

小笠原さんが作ってくれた夕食を済ませ、入浴も終え、これから寝ようとベッドに入った時。

「では、私はあちらの部屋におりますので。何かあればお呼びください」

と、爆弾発言を投下した。

「物置部屋か何かだと思ってた…」

枕にボフンと顔を埋める私。

「いえ、物置部屋でしたよ。悠様のご入浴中に片付けました」

頭上からそんな声が響く。私はゆっくりと顔を上げた。

「え?片付け?…な、なんでですか…?」

私の質問に、小笠原さんは目を見開く。そして、何か思いついたのか小さく笑った。

「…でしたら、悠様のお隣で寝させていただきます。
ここは2人部屋なので、特に問題はないでしょう」
「はい!?え?なんで!?ってか、それ本気で言ってます?」
「はい」

ギシッと鳴るベッド。後ずさりすれば、距離を詰める小笠原さん。

「先ほども申しましたが…私はあなた様の執事でございます。
起床から就寝まで、悠様のお世話をさせていただくことになっております」
「だからって…一緒に寝るのは…ちょっと…」

交際もしていない男女が一緒のベッドに寝るのは、ちょっと…。いや、だいぶ問題が…。

「分かればよろしい。
何かございましたら、何なりとお申し付けを。では、ごゆっくりお休みください」

小笠原さんはベッドから離れ、胸に手を当ててお辞儀をする。そして、壁際にある電気のスイッチを押した。

ゆっくりと消えていく電気。バルコニーからは明るい月明かりが差していた。

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