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退職して読んだFIRE本。究極は明治のおじいちゃんの著書。

早期退職した2020年は、『FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド』の翻訳本が上陸。日本でもFIRE本ブームが巻き起こったので、私も色々読みました。

おかげで、投資、特に米国株投資について理解が深まって、一歩を踏み出せた。FIREじゃなくてセミリタイアでも、ライフスタイルは似てるので、とても参考になります。

【*FIRE=経済的自立(Financial Independence)を達成し、早期リタイア(Retire Early)を実現するライフスタイル。資産収入>生活費を目指す】

いろいろ読んだけど、
究極のFIRE本は、本多静六の『私の財産告白』です!

林学者・東大教授で、日本の公園の父。収入の4分の1を貯金して山林を買い続け、財産を築いた。副業にも励み、贅沢せず、子孫に残さず、社会貢献して亡くなった「明治のすごいおじいちゃん」です(詳しくは下に)。

財産を築くのはなんのためか?そのために人生の前半はどうするか?最後はどんな暮らしをめざすのか。とてもシンプルに、漢文を学んだ明治人らしいかっこいい文体で書かれてます。

私のノートのメモには、
「70からは山紫水明の温泉郷で晴耕雨読の楽居」という言葉が。
「自然豊かな温泉地で静かに暮らし、晴れた日は畑を耕し、雨の日は読書を楽しむ」って意味だそうです。

本多静六さんは、実際に箱根の強羅や伊東市など6か所(!)に別荘を持ち、晴耕雨読の生活をしていたそう。

あっ!と思ったのが、伊豆の別荘に独居していた祖父のこと。

畑で野菜をつくり、温室でランを育て、釣りに茶道に陶芸と趣味三昧。ヒノキ風呂に温泉をひいてて、孫たちはくさ~い!とか言いながら入ってたなぁ…。

まさに「山紫水明の温泉郷で晴耕雨読の楽居」の明治のおじいちゃんだったのか。

なので、本多静六さんがもう他人とは思えず、しみじみとこの本を読みました。

思えば明治の実業家の多くは、
財産を築く→社会還元→隠居して自然の中で晴耕雨読 のライフスタイル。

本多静六の晩年の暮らしと人生観は、以下のようなもので、まさに日本のFIRE先駆者なんですよ。

  1. 自然とともに生きる

    • 都会の喧騒から離れ、風光明媚な温泉地で静かに暮らすことを理想とした。

    • これは、彼が生涯をかけて築いた資産の「使い道」のひとつだった。

  2. 労働と読書のバランス

    • 「晴耕雨読」は、中国の古典にも登場する理想のライフスタイルで、働くことと知的活動の調和を重視する考え方。

    • 本多静六にとって、単なる隠遁生活ではなく、「心身ともに充実した暮らし」を意味していた。

  3. 経済的自由の到達点

    • 彼は「資産を築くことが目的ではなく、自由な生き方をするための手段」であると考えていた。

    • 資産を得ることで、時間と生活の選択権を持つことができると述べている。

本多静六さんや祖父にくらべて、めちゃくちゃスケールは小さいけど、がんばって働いてセミリタイアした私は、ベランダでハーブや野菜や花を育て、ジムのお風呂(温泉の石が入っている)に入りにいってますよ!(笑)

そして「毎日1ページ以上の文章執筆」を課していた本多静六さんにならって、このnoteの毎日更新を励んでいます。

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本多静六の『私の財産告白』について

資産形成の哲学と実践が詰まった名著。

本多静六(1866-1952)は日本の林学者であり、東京帝国大学(現・東京大学)の教授として活躍しながら、投資家としても成功を収めた。

『私の財産告白』の概要

この本は、本多静六がどのようにして財を成し、経済的自由を得たのかを振り返る形で書かれています。単なる投資指南書ではなく、彼の人生哲学や倹約の精神が色濃く反映されている。

本多静六の資産形成の基本原則

  1. 給与の4分の1を必ず貯蓄する

    • 彼は「給与の4分の1を強制的に貯蓄する」というルールを自らに課し、残りの4分の3で生活することで、堅実な資産形成を行った。

  2. 貯蓄を元手に投資する

    • 貯めた資金を銀行に預けるだけでなく、株式投資や不動産投資に活用。

    • 彼は長期投資を基本とし、「暴落時に買い、高騰時に売る」戦略を実践。

  3. 倹約を徹底する

    • 質素倹約を貫き、決して贅沢をしなかった。

    • 本多は「お金が貯まったら贅沢するのではなく、さらに増やすために使うべき」と考えた。

  4. 副業で収入を増やす

    • 教授としての収入だけでなく、執筆活動や講演などで収入源を増やす。

    • 収入を増やしつつも生活レベルは上げず、資産形成を加速させた。

  5. 「足るを知る」精神

    • 彼は最終的に得た財産の多くを社会に還元した。「財産は自分のものではなく、社会に生かすもの」という考えを持っていた。

本多静六の投資戦略

  • 相場が悲観的な時に買い、楽観的な時に売る」という逆張りの投資方針。

  • 利息生活を目指す」という考えから、配当のある株式や不動産に投資。

  • 給与収入を頼らず、「資産からの収入で生きる」ことを目標とした。

本多静六の人生観と影響

  • 彼は「金持ちになったからと言って幸せとは限らない」としながらも、経済的自由を得ることが精神的な余裕を生むと考えていた。

  • 日本の資産形成に関心のある人々に大きな影響を与え、多くの投資家が彼の哲学を参考にしています。

現代でも通用する教訓

本多静六の考えは、現代でも非常に有効です。

  • 給与の一定割合を強制貯蓄することで、着実に資産を築ける。

  • 市場の心理と逆行する投資戦略は、長期的に大きなリターンをもたらす。

  • 質素倹約を実践し、生活の満足度を上げることが重要。

この本は、単なる投資本ではなく「お金との向き合い方」を学べる一冊です。資産形成を考える人にとって、非常に示唆に富んだ内容となっています。

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