見出し画像

リハビリなのです

このノートのこと

 もともとは、ずっと書いていた。
 子供のころから、得意なのは作文。それ以外は、基本苦手。
 小説と漫画が好きで、アニメとアイドルが好きな、よくいるオタクだった。
 当然同人誌もやった。そのうち商業でも少しばかり働かせてもらった。
 創作だけじゃなくて、ミクシーもツイッターも、毎日なにか書いていた。

 それが、止まった。
 書けなくなった。
 父親の介護と、ストレス。慣れない家業の仕事。家事のあれこれ。
 時間がなかったわけじゃない。ただ、たぶん、だけど。
 思ったことを文章にしたくなかった。
 思っていることに、真正面で向き合いたくなかった。
 
 私の父は、かなりのモラハラだった。
 昔はそんな定義がなかったから、わからなかったけど。大人になってモラハラという言葉を知って、そういう人が使う言葉を知ったら、あまりにそのまんまでいっそ笑った。

 怒鳴る父に怯えながら、母をかばいながら、戦ってるしかなかった。
 その自分の気持ちに、向き合うのはしんどかった。
 楽しいこともあったし、ときめくこともあった。不幸だったわけじゃない。
 でも、それを、言葉にして書くことはしなくなった。

 そうこうするうちに。
 信じられないくらい、言葉が出てこなくなった。
 話すのはできる、と、思う。
 でも、書くこと。それを発信すること。それが、とてつもなく、億劫になった。
 話す相手はいる。わかってくれる人がいる。それだけでいいって思った。

 ただ。
 私には、好きなものがあって。
 それは、この一年以上、すごく大変なことに巻き込まれながらも、キラキラ、キラキラ、いっぱい輝いていて。
 私はそれを、ただただ受け止めていたけど。
 少しでも、その『素敵さ』を、共有したいと思い始めた。

 なにより。
 父を亡くしてから一年たって。
 そろそろ、私も、『言葉』を取り戻したくなった。

 だからこのノートは、なんの役にも立たないし、くすっと笑えるようなものでもないし、たぶん、だれの目にも止まらない。
 ただ、書いてみようと思う。
 もう一度、自分の気持ちを、カタチにしていく。そのための、リハビリです。
 よろしくお願いします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?