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トロントの怪しいコンビニで働いてみた
カナダ・トロントでお仕事シリーズ 第2弾!今回はトロントで働いた怪しいコンビニについてお話します。
前回お話ししたグルーミングショップでの仕事が見つかったのとちょうど同じころ、トロントの日本人向け掲示板から応募した深夜のコンビニレジのバイトの採用が決まりました。前回のお話を読んでいない方はこちら:
こちらに書いた通り、当時仕事探しには苦戦していましたが、さすが日本人向け掲示板だけあってちゃんと返信が来たんです(カナダ人向けの求人への応募は全く音沙汰なしでした)。ここで資金面の形勢逆転を狙って、また苦労の末にやーっといただいたお話なので、グルーミングショップとかけもちでやってみることにしました。
トロントのコンビニは日本のものとはかなり違います。たいていガソリンスタンドに併設していて、ポテトチップスやチョコレートなどのお菓子、ペットボトルなどの飲み物やタバコは売っていますが、日本みたいなお弁当やホットフードはたいてい並んでいません(フランクフルトを置いているセブンイレブンを過去に一度だけ見たことがあります)。コーヒーショップが一緒になっているところは割とあって、そこでは暖かい飲み物とできたての簡単なサンドイッチやスープを買うことができたりもします。
・・・ですが、私が雇われたのはそんなコンビニとは実は全く違う怪しいコンビニでした。
立地と店の概要
トロントダウンタウンのエンターテイメント・ディストリクト(Entertainment District) と呼ばれる劇場やパブなどが立ち並ぶ一等地、昼もさながら夜中まで人の行きかうエリアにある・・・・そんな華やかなところにある、小さくて古ぼっちいコンビニでした。
タバコが売れ行きの主流なようで、お菓子すら大して置いてありません。私のシフトはお店が一番忙しい金曜と土曜の、午後5時からお店を閉める深夜1時。金曜土曜ということもあって、タバコを買いに来るお客さんの中には真冬でもミニスカでハイヒールという、いかにもバーで働いているかパーティーからの帰りかなと思われるお姉さまたちもいました。仕事内容はレジに座ってレジ番か棚の商品補充や整列などでしたが、基本ヒマ。たいていオーナーのトルコ人のおじさんとしゃべっていました(これがまたいい人)。ちなみにトップの写真はオーナー・・・・ではなく、ハロウィンの時に仮装してやってきたお客さんです(笑
一等地にあるとはいえそんなんでよくお店が続いているな、と思った方!私も同感です。が、実はこのコンビニにはある秘密があったんです。
怪しいコンビニの秘密①
立地を生かした駐車場の経営。小さな建物の隣には車が15台ほど停められる敷地があったので、その駐車場を貸し出していました。金曜、土曜のこのエリアの駐車料金はどこへ行ってもとても高く、一台20ドル(2021年3月現在日本円で約1,700円)という価格で営業していました。
駐車場の管理には駐車場担当の男性が働いていて、一時期はオーナーからも「サトーさん」と呼ばれていた、日本人の方も働いていました。駐車場担当の人は基本ずっと外で待機。外と言ってもトロントの冬の夜はマイナス10度なんて当たり前の環境なので、かなり過酷なポジションだったと思います。
怪しいコンビニの秘密②
なんとこのコンビニ、路上でホットドッグを販売している人たちに材料を売っている問屋さんも兼ねていたんです。兼ねていた、というよりおそらくこちらが本業で、むしろコンビニは「せっかくいい立地にあるしやっとくか」程度だったんだと思います。
トロントでは、今でこそフードトラックと呼ばれるトラックで、かなり様々な食べ物がお祭りの屋台のような感じで売られていますが、2007年当時、路上のホットドッグ屋さんはほぼ唯一の屋台営業で、ダウンタウンの風物詩とでも言えるほどたくさんありました。安いものは一本3ドルほどから買うことができ、私は今でもたま~に食べたくなります。
当時聞いた話では、実はこの屋台かなり儲かるそうです。ホットドッグ屋さんの中には夏だけ24時間無休で働く代わりに、冬はずっと南の国でバカンスをして過ごす、なんて人もいるくらい。そんなホットドッグ屋さんに卸していたのですから、コンビニ営業は売れても売れなくても問題なしの、むしろ時間潰しのようなものだったのでしょう。コンビニを経営しているお店のずーっと奥に冷凍のソーセージを保管する巨大な冷凍庫部屋があって、毎晩代わる代わるみなさんやってきてソーセージに玉ねぎ、パンやピクルスなどの材料を山ほど買っていきました。
私の英語力的には、オーナーさんやお客さん(ホットドッグ屋さんたちは常連さんなので割とよく話しかけてくれました)と話す機会も多かったので、10点満点中9点くらいの好条件。ただ深夜遅くまでだったうえ、帰り道に一人になるのが若干怖かったりもしたので(酔っ払いやホームレスの人を見かけるダウンタウンを抜けるのには勇気がいるときもありました)長期的にはあまり最適ではない仕事でした。
・・・このお仕事で一番よかったのは、オーナーさんがホットドッグやらピザやらを晩ご飯としてよく奢ってくれたことでしょうか。当時貧乏生活をしていた私には大助かりでした。
そんなこんなで約半年ほど働いて、帰国しますと言って(本当に一時帰国したので正確には嘘ではない!)辞めたのでした。
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