岩田望来騎手のマニュアル2023

競馬ファン同士で、「〇〇騎手だから信頼できる」とか、「○○騎手じゃちょっと買えない」とか言っている会話を聞いたことがありますが、これって・・・ちょっとザックリしすぎてませんか?

”今年のリーディング順位は○○位だから信頼しにくい”
とかならまだしも、”最近あんまり勝ってない気がするから” とか、あいまいな記憶や印象だけで語っている人が多いような気がします。

実際には騎手によって得意なコース、馬場状態、クラス、脚質、あるいは相性の良い血統や厩舎など、様々な評価ファクターがあり、リーディング順位は高くはなくても、特定の条件では勝ちまくっているという騎手もいるはずです。

その騎手が能力を発揮できる条件さえ分かれば予想もしやすくなり、人気薄であっても自信を持って馬券を買えるようになるのではないかと思います。

そこで、今回から『騎手マニュアルシリーズ』を不定期で更新していくことにしました。JRA TARGET Frontierを使用して、あらゆる角度からデータを分析して、騎手の買い時を紹介していきます。

岩田望来騎手のマニュアル

年度別成績

まず基本となる年度別成績を確認したいと思います。

2019年にデビューした岩田望来騎手は今年で5年目、毎年着実に勝利数、勝率を上げてきており、今年は5月現在でリーディング3位の騎手です。あとで紹介しますが、重賞での勝利が少ないので活躍していない印象を持っている人も多いと思います。でも、去年は年間100勝を超え、今年もそれに迫る勢いです。

2022年12月24日 阪神4レース11番セオによる1着でJRA年間100勝を達成。22歳6カ月24日でのJRA年間100勝は、武豊騎手(19歳8カ月12日)に次ぐ史上2番目の記録。


脚質別成績

脚質別成績では逃げまたは先行で好走しており、特に逃げは勝率25.9%、連対率38.0%、複勝率48.7%でかなり高い成功率を誇ります。

逃げたレースでの人気別成績(過去2年)

逃げたレースを人気別で見てみますと、1番人気だった場合の勝率が47.4%、連対率が63.2%と恐ろしく高い成功率だということが分かります。また、7番人気【1-1-1-3】、9番人気【1-1-1-7】と人気薄でも激走しており、岩田望来騎手の逃げは一級品であることを証明しています。何よりも特筆すべきは回収値(回収率)で、勝利したすべての人気で単勝回収値が100%を超えていることです。

これは、岩田望来騎手は逃げが超得意だということをまだ一般の競馬ファンの多くが認知していないために、「岩田望来騎手が逃げ切れるわけがない」というイメージが先行しているからではないかと思われます。

しかし、いつでも逃げたら勝てるほど競馬の世界は甘くありません。ここからは一般的な予想では深掘りしないところまで深掘りしていきたいと思います。

逃げたレースでの場所別成績

最も好成績を残している競馬場が阪神競馬場での18勝。乗鞍も多いのですが、勝率も全競馬場の中でトップですので、単に騎乗回数が多いというだけではなく、阪神競馬場で逃げるコツを把握しているのではないでしょうか。

騎乗回数は少ないのですが、中山競馬場でも好成績です。阪神競馬場と中山競馬場は周回方向が同じ右回りで、ゴール前に急坂があるという部分でも共通しているリンクコースですので、阪神が得意なのであれば中山でも好走していることはうなずけます。

では阪神競馬場で逃げたレースの距離別成績はどうでしょうか。

阪神で逃げたレースでの距離別成績

阪神競馬場で逃げたレースの距離別成績

最も勝利数が多いのが1200mで7勝。次に1800mでの6勝でした。特に1200mにおいては勝率も63.6%とかなり高く、複勝率に至っては90.9%という驚異的な成績です。実に騎乗11回中10回馬券になっているんですよね。。。これほどの成績を残しているのに、単勝回収率199%、複勝回収率171%と完全なるダークホース扱いです。

出走機会が1回しかない2400mの逃げについては判断がまだできませんが、1回走って1回勝ってます。
(2021年10月30日3歳以上1勝クラスの3番キングオブドラゴンで3番人気)

このように、どの距離でも人気薄の逃げ馬を持っていくる岩田望来騎手ですが、1200m特に信頼ができるということが分かりました。

クラス別成績

距離のお話は一旦おいといて、今度は岩田望来騎手のクラス別成績をチェックしてみましょう。

条件戦までとオープン(リステッド)に関してはだいたい同じくらいの成績で、勝率11%、連対率20%、複勝率30%くらいとなっています。

しかしながら、重賞になると極端に勝率、連対率、複勝率が下がり、G1ではまだ勝ち星がありません。

重賞での人気別成績

1番人気は3回、2番人気は6回、3番人気は14回とそれなりの人気馬に乗っていますが、4番人気までの馬で勝っておらず、勝ったのは5番人気、8番人気の馬で、人気を裏切る結果となっていることが分かります。

重賞での脚質別成績

なんと・・・重賞ではほとんど逃げていません・・・なぜ・・・。
ここまで調べたデータから、岩田望来騎手は逃げのスペシャリストと言えるのに、重賞では理由は分かりませんが、逃げていない・・・これでは・・・。

唯一逃げたレースは、2022年6月4日鳴尾記念(G3)4番キングオブドラゴン。この週から芝はBコースで馬場は速良。キングオブドラゴンがハナを取ったまま直線へ、最後までは粘れず5着という内容でした。

強い逃げ馬でG1に挑戦させて下さい・・・できれば阪神で・・・。


👍岩田望来騎手の買いドキ

・逃げ
・阪神競馬場(たぶん中山競馬場もOK)
・条件戦 および オープンリステッド戦
・特に1200m

岩田望来騎手は逃げのスペシャリストで、得意の阪神競馬場であれば距離も人気も関係なく激走することが多いということがデータから分かりました。今年も100勝に届きそうな結果を残しているにも関わらず、重賞を勝てないイメージからか平場での人気も薄くなりがちで回収率が高く、条件に合致するレースがあれば積極的に狙っていきたい騎手です。


いかがでしたか?データから考察すると、今まで見えてなかったことが見えるようになる気がしませんか☺

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