「選挙活動、ビラ配りからやってみた」を読み終えて

「選挙活動、ビラ配りからやってみた。香川1区密着日記」読み終わりました。
 前作、「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた」は、国会議員にインタビューをするにあたり「何が分からないかも分からない」と言い切った和田さんが、取材対象である国会議員から「何が分からない」かを知るため参考になりそうな本を借り、色んな現実や葛藤と向き合い、「国とは?民主主義とは?政治とは?」に自分なりの答えを探す話でした。
 続編である「選挙活動〜」は冒頭で「民主主義を実践しに来た!」との宣言があり、またいっぱい疑問や矛盾を考えさせられる本なのだろうな…と時間をかけてでも読み切るぞと覚悟を決めて読み始めたのですが…。

 ゆるい。
 地元で、土地勘があるだけに容易に想像できる光景。
 イントネーションまで分かる、リアルに聞こえて来るかのごときおっちゃん、おばちゃん達の会話。
 その中に溶け込んでいる和田さん。
 選挙活動なんて殺伐としているものと思っていた私の想像を良い意味で裏切ってくれました。
 こんな雰囲気でやってるなら、私も加わりたい。

 けれど、候補者やそれを支える周囲の人達の大変さは和やかな雰囲気からも伝わってくる。
 対立候補を擁立する人達の動きもちゃんと書かれてある。
 和田さんの目から見た「香川1区」が余すことなく盛り込まれていました。

 和田さんが「民主主義を実践しに来た」のは、衆議院選の香川1区候補者である「小川淳也」議員の選挙事務所、対立候補は香川のシェアナンバーワン、我が家も数十年取り続けている「四国新聞」を後ろ盾に持つ、元デジタル大臣「平井卓也」議員。
 
 正直に言うと…って、Twitterで散々言ってきたので今更ですが、嫌いです。
 平井卓也議員と四国新聞。
 平井卓也議員の不祥事は報道されず、四国新聞に物申した県議会議員の処分は大々的に載せる。
 言い出したらキリがないくらい嫌いになっていく要素しかない。

 そして平井卓也議員。
 私の職場は自民党の、平井議員の票田です。
 なんやかんやでご本人がやって来ては一説ぶって、私達1人1人と握手してまわる(コロナ前の話)。
 上層部の人は知らんけど、私達の間での評判はすこぶる悪い。

 でも、ニュースでも見た「ずるいじゃないですか」も、和田さんの目を通すとこんな風に見えているんだ。
 四国新聞の記者を見る目も、私とは違う。
 もう少し視野を広く持たないとな…と1人反省会しました。
 すみません。
 もう、平井さんに大人気ないブーイングアクション起こしたりしません。
 …やっちまったんです。大人気なかったです。ウグイス嬢のお姉さんが一瞬言葉を詰まらせました。お姉さん、ごめんなさい。もうしません。

 そんなお馬鹿県民はさておき、和気藹々の中で初めて体験する選挙活動に戸惑ったり、躊躇したりする和田さんと、和田さんを取り巻く人達。
 候補者の過密スケジュールと、県民の反応を交えながらクライマックスへと向かっていきます。
 あの日、20時と同時に速報が出て、小躍りしたのを覚えています。
 同じ時を、和田さんは熱気に包まれた事務所で迎えていたのですね。
 これも感慨深い。

 私の生活圏の一部を、県外から来た和田さんの目を通して俯瞰して見ている感覚が強くて、本の中で提起されていた「選挙に行く意味、投票する意味」を深く考えるところまでは到達しませんでした。
 あとジェンダーの問題も。
 あれ、結構大事な内容が書かれてた?
 …そのあたりは読み直した時に考えます。

 これまで、私の選挙は「嫌いな議員に票を入れたくない」消去法でした。
「あの人、この前、スーパーで見た時あんな事してた」地元市議会議員などは日常的に遭遇する率が高いので、人間性を垣間見る機会が多く、私の選挙判断もあながち間違ってはいなかったかもしれません。
 ですが、この本と、和田さんの前作「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか?国会議員に聞いてみた」を読んで、好き嫌いではなく、候補者自身の政策や考え方などを知った上で投票したいと思うようになりました。

 さくら の とうひょうしゃ レベル が 1 あがった!

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