PBMって知ってるかい

 PBM。
 Play By Mailの略です。
 一部ではMTRPG(Mail Talk Roll Playing Game)とも呼ばれていました。
 その昔、チェス友が手紙で次の一手を遣り取りしていたとか。そんな感じで「手紙で遣り取りされるゲーム」を指していると思って下さい。日本では「多人数が同時参加出来るロールプレイングゲーム」がメインジャンルになったそうな。
 今は「手紙」が「メール」に置き換わっている場合がほとんどです。そのため、PBeMとかWTRPGとか略称も変化しています。

 運営が用意した世界に、自分が作成したプレイアブルキャラクター(PC)を配置し、そのキャラクターを動かして「世界の謎」を解き明かしてもいいし、友人や恋人を作ってまったりイチャコラしてもいい。公式やゲームマスター(MS)が用意したNPC(ノンプレイアブルキャラクター)と関わるのも楽しいですね。
 コンシューマーゲームでは固定される主人公や仲間のキャラクターを自分達で作って動かすゲームと思って下さい。
 「プレイング」というキャラクターが取る行動を提出すると、他の人の「プレイング」と加味し、判定した結果が小説にまとめられて「リプレイ」が届く。
 そこで判明した新たな謎やストーリーに更に挑んでいく…って流れかな。
 マスターが投げた球を投げ返すと、またマスターが球を投げる。それが思ってもいない方向に飛んでったり、こちらも負けじと明後日に向かって投げてみたり。
 マスターや他のプレイヤー(PL)さんとのキャッチボール、時には騙したり騙されたりがとても楽しいゲームです。
 自分の分身であるPCが「世界の中で動いている」のを見るのも嬉しいですしね。

 私がこの世界に足を突っ込んだのは、当時は「コスモエンジニアリング」だった「クラウドゲート(旧テラネッツ)」(事業移管をして、今は(株)フロンティアワークスの一部門)が「超時空世紀オーガス」を展開していた頃。
 美樹本晴彦さん(本家「オーガス」のキャラデザ)の描いたイラストに引き寄せられて途中から始め、なんかわからんうちにゲームが終わり、次に「退魔庁付属機関高等専門学校・大和武尊」で楽しみ方が少し分かってきて、「芸能コロニーSTAR★MIRAGE」で一気に爆発しました。
 一時は動かしているキャラクターが10人、交流して情報交換する人が3桁でした。
 郵便じゃ間に合わなくて、電話やFAX、メール、チャットでやりとりし、コピー機を買って、まとめた情報を郵便で交流してる人に送るとか…やってましたねぇ。昔々の話ですが。

 趣味が高じた挙句、マスター試験を受けて採用され、「エターナルヴォイス」からマスターとしてゲームに参加するようになりました。
 途中で、郵便媒体からWeb媒体へ移行して、公式が交流や作戦を練るための掲示板を用意してくれているようになったで、随分と交流が楽になったみたいです。

 まぁ、途中で事故に遭い、病気したので中途半端なところで投げ出すことになりましたが…。
 病気治療の関係で埼玉に住み、環境が落ち着いたので徐々に活動再開すればパソコンが書きかけのリプレイを道連れにお亡くなりになり^^;
 頻繁に「圏外」になる状態で初期iPhoneの小さな画面から得られる情報を元になんとかネットを復旧させ、何度も初期化しながらパソコンを繋いだら、準備していたシナリオの設定が無かったことにされており、さらに、そのシナリオの為に用意していたNPCのイラストを頼んだ絵師さんから「納品したのに何の反応もないのか、失礼だろ」的なお叱りを受けたのが決定打となって心が折れ、マスター業を辞めてしましました。

 手術後の状態があまり芳しくなく、起き上がることすら億劫で、埼玉で知り合った方のお母様が心配して毎日お弁当を差し入れてくれなければ餓死していた可能性もあった時期、唯一外に繋がっていたのがiPhoneで。
 メールアドレスもURLも何もかもパソコンと一緒に消えた中、twitterのDMで知り合いのMSで当時のテラネッツのスタッフだった方にリプレイの執筆状況を含めてSOSを出したのですが、「ネットカフェで執筆すれば(一番近いネットカフェが徒歩で小一時間の場所にあった)」と素気無く返されてしまい…と、本当に孤立無縁状態だったので、今にして思えば、それも堪えてたんだろうな…と。

 その後、香川に帰って事故の後遺障害のリハビリを受け、ようやく生活が整ってきて、またぞろMSをやりたくなってRexiさんで採用されたのですが、こちらは「就職活動の雰囲気を知る」リハビリの一環で参加した合同面接会であっという間に就職が決まり、そこがWワーク不可だったため、シナリオを1本か2本書いただけで辞めることになりました。

 というのが、私のPBM遍歴。
 最近知った事実ですが、うちはWワーク不可ではなく、本業に支障を来さず、所得を超えない範囲ならOKだったそうな。
 あの時、迷惑をかけたRexiの方々には本当に申し訳なく…。

 自宅のパソコンもそろそろ寿命だし…と、データをHDDに移す作業をしていて「エターナルヴォイス」から「舵天照」までのリプレイとOMCで書いた文章を見つけ、せめてこれを整理して残しておくか…と思いたち、どうせならWeb上に置いとけば、当時参加してくれていたPLさんが懐かしんでくれるだろうか…と、クラウドゲートにお伺いを立てたのが、我が家にいちみつが来る少し前。
 その後の右往左往(仕事のトラブルも含め)を経て、落ち着いたので再度打診してみると、クラウドゲートは(株)フロンティアワークスの一部門となり、規約も変わったということで、Web上に公開することは不可となりました。(テラネッツ時代は一言添えればOKだった)
 ですが、アーカイブへのリンク許可は頂けたので、貼っておきますね。MT時代のアーカイブは無さげですが、興味のある方は覗いてみて下さい。

  https://t-on.jp/pc/wtrpg_list.html

 ただ、これもいつ変わるか分からないとのこと。
 どんどん新しい物語が紡がれていますから、古いものを置いておくには限りがありますもんね。仕方がないことと思うのですが、皆で作ったものがいずれ消えていくのはやっぱり寂しいです。
 ですが、PBM(PBeM、WT等)は今もなお、多くの人が参加し、楽しんでいるゲームです。
 以前のように何ヶ月分の会費を支払って参加ではなく、気軽にキャラクターを作成し、気になったシナリオに参加することが出来るので、敷居は低くなったように感じます。
 PBWのwikipediaに運営会社一覧がありますので、各社のHPを見て、面白そうな作品、興味を惹かれた作品があったら参加してみて下さいね。
 かくいう私は、クラウドゲートで現在運営されているゲームが面白そうなので、気になっています。PCだけでも作ってみるかな…^^;

 最後に。
 HDDのデータの中から自分のシナリオを見つけた時、PLさん達と紡いだ物語が消えていくのが寂しいと思ったのと同時に、途中で放り出すことになったシナリオにエンドマークを打てなかった事に今も未練を抱えていることに気づきました。
 設定を無いことにされたシナリオは、その設定に向けて動かしていたため破綻して、おそらく他のMSに一部回収された形で終わったかもしれませんが、ゲーム終了後にPLさん有志によりエンドマークへ向けてOMCを依頼されたシナリオは、その展開から察するに「終わっていない」様子です。
 そのOMCも中途半端に終わっています。
 もう、誰も期待していないであろう物語のエンド。
 自分が満足するためだけに、その話を書こうと思っています。
(株)フロンティアワークスさんに問い合わせたところ、「公式ではない二次創作」としてであれば可とのお返事を頂きました。
 さまざまな権利に抵触しないように考慮して、現在、ストーリーのプロットを組んでいるところです。
 当時、参加して、関わってくれたPCの皆さんを出すことは出来ませんが、今度こそエンドマークを打てるように頑張りたいと思います。
 ゲーム途中から仮死状態になっている騎士と、自分の出自の呪縛に囚われたままの青年の物語。
 今後、ちまちま綴っていきます。 

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