健康のはなし
「~の話をしよう」とかいうと、どこかのグランドロクデナシを連想してしまうけれど、つい昨日、ちょっと考えることがあったのでつらつらと書いてみようと思います。
長い文章を書くリハビリも兼ねて。
コロナウイルスの脅威に曝されて、毎日のように体調チェックをするようになった人も多いことでしょう。
今日は仕事に行きたくないなーそうだ、風邪気味になろう…と、うっかりずる休みの口実に使ったりしたら、翌日には同僚から遠巻きにされる。
喉の痛みを感じる、頭痛がする、熱っぽいなんて症状が出たら不安で不安で仕方なくなる。
そんな今日この頃ですが、「病気」を連想する体調不良だけではなくて、もっと自分の体のことを気にかけてあげてください、というお話。
毎年、年明け直後から年度末決算でバタバタし始める直前までが、私の繁忙期です。今年は数年がかりの計画の仕上げの年で通常より3倍忙しいと予測してはいました。
実際始まってみると、コロナの第6波でスプリット勤務となって、作業時間は通常の半分の程度、足りない時間を時間外勤務で補ってもまだ足りない。
社畜出身は仕事が山積みされているのは嬉しいけれど、時間に追い詰められ、焦るとさすがに荒んで来るようで、出勤日には心中を罵詈雑言呪詛のような言葉で埋めながら業務を遂行しています。
彼女と一緒になったのは、帰りの更衣室でのこと。
「あれー、珍しいね。こんな時間まで残っているなんて」
社畜にとって職場の掟は主命同然。
就業中は携帯電話は課長席にあるボックスに預けるか、更衣室のロッカーに置いておくべし。
靴は踵のある華美でない黒のパンプスを履くこと。
ストッキングの色は肌色とすること。黒は肌が透けない靴下かタイツのみ認める。…何十年前のルールだそれ?というような主命をちゃんと守っているんです。
なので、「残業は極力しない」方針に従い、私は基本的に定時の鐘と共に仕事を始め、定時の鐘で机の上を片付け、速やかに去る。
そんな私が19時を過ぎた頃に更衣室に現れたのだから、驚かれるのも無理はない。時間外更衣室のレアキャラ扱いだ。
残業のし過ぎで始末書を書かされたとか、定時過ぎたら「早よ帰れ」と上司が圧をかけているとかの噂がある子だけど、昼休みによく「ゲームしたい~遊びに行きたい~アレしたい~コレしたい~」と呻いているので、本心では残業なんてやりたくないはず。
彼女と同じスキルレベルの部下を育成出来ない上司こそ始末書ものじゃないの?というのはさておき、彼女のテンションは高く、きゃっきゃとよく笑ってくれるので、私も近況報告を兼ねて色々話をした。
最近はコロナのお陰で昼休みも(以下略)
その会話の中で、彼女がこんなことを言ったのです。
「最近、寝過ぎで調子悪いんだよねぇ」
ゆっくり休める勤務状態になったのならいい事じゃないか。
そんな感じの言葉を返したと思う。
「違う違う。なんかね、家に帰ったら気が緩むのか、どこでもカクンと寝落ちしちゃうんだよ」
…社畜、それ知ってる。
退勤が夜中の1時近く、朝は普通に8時で出勤していた頃、彼女と同じ状態になっていたことがある。
その頃の私は仕事が楽しくて、一日の大半を職場の中で過ごす事が苦ではなかった。
趣味の延長でライターっぽい事を始めて、稼働時間はさらに増えて休息時間が減った。
昼休みは自分の車の中で貰った資料を読み、簡単なプロットを作る。帰宅後、パソコンを立ち上げて文章を起こす。寝るのは大抵、新聞配達のバイクの音が聞こえる時間。
睡眠時間は少ないけど、充実しているから大丈夫…と思っていた頃。
床で寝てたら風邪引くでー、ちゃんと布団に入って寝なよー。じゃあねー。
あははと笑いながら彼女と別れたけれど、一日経ってもずっと気になっている。
以前、お風呂で意識が寝落ちるのは、一種の気絶であるという記事を読んだ。
あの頃の私もよくやった。顔が湯に落ちて、はっと目を覚ますやつ。冬の時期だと、湯が冷めていたりしたから、そこそこの時間、寝て…気絶状態にあったのではないかと、記事を読みながら自らの行いを深く反省した。結構最近になってだけど。
今にして思えば、体がSOSを出していたんじゃないのかな。
寝てる時間が勿体無い。
すごく充実しているし、元気だから問題ない。
そんな風に考えていた私が、その後どうなったかというと、まず睡眠障害になりました。
布団に入っても眠れない。体は疲れているはずなのに、一睡も出来ずに朝を迎えることが度々あり、当時、パワハラやら何やらが重なって精神のバランスを崩していた事もあって、心療内科の戸を叩いて判明しました。
いろんな薬を試して、副作用怖い…ってなって、今も飲んでる薬に辿り着き、そして、その薬がないと眠れない状態になりました。
これは依存じゃないの?まずくない?
そう思うけど、飲まずに寝ると安らかな眠りが訪れない。
体は寝ているようだけど、頭は半分覚醒しているっぽく、周囲の状況を認知している。時々、目を開けているんだろうね。室内の暗さとか、ぼんやりわかる。極め付けが金縛り。耳の奥がキーンとする耳鳴りがひどくなり、体が動かない。焦って手足を動かそうとするけれど、どうにも出来ない。もの凄く不快で、目覚めた時にとても疲れている。
だから、薬をやめられない。
今の状況を招いたのが、かつての自分の不規則な生活だ。
不規則な生活のツケは他にも来ました。
棺桶に片足を突っ込む病気になりました。
良い先生に当たったお陰で、今、こうして文章を打てているけれど、もし、発見が遅かったら今頃は「あの子が死んで、もう何年になるのね」なんて言われていた。
他にもある。
健康を気にし始め、健康診断にオプションをつけるようになって、体のアチコチにガタが来ていた事に気づいた。不規則な生活がなければ、もっと年を取ってから出てくるような、そんなガタ。
当時の自分に言ってやりたい。
「気力が充実しているから、体が動くんじゃない。体は、持っている生命力を前借りして動いているだけだ。借りた分、寿命が短くなっているんだぞ!」と。
生命力の前借りは記事で読んだエナジードリンクの話だけど、それと同じだと思う。
別に、寿命が短くなっても構わない。アレもしたかった、コレもしたかったと思うより、やりたい事を全部やって、楽しい人生だったと死ねるならそれでいいじゃないか。
病気しても、自分の生活を反省するどころか、そんな風に考えて私は趣味をどんどん広げていきました。
それでも、きっと未練というものは出来るものじゃないかな。
例えば、私に養い子が出来たように。
この子たちを看取るまでは、私は何が何でも生きていなくちゃならない。
例えば、推しが引退するその日まで推したいと思うように。
子供がいる人は、成長して孫の顔が見たい、孫の成長も見届けたい。あわよくば、曾孫、玄孫まで…と思うかもしれない。
やりたい事をして、趣味をどんどん増やすことは、結局は未練も増やしていくのではないかな?とか思ってみたり。
寝過ぎて調子が悪い彼女は、他の課の子で、その業務に口出しする事は出来ない。
けど、「残業するな」と圧をかけている上司もいるし、労務規定でも命大事にってなっているし(主に責任を問われたくないため)、これから改善されていくと信じたいです。
とりあえず、私は社畜時代のツケの話を彼女にしてみようと思います。
以上、長々とお付き合いありがとうごぞいました!
次は楽しいことを書きたいな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?