畑生活
2008年。もう10年も前の話。
異世界のような現実だった、オーストラリアでの畑生活の記録✎
ワーホリ4ヶ月目。
西海岸の田舎町パースを、ボロボロ泣きながら離れて向かった、東海岸のバンダバーグ。通称バンディー。
バンディー生活は、楽しくてしんどくてドラマチック
・ひどい歩合制で全然稼げない
・日焼けと虫刺され
・朝日から星空まで超過酷労働
・ちょっと恋した
さまざまな畑でお世話になりました。
あぁ楽しかった。
毎日毎日見渡す限り、畑と空がどこまでも続く世界。
広大なズッキーニ畑。
地面に這ってできる作物は、ずーっと中腰での作業なので地獄。
次は芋畑。ツルを何百本も切り続けるお仕事。
収穫もやった。芋を洗いまくるオーナー。
そしてサイズ別に仕分けて、パック詰めもお仕事のうち。
ここのオーナーは優しかったのを覚えてる。
日陰を探して、自作のサンドイッチで昼食。
みんな、見た目はどうでも良くなってた。
朝4時起きでスッピン、ジャージ、泥だらけ。ちなみにトイレもない。
20代前半に、究極の「飾らない」生活を経験しました。
1番過酷だったのは、イチゴ畑。
不思議なカートにまたがってノロノロ歩きながら、手作業で何時間も、ひとりで摘み続ける。
オーナーは厳しくて『Be gentle』(優しく丁寧に)って毎日言ってた。
イチゴを愛してた🍓
そうそう、目に焼き付いてるこの景色。
陽が落ちるまで、ひとり摘みながら、ずっとずっと考え事してた。
今までのこと。これからのこと。今のこと。
陽が落ちると、イチゴの色が見分けられなくなるので、工場へ移動してパッキングの仕事。
これがまた過酷。
立ちっぱなしで延々と。しかも1パック5㌘くらい?しか誤差が許されなくて、時間がかかる。
歩合制ってことは………そう、金にならない。
休憩時間に見るのが日課だった、工場前の夕陽。
もう頭おかしくなりそうだった。なってた。
形が悪くて売れないイチゴが愛おしい。
イチゴって可愛いイメージあるけど、工場は大量の小さい虫や傷んだイチゴたちで、なんだかスゴかった。
帰国して、ずっと食べられなかった。
他には…
・エンドウマメ(地面に実が成るから中腰地獄)
・チェリートマト(農薬地獄のチェリトマ)
の畑でもたくさん働いた。
いろいろあったけど…いろいろあったから?
ありがちな言葉だけど、かけがえない経験で、ずっと忘れないんだろな。
スッピンジャージ泥だらけ、虫刺されで足パンパン、服は水道で手洗い、お金がなくなってく不安とストレスで夜中に涙が溢れ…そしてたくさんの仲間ができた。
なりふり構わず、ただ懸命に生きていたし、そして思った。
人はどんな姿でも恋をする。
あーたのしかった!