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【石狩データセンター10周年-挑戦の軌跡-】データセンター見学会がもたらす価値とは

さくらインターネット、広報担当の朝倉です。
第6回は、石狩データセンター開所当初から積極的に取り組んできた見学会にフォーカスを当てます。
見学会の対応に尽力した社員2名へのインタビューから、他のデータセンターとはひと味違う見学会がさくらインターネットや見学者にどのような価値をもたらしてきたのかをひもときます。

数字で見る石狩データセンターの見学会

石狩データセンターとして初めての見学会は、2011年11月15日に行われた記者発表会後に実施した内覧会です。開所式に参加された高橋はるみ前北海道知事を始め、たくさんの記者の皆さんが参加し、約200名のお客さまにできたばかりの石狩データセンターの設備をご案内しました。

内覧会で来賓やTVカメラの前でデータセンター設備の案内をする社長の田中

その後、2021年12月31日までに通算1,000回以上の見学会が実施されました。見学会に参加された方の延べ人数は7,000人以上にのぼります。

見学会の開催が少なかったのは3号棟の建設工事中だった2016年と、コロナ禍によって見学会の実施を見合わせてきた2020年以降 それ以外は年間80回以上コンスタントに実施されている

特に2011年から2013年にかけてたいへん多くの見学会が行われました。1カ月で平均15回の見学会を実施していますので、平日はほぼ毎日行われていたことになります。
当時見学会を担当していたメンバーからは、「1日3回の見学会をこなした日もあり、それだけで1日の仕事が終わってしまったこともあった。」「データセンター内を歩くだけでも距離がかなりあり、見学対応で数kg痩せた。」との証言も聞かれました。

 また、別のメンバーからは「月や曜日によって開催回数に偏りがあるように感じた。」との証言が得られました。
調べてみると、見学会が多い時期は6月から11月、特に石狩データセンター設立記念日のある11月には見学会が多い傾向があります。
曜日別では、圧倒的に金曜日の開催が多く、特に道外からお越しになるお客さまが週末の行事などと合わせていらっしゃることが伺えます。

これまでに行われた見学会はどんなものだったのか

インタビューでは、見学者やイベントの思い出話に花が咲きました。
特に思い出深かったと担当者が語ったのはこちら。

  • とある大臣がいらっしゃった見学会では、警備が物々しくてびっくりした!

    • 道警の方が2回も事前視察に来ていた

    • データセンターの警備がしっかりしているので楽だとおっしゃっていただいた

    • SPの方を初めて見た

  • 有名人がいらっしゃって嬉しかった

    • 政治家の方や当時の知事や市長

    • 他にも地元の有名人が見学に来てくださった

  • TVの撮影があった

    • 某番組に出演し、みんなで「ガッチリ!」をやった

    • とあるCMの撮影で、憧れていた人が間近に!

他に、はてなさんとの共同企画での見学ツアーや、学生向けの見学会、地域の人を招いての見学会もあり、企業によるデータセンター選定のための見学ではなく、学びの場としてやアクティビティとして楽しんでいただけるようなイベントも多数行ってきました。

データセンターとは簡単に入ることのできない秘密の場所…という概念をくつがえし、必要な約束はしっかり守っていただきながら、できるだけオープンに、いろいろな人に見ていただこうというのがさくらインターネットの見学会スタイルとして定着しました。

 このため、お客さまの目的や滞在時間に合わせてお見せする箇所を選んだり、説明を変えたりするなど、見学対応の担当者にとっては大変な側面もあります。ですが、見学会に参加したお客さまがデータセンターについて理解を深めてくださったり、イベントを楽しんでさくらのファンになってくださったりすることが、担当者のやりがいにもつながっていきました。

2015年に行われた第4回さくら石狩DC見学ツアー~さくらの夕べin石狩~の一コマ

社員向けのデータセンター見学会や、社員の家族を招いての職場見学会などという活動も行われていました。社員が自分たちの会社を支える屋台骨のデータセンターを知ることが大切であることは言うまでもありませんが、社員の家族にデータセンターに来てもらって仕事を理解してもらうことは社員に長く働いてもらう上での安心感につながりました。

見学会の担当者が語る苦労と工夫

前述したような、さまざまな目的に合わせた見学会を実現していくためには、担当者の見えない苦労や工夫がありました。

たくさんの見学者をできるだけお待たせしない工夫

データセンターでは、セキュリティを守るために入館するための本人確認を行っています。
石狩データセンターは、もともとハウジングでの入館が多いデータセンターとは異なり、さくらのサービス基盤としてのデータセンターという位置付けであったため、一度にたくさんの見学者を受け入れる仕組みがありませんでした。
そのため、受付を待つ人で狭いエントランスがごった返してしまうことも。
お客さまが大型バスでいらっしゃった場合、担当者がバスに乗り込んでバスの中で入館の手続きをしていたこともありました。

 その後、入館手続きのシステムを作り受付を複数人で分担して行えるようになったため、セキュリティを守りながらたくさんのお客さまをスムーズにご案内することができるようになりました。
複数人で受付を分担できるようになった以外にも、このシステムで入館手続きは以下のように改善されました。

  • 入館申請の提出期限撤廃

    • 受付用の書類を紙に出力する手間がなくなり、窓口での事前準備が不要になったため、入館直前でも申請を受け付けられるようになった

  • 申請項目の最適化により、申請フォームへの記載事項が減った

    • 入力ミスが減り、入力ミスをチェックする手間も減った

    • 入退館時刻を、貸与するカードキーのバーコード読み取りのタイミングで自動記録することにより、入力の手間とミスがなくなった

  • 入館記録の紙媒体保管廃止

    • 記録に不備や不審な点がないかどうかを目視チェックの上押印する作業、ファイリングの作業が不要になった

お客さまに楽しんでいただけるコンテンツ作りの工夫

見学会の対応を行う社員は、普段他の業務をメインにしており、その内容によって持っている情報や知識はバラバラです。
見学会で説明する設備の基本的な情報は手順書等によって共有されますが、お客さまに満足いただくためにはその内容だけでは物足りないと感じることもあります。
社員同士で見学会のサポートをし合いながら、他の社員の説明内容を聞いたり、お客さまの反応を見たりすることは、見学対応を行う社員にとって学びとなります。
常に「お客さまに満足いただける見学会」を目指し、新しい情報や「お客さまにウケる話」を探求し続けています。

その他、以下のような工夫でお客さまに合わせたコンテンツ作りをしています。

レンタルのイヤホンガイドを利用
サーバールーム内の機器や空調の音などで、説明の声がお客さまに届きにくい恐れがある場合に使用

複数グループに分けての見学
人数が多い場合にはこのスタイル

LT大会やハッカソンなどとの組み合わせ
特に学生の見学会などでは学びも社員とのコミュニケーションも深まる

説明用パネルの設置
時間に制約のある見学会では、現地に行かずに一部パネルで説明

実際の業務を見ていただく、体験いただく
主に学生の見学会などで「データセンターの仕事」を知ってもらう

旅のしおりを参加者にお配りして、楽しみを増幅させる仕掛け
石狩の海の幸を使ったお弁当をデータセンター内の会議室で召し上がっていただきながら、見学会参加者同士やさくら社員とのざっくばらんなコミュニケーション

さくらインターネットにとってデータセンター見学会とは

見学会を行う社員は、お客さまに満足していただけるコンテンツ作りを目指し、やりがいをもってこの活動に取り組んでいる様子を知っていただけたと思います。
最後に、さくらインターネットにとってのデータセンター見学会の意義について考えてみました。

 まず、このデータセンター見学会自体がさくらインターネットにとってはブランディングの役割を果たしているということ。
セキュリティ確保のため通常非公開のデータセンターを敢えて「見せる」ことでさくらインターネットという会社、その文化、社員の人となりなどを感じていただき、見学会に参加されたお客さまがさくらのファンになってくださることを期待しています。

 そして、「職場」としての魅力を発信する場にもなっています。
これまで多くの学生向け見学会を行ってきましたが、石狩データセンターの見学を経て入社を決意した新卒社員がたくさんいます。
見学会で実際に社員の働く様子を見て、データセンター業務の裏話なども聞いてもらいながら、魅力を伝えられたらと思っています。
社員の家族に見学していただくこともありますが、社員のお子さんに「大きくなったらデータセンターで働きたい!」と言ってもらえたら、こんなにうれしいことはありません。

 最後に「学びの場」としての見学会です。
見学会を通じて、一般の方や学生の方にインターネット社会の基盤であるデータセンターについて学んでもらったり、同業他社の方とお互いにノウハウを学び合ったりする場になっていると感じています。
さくらの社員同士も、見学会を主催したり、フォローに回ったりしながら、知識を深めています。

 これらの価値をさらに引き出すための模索を、これからも続けてまいります。

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