2024年2月の「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」認定と、これまで発表した投資計画について
さくらインターネットは、2024年2月20日に経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」について、経済産業省から認定を受けました。
今回の認定により、さくらインターネットは経済産業省から最大で約6億円の助成を受けます。これは、対象となるIaaS型クラウドサービス「さくらのクラウド」の技術開発に係る人件費の一部である約18億円の3分の1にあたる金額となります。
今回の認定では、「基盤クラウドプログラムの技術開発支援」の取組種類として、利用者に利便性が高く、効率的かつセキュリティを確保できるクラウドプログラム開発の計画について、補助を受けるものです。この開発によって、国内の事業者等が重要情報を海外サービスに依存せず自律的に管理できる環境を安定的に供給することにつながります。
当社は本認定にとどまらず、「さくらのクラウド」をはじめとしたクラウドコンピューティングサービスについて、利便性やセキュリティの更なる向上に努めています。そして、国内に事業基盤を有する事業者として、重要情報を自律的に管理できる環境を提供可能なクラウドコンピューティングサービスの持続的な安定供給を目指します。
本記事では、2023年6月の以降の当社が発表した投資計画について改めて紹介します。
2023年6月以降の投資計画発表について
【2023年6月】経済産業省による「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」の認定と投資発表
~「次世代に向けた基盤クラウドプログラムの開発に必要な生産基盤の整備」として~
2023年6月、経済産業省による「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」の認定を受け、生成AI向けクラウドサービスへの設備投資を含み約130億円※の投資を決定しました。また、2023年度においてはそのうち32億円の投資を決定いたしました。
※約130億円の投資額のうち、経済産業省からは約68億円の助成を受けています。
なお、本認定は「次世代に向けた基盤クラウドプログラムの開発に必要な生産基盤の整備」の取組種類です。
この決定を経て2024年1月より、生成AI向けクラウドサービス「高火力」の第一弾として、ベアメタルシリーズ「高火力 PHY(ファイ)」提供を開始しました。
【2023年8月】GPUクラウドサービス(高火力)への追加投資
2023年6月に当社が発表したGPUクラウドサービスの提供計画は、想定を大きく上回る引き合いをいただきました。これに応えるため投資計画を前倒しし、78.5億円の追加投資を行うことを決定しました。この追加投資は、GPUクラウドサービスへの需要に対応できる計算資源を整備すべく、さらに機材投資を行うためのものです。
なお、GPUクラウドサービス用の機材投資資金はシンジケーション方式のコミット型タームローン※を契約しております。
※コミット型タームローン:あらかじめ設定した融資枠金額や期間において、借入人の請求に基づき、長期の融資を実行することを約束(コミット)する契約
【2024年1月】石狩データセンターへの追加投資
2024年1月、石狩データセンターへ約48億円の追加投資が決定し、コンテナ型データセンターの設置と既存の建物の増床を発表いたしました。
本投資は「さくらのクラウド」や「高火力」を含む当社のクラウドサービスに関して、持続的成長を実現するためのものです。
【2024年2月】経済産業省による「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」の認定と投資発表
~「基盤クラウドプログラムの技術開発」として~
2024年2月、経済産業省による「特定重要物資クラウドプログラムの供給確保計画」の認定を受け、「さくらのクラウド」にかかわる人件費等の補助が決定しました。こちらの補助を基に「さくらのクラウド」のクラウド基盤技術開発を推進いたします。
詳細は本記事の冒頭で記載の通りです。
余白の経営
社内では「余白の経営」とも呼んでいますが、当社は需要に対して迅速に対応ができるように、クラウドサービスを提供するための主要データセンターである石狩データセンターについては常に余白のある設計をしています。
石狩データセンターの3号棟においては最大8部屋をサーバールームとして稼働させることが可能ですが、現在は2部屋の稼働となっており、残りの6部屋に関しては内装を整えたらすぐにでもサーバールームとして稼働できる状況として準備しております。また、石狩データセンターの建物自体も現在は3号棟まで建設されておりますが、4号棟および5号棟を建設可能な余白が設けられています。
今後もチャンスを掴むことができるよう、データセンターに限らずさまざまな面で「余白」のある経営をいたします。
まとめ
上記のように、当社はよりセキュアなクラウドサービスを提供するために設備や人件費など、多面的に投資を行っております。
今後も「さくらのクラウド」の機能強化のため、一層開発を加速させるべく心を引き締めて邁進してまいります。
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