「Klaus(クロース)」をみて泣いた、今年のクリスマス。
わたしは4歳で引っ越しをするまで、サンタクロースを信じていました。引っ越し先の幼稚園へ転入する前は、仏教バリバリのお寺が経営する幼稚園にに通っていたので、その幼稚園でのクリスマスイベントは一切なし。いつも数珠を持って、仏様にお祈りをしていたのを覚えています。
なので、ツリーやケーキ、プレゼントなど、クリスマスを楽しむのはいつも家で、家以外でのクリスマスイベントを知りませんでした。
もうすぐクリスマス、というそんなある日。いつも通り登園し、友だちと遊んでいると、担任の先生が「みんなー!サンタさんが来ましたよー!」と、うれしそうに私たちを呼びました。そして、振り返るとそこには・・・
園長先生がいた。
「えっ・・・?!」
幼いわたしのこころに走る、衝撃。
そう、例えるなら、仮面ライダーを信じて疑わない男の子が、楽屋で仮面ライダーの着ぐるみを脱いでいるおにいさんを偶然見てしまったような感覚。
赤い服を着て、白いヒゲで、大きな袋をかついでいるけど、まぎれもなく、このおじいさんはサンタじゃない。
「園長先生、なんで??サンタさんの恰好をしてるの?!」
と思ったその瞬間。
「・・・そっか、はじめから、いなかったんだ・・・」
「どこかにいる」と思っていたサンタは、「どこにもいない」に変わった。
いままで会えなかったワケ。
両親から「サンタさんからよ。」とプレゼントを渡されるときの、違和感。
すべてが、わかった。
「サンタさんだ!サンタさんだ!」と、園長サンタに抱きつきながら、大喜びしている友だち。
その光景を、なんとも言えない気持ちで見ているわたし。みんなと同じように喜べない、さみしさを感じながら。
やがて月日は過ぎていき、中学生になる頃には、家にツリーを飾ることも、ケーキを食べることも、プレゼントをもらうこともなくなり、ふだんと変わらない、1年の中のなんでもない1日になりました。
それは、オトナになってからも変わることなく。
でも、今年はちがった。
わたしのもとへ「Klaus(クロース)」が、やってきた。
Netflixで絶賛配信中。
ざっくりネタバレすると、
「サンタクロース誕生の秘話を、いままでにない伝説として描いたお話」。
「クリスマスだし、ちょっと観てみようかな~」と、軽い気持ちで観はじめたら、いつのまにか釘付けになって、最後は涙ボロボロ。。。
「サンタクロース」という人物がつくり上げられるまでのストーリーが、とてもとてもステキで、「なぜ、赤いコスチュームを着ているのか?」「なぜ、子どもたちにおもちゃを配り始めたのか?」「なぜ、トナカイがソリをひくようになったのか?」などなど、ひとつひとつの理由づけが「そうか、そうだったのかぁーーーっっ!!」って、信じて疑わないナットク感!!ブラボー!!
「欲のない行いは、ひとの心を動かす」というセリフが、胸の奥の奥まで、沁みわたります。
おかえりなさい、サンタクロース。
戻ってきてくれて、ありがとう。
これからは毎年、待ってるからね。