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【HSP/HSCの子が不登校を乗り越えるには特性と対策】

お子さまは人一倍傷つきやすかったり、お友達に言われたことがずっと気になって頭から離れず悩んでいる様子はありませんか?

実はHSPのお子さまにとっては些細な事が不登校のきっかけになることがあります。お子さまが学校に行けなくなった理由を、親御様が理解できないケースもあります。

この記事ではHSPの特性とその対策について細かく解説します。


HSP/HSCとは?

HSPとは、アメリカの臨床心理学者エレイン・アーロンが提唱していて、Highly sensitive personの頭文字を取った略語です。環境の小さな変化に気づきやすく、初めての場面に緊張しやすく、感情の振れ幅多い傾向がある性質をもった人のことを指し、全人口の15~20%と5人に1人の割合で存在します。

そして、HSPを持つ子どものことをHSC(Highly sensitive child)といいます。

HSPは人の『気質』や『性質』であり、精神疾患ではありません。人間だけでなく動物にも一定の割合で同じ特性が見られるところから、HSPの特性は生物学的な生存戦略によるものと言われています。



HSPの特性とは?

特性①:深く考える

  • 他人から言われた言葉を一日中考えてしまう

  • 深く考えすぎて、言葉の裏や心理を過剰に気づいてしまう

  • 石橋を叩きすぎて壊してしまう

  • フットワークが重い

物事を非常に重くとらえてしまう傾向があり、考えすぎてしまい傷ついてしまうこともあります。

特性②:過剰に刺激を受けやすい

  • 人込みや物音にとても敏感(満員電車が苦手)

  • 触感、気候の変化などにも気づきやすい

  • 他人の感情の変化に気づきやすい

日常生活の中で主に自宅以外の場所で影響を受けてしまうこと多く、外出先で疲れやすい傾向があります。

特性③:感情反応の強さ、強い共感力

  • 他人が怒られているのを見ると、共感しすぎて自らも怒られた気持ちになる

  • いじめられている子を見ていられない

  • ドラマや映画の登場人物の心境に共感しすぎる

  • 自責の念が強い

共感力が高いため、いい所も悪いところも自分のことと捉えてしまいます。

特性④:些細なことを察知する

  • 他人のイライラや不機嫌に気づく

  • 他人のマイナスなエネルギーの影響を直接受けてしまう

  • 新しい環境に混乱しやすい

  • 第六感のような勘が優れている

とても感情が繊細なため、「生きづらい」と感じる方が多いです。



不登校とHSPの関係について

5人に1人と言われるHSPですが、小学生・中学生のお子さんにとっては大きな影響があります。クラスメイトとの人間関係、担任の先生とのコミュニケーション、決められた規則に沿った学校生活の中、些細なことが学校に行きたくなくなる原因になりえるのです。
一つの原因は積み重なることで大きくなり、学校へ行こうとすると体が重くなり、最終的に不登校になってしまうことがあります。以下ではHSPの気質がきっかけとなり不登校になるケースを解説します。

気質①:完璧主義

  • 問題が解けないことで、自分を責めてしまう

  • テストで勉強の成果が出ないことで自分を責めてしまう

HSPを抱える人は自分に厳しく、悪い原因を全て自分に向けてしまう傾向があります。うまくいかなかった事を「自分はダメだ」「自分には才能が無い」と全て否定し、他人と比較してしまいます。

気質②:繊細過ぎる

  • 友達に言われたことが頭から離れない

  • 友達に冗談でからかわれたことがとても傷ついた

  • 先生に言われた事が、自分を否定されたように感じた

学校生活の半分は学業で、半分は人間関係です。隣の席の生徒との関係、仲良しグループの関係、担任の先生との関係と、様々な人とコミュニケーションを取る必要があります。
HSPの生徒は、日々の学校生活の中で言われたちょっとした冗談や悪口を真正面から受け止め、思い詰めてしまうことがあります。HSPの子に冗談や悪口は通じません。想像以上に心にダメージを負ってしまうのです。

気質③:環境の変化にストレスを感じやすい

  • 先生に慣れるの時間がかかる

  • クラス替えしたあと、新しいクラスに慣れるまで時間がかかる

  • 夏休み等の長期休みのあと、クラスメイトと久しぶりに会うのに緊張する

HSPの気質がない生徒と比べると、一年を通して学校生活を過ごすだけでストレスがかかっていることが分かります。小さながストレスが何年も積み重なることで、心のキャパシティが埋まり不登校になってしまう場合があります。



HSPのチェックリスト

他人の心情に対して共感性が高く、創造性が豊かなHSPを抱える方の中には、相手が言葉に表していない思考や感情を、表情や雰囲気だけで即座に読み取る強みを持った方が多いと言われています。繊細で共感性が高く、物事を深く考えることが出来る強みを持つ方もいます。

「うちの子にHSPがあるかもしれない…」とご不安に感じる保護者様向けに簡単なチェックリストを載せます。


HSPのチェックリスト

  1. 私は強い感覚刺激(視覚・聴覚・嗅覚・触覚)に簡単に圧倒される。

  2. 私は自分の環境の微細な部分に気付いていると感じている。

  3. 私は周りの人他人の気分は、自分に影響を与える。

  4. 私は痛みに非常に敏感である。

  5. 私は忙しい日々の中で、寝室や暗い部屋、あるいは刺激がない場所と自分の私的な空間を持つことができる場所にいる必要があると感じる。

  6. 私はコーヒーや紅茶などのカフェインに敏感に反応する。

  7. 私は明るい光、強い匂い、粗い布、大きな音等に簡単に圧倒される。

  8. 私は豊かで複雑な心の一面(内面)を持っている。

  9. 大きな音には不快感や不安感を持つ。

  10. 芸術や音楽にとても感銘を受ける。

  11. 時々神経が疲れ果て、独りになりたい時がある。

  12. 自分は誠実な人間である。

  13. 私は驚きやすい。容易にびっくりする。

  14. 私は短時間にやることが多いと混乱してしまう。

  15. 他の人が環境を不快と感じている時、他の人にとって何が不快でどのようにその不快感を緩和できるか、察知できることが多い

  16. 一度に多くのことを頼まれると混乱してしまい心が乱れる。

  17. ミスや忘れ物をしないように細心の注意を払っている。

  18. 暴力的な映画やテレビ番組は避けている。

  19. 周りで色々なことが起こると、不安な気持ちになる。

  20. お腹が空いていると、集中力や気分が乱れる。

  21. 生活の変化に敏感で動揺する。

  22. 繊細な、あるいは上質な香り、味、音、芸術作品に気付き、それ自体を味わうことが出来る。

  23. 一度に多くのことが起こることをイライラしてしまう。

  24. 混乱した状況に自ら陥らない様に、生活を調整することを優先している。

  25. 大きな音や混沌としたシーンなど、激しい刺激は苦痛を感じる。

  26. 競い合い、見られることで緊張し動揺し、いつもの力が発揮できない。

  27. 子どもの頃、自分は両親や先生から敏感な人、内気な人と見られていたと思う。

出典:Are You Highly Sensitive?
上記のチェックリストで14項目以上当てはまった場合は、HSPの可能性があります。

※もちろんHSPは精神障害では無いため、あくまでも精神的に繊細で傷つきやすい要素を持っているだけです。お子さまの心境を知るための手段としてご確認ください。


HSPで不登校になった子どもに必要な4つの対応

お子さまの今の状況が前項のチェックリストに多く当てはまっていた場合、適切な対応が必要となります。誤った対応をしてしまうと、お子さまの心理状態をより悪化させてしまう恐れがありますので、以下の方法を知って保護者様は適切な対応を行うことが重要です。

対応①:今のお子さまを受け入れる

HSPがきっかけで不登校になっているお子さまは心が疲れ切っている状態にあります。体の外的な疲労と違い、心の疲れを癒すにはとても時間がかかります。

保護者様も焦る気持ちをまずは押さえ、今のお子さまの状況を受け入れてあげてください。大事なことは決して「励まさない」こと。今必要な事は「休息」です。

「みんな学校へ行って頑張っているのに自分だけできない・・・」と余計心が疲れてしまいます。今学校に通えていない状況を受け入れ、ただ認めてあげてください。

対応②:決して怒らない

一つのことをとても深く考えてしまう繊細なHSPのお子さまに感情的に怒ってしまったら、心にとても深い傷を作ってしまいます。特に学校に行けなくなっている状態を「悪い事」と判定し、怒ることはやめてください。

不登校となると、不登校生にとってご自宅が唯一の自分の居場所となります。特に保護者様は唯一の理解者になって欲しいものです。

怒ってしまうと保護者様との関係が悪化するどころか、さらにお子さまを追い込んでしまうことになるのでご注意ください。

対応③:褒める

これは不登校のお子さま全体に言えることですが、不登校中のお子さまは自己肯定感が低い状態にあります。

特にHSPのお子さまは今の現状をさらに深く考え込み、とても自己肯定感が低いです。自分に自信がなく、失敗を怖がり、立ち向かうことができない状態にあります。

保護者様がまず一番にできることは、この「褒める」ことです。お子さまのことをよく観察し、小さいことでも適切に褒めるよう努めましょう。

自己肯定感が高まることで、深く考え込みすぎたり小さなことでも過敏に反応しなくなることもあります。また、コミュニケーションを取ることによって保護者様との関係も良好になるきっかけにもなりえます。

対応④:原因を探る

お子さまの心の休まり、徐々に元気になってきただ買いで、不登校になってしまった一番の「原因を」探っていきましょう。

ほとんどの場合は人間関係にありますが、個人差があり様々な複合的な原因がある場合もあります。一つひとつひも解いて、お子さまが一番嫌だったこと、一番ストレスを感じていたことと向き合ってください。その際は、お子さまのトラウマを思い出させてしまわないよう注意が必要です。


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