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【不登校の原因は分からないことが多い?理由や対処法を解説】

お子さんが不登校になっている理由が分からなくて悩んでいる方は多いと思います。

しかし、本人も理由が分からないという場合も多く、無理やり聞き出そうとすると、かえって事態が悪化してしまうケースもあります。

この記事では、お子さんが不登校になっている原因、そして原因が分からないときの対処法を解説していきます。

お子さんが不登校になっている理由が分からずに悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。


不登校の原因

文部科学省が行った令和2年度不登校児童生徒の実態調査によると、生徒が不登校になる原因は様々です。

しかし、ほとんどの理由は大きく分けて以下の3つに分類できます。

①学校
②本人の心・身体
③家庭

それぞれ詳しく説明していきます。

なお、本見出し以下は以下データを出典として記載しています。

(*出典1)文部科学省|資料2 【概要】不登校児童生徒の実態調査結果

①学校

最も多いのが、学校で起きたトラブルが原因で不登校になるというケースです。

その中でも、いじめや友人関係に関するトラブルが多いようです。

それ以外でも、

  • 先生が怖かった

  • 先生と合わなかった

  • 体罰を受けた

など、先生との関係が悪化して不登校になったというケースもよく見られます。

「授業が面白くない」、逆に「授業についていけない」など、学校での勉強を理由に不登校になることも少なくありません。

また、全員が同じ制服を着たり、校則に従うことに違和感を覚えて学校に行かなくなるということもあるかもしれません。

他には、中学校になって部活動が始まり、部活動内の人間関係などが原因で不登校になることもあるかもしれません。

進級や転校など、急激な環境の変化についていけずに不登校になることもあります。

②本人の心・身体

2番目に多いのが、本人の心や身体の不調が原因で不登校になるというケースです。

登校しようとすると腹痛がするなど、身体の不調が原因になったケースも少なくありません。

ただし、このような場合は、学校でのトラブルが原因で身体に不調をきたしていることも少ないかもしれません。身体の不調には何か別の原因があることが多いということに注意しましょう。

登校前の腹痛に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

③家庭

3番目に多かったのが、家庭での問題が原因で学校に行けなくなったというケースです。

「親と喧嘩した」、「親の注意がうるさかった」など、保護者との関係が険悪になって不登校になったというケースもあります。

お子さんが内心で親に対して反感を覚えていて、気付かぬうちに親子関係が悪化していたという場合もあるので、注意が必要です。

親子関係だけでなく、父と母の仲が悪いなど、お子さん本人以外の家族関係が悪いことが原因で、学校に行けなくなることもあります。


不登校の原因は分からないことも多い

文部科学省の調査によると、約25%のお子さんが「きっかけが何か自分でもよく分からない」と回答しています。

つまり、4人に1人の不登校のお子さんは、不登校の原因が自分でも理解・言語化できていません。

ここからは、本人でも原因が分からない理由を解説していきます。

(*出典1)文部科学省|資料2 【概要】不登校児童生徒の実態調査結果

言語化するのが難しい

特に小学生の不登校に多いですが、お子さんにとって理由を説明するのは難しいです。お子さんが「モヤっとした悩み」を抱えている場合、その「モヤモヤ」を説明できずに、「分からない」と言ってしまっている場合があります。

このような場合は、保護者の方が丁寧にお子さんの話を聞いてあげることが重要です。


原因を他の人に言いにくい

家庭や学校でのトラブルが原因で不登校となっている場合、お子さんにとっては事情を説明しにくいかもしれません。

特に、いじめを受けていることを保護者に知られることが恥ずかしいとお子さん本人が思っている場合や、親子関係が悪化して不登校になった場合はお子さんは理由を説明しにくいです。

このような場合は、「お子さんの様子が普段と違う」など、態度から察してあげることが重要です。

理由が複雑でそもそも本人も理由が分からない

先ほども書いた通り、不登校の原因は様々です。そのため、1つの原因に特定できることは少なく、様々な原因が複合的に重なって不登校に繋がったということも多いです。

例えば、部活でのトラブルが原因で登校前に腹痛が酷くなるといった場合や、学校に行く理由に本人が納得できていない中で友人関係でトラブルが発生した場合は、原因を1つに特定できません。

不登校になった理由が途中で変わってしまうこともあります。

不登校になったきっかけの悩みは解消されたが、不登校が続くうちに「今さらもう学校に戻ることはできない」、「今戻ったら友達や先生から何を言われるか分からない」などと新たな悩みが発生してしまうということは多いです。

不登校の原因を明確にすべき時

不登校の原因が分からないとき、必ずしも理由を特定することが良いとは限りません。

しかし、以下のような場合には保護者が積極的に不登校の理由を特定すべきです。

いじめや体罰が明らかにあるとき

クラスメイトからいじめを受けていたり、教師から体罰を受けていることが明らかな場合は、保護者が気付いて対処してあげる必要があります。

特にいじめや体罰の場合は、本人が後ろめたさを抱えていたり、誰にも相談をするなと口止めを受けていることもあるので、保護者が積極的にいじめや体罰について確認しなければなりません。

以下のようなことがあった場合は、注意が必要です。

  • 身体に不自然なアザやケガがある

  • お子さんの服や持ち物が不自然に汚れている

  • お子さんの持ち物が不自然に無くなっている


お子さん本人が聞いてほしそうにしてるとき

お子さん本人は理由を話したがっているけど、恥ずかしいなどの理由で積極的に言い出せない場合も多いです。

お子さんが、友人関係などで何かトラブルが起きたように感じさせる発言をしているなど、お子さんが話を聞いてもらいたがっている「サイン」を見逃さないようにしましょう。

直接的なサインでなくても、成績が急に落ちたり、夜更かしが増えるなど、「いつもと違う」ということがサインになることもあるようです。



そもそも「不登校=悪」ではない

不登校の原因が分からないとき、早く学校に復帰させなければならないと思ってしまいます。しかし、学校に行かないことは必ずしも悪いことだとは限りません。

学校が本人に合わないというだけの可能性もあります。

子さんが不登校になると社会からドロップアウトすると不安になったり、悩まれる保護者の方は多いと思います。しかし、文部科学省の調査によると、不登校生徒の約80%は就学・就労しています。

不登校生徒の多くは、今の学校を卒業した後に何らかの形で社会に関わっています。そのため、不登校になったお子さんを心配することは大切ですが、不登校を悪と考えて、強引にお子さんを学校に適応させる必要はありません。

(*出典2)文部科学省|「不登校に関する実態調査」 ~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~(概要版)



不登校の原因が分からないときの対処法

不登校の原因を特定できないと、何もできないと思ってしまうことは多いです。しかし、不登校の原因が分からなくても、現状を改善することはできます。

以下では、不登校の原因が判明しないときにやるべきことを解説していきます。

第三者に相談

お子さんが不登校になったとき、どうすればよいのか分からなくて悩むのは当然です。

不登校は、保護者だけで解決するのには重すぎる問題です。

早いうちに第三者へと相談しましょう。

まずは、担任や学年主任、スクールカウンセラーなど、お子さんが通っている学校の方に相談するのが良いです。

既に学校関係者に相談しても、助けにならなかったという場合は、学校外部の専門家を頼ると良いでしょう。

以下に、学校以外で不登校問題の相談を受け付けているところを紹介します。

◆各自治体の教育支援センター

都道府県や市区町村の教育委員会が運営しています。相談活動だけでなく、不登校生徒に対する通所指導も行っています。ただし、義務教育のお子さんのみが対象の場合が多いです。

◆一般社団法人不登校支援センター

全国に7つの支部があり、小学校、中学校、高校とお子さんが通っている学校に応じた対策法を相談することができます。初回相談は無料です。

公式サイト:一般社団法人 不登校支援センター

◆NPO法人フリースクール全国ネットワーク

全国のフリースクールに繋いでくれます。フリースクールの利用相談には最適です。

公式サイト:NPO法人 フリースクール全国ネットワーク


お子さんに合っていそうなフリースクールに個別に相談してみるのも良いでしょう。



家庭を安心できる場所に

お子さんが不登校になっている原因として共通するのは、何らかの形でエネルギー不足になっていることです。

お子さんがエネルギーを充電する一番の場所は家庭です。学校で何かあったときの充電先として家庭が機能するようにしてあげてください。

お子さんにとって、どんなことがあっても家庭だけは安心できる場所にしてあげましょう。


学校のクラス以外で居場所を見つけてあげる

お子さんが不登校になっていることを端的に表現してしまうと、「今の学校にいると居心地が悪いから」です。

そのため、環境を変えればお子さんにとって、居心地が良くなることがあります。

保健室登校など別室登校をしたり、「午後だけ登校する」、「特定の授業だけ受ける」など一部の時間だけ学校に行くのも良い方法です。

お子さんによっては転校すれば通えるようになるということもあります。

また、学校以外で居場所を見つけることも重要です。社会と関わる場所は、学校だけではありません。

お子さんに合った社会と関わる場所を探すことが大切です。フリースクールや習い事、地域のイベントなど、学校以外で活動する場所を探してみると良いでしょう。


不登校の理由が分からないときにしてはいけないこと

保護者としては不登校となっている状況を改善するために良かれと思って行った対策が、かえって逆効果となり状況を悪化させることがあります。

以下では、不登校の原因が分からないときにやってはいけないことについて解説します。

強引に理由を聞き出そうとする

不登校の原因を突き止めようとするために、強引にその理由を聞き出そうとするのは得策ではないです。

お子さんが不登校になったときに、保護者の方が理由を聞き出そうとして、ついついお子さんを問い詰めてしまいます。

しかし、お子さん自身も理由が判然としていなかったり、理由が話しにくい内容だったりすると、問い詰められたときに、お子さんは「追い詰められた」と感じます。

そうすると、お子さんはますます心を閉ざし、さらに状況が悪化してしまいます。

「理由は分からないことが多い」ことを思い出して、辛抱強くお子さんに寄り添いましょう。


無理やり学校に行かせる

無理やりお子さんを学校に行かせようとしてはいけません。

不登校になっているということは、どんな理由であれお子さんにとって学校は不快な場所だということです。

強制的に学校に行かせると、お子さんの心理状態はかえって悪化します。特にいじめを受けている場合などは、学校から一度避難することが重要です。

また、無理やり学校に行かせると親子関係に亀裂が生じて、不登校の解決が更に困難になる場合が多いです。

お子さんが徐々に学校に復帰したり、学校以外の場所で居場所を見つけられるように協力してあげましょう。


不登校を責める

不登校のことを悪く言ったり、不登校であることを責めたりしてはいけません。

「今日も行かないの!」などとつい強く言ってしまうこともあるかもしれません。

実はお子さんは不登校に罪悪感を感じて、自分自身を責めていることが多いです。そこに保護者からも責められると、さらに自己肯定感を失って、自分の殻に閉じこもってしまうでしょう。

そうなると、不登校の解決はさらに難しくなります。

お子さんが不登校であることを受け止めて、一緒に解決法を考えてあげることが重要です。


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