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波乱万丈ニュージーランドの思い出を聞いてくれ②

この夏に滞在したニュージーランドの思い出について書いています。ご興味ある方はこちらからどうぞ。

さて、新しいスーツケースと共にニュージーランドに降り立った私。15時間のフライトとモンスター大騒動でへとへとになった私はこの後オークランドのホテルに泊まることになっていた。
初めて使ったよUVER。アプリから到着地を入れて出てくる車を選んでハイ終わり!というこれ以上ないほどスマートなシステムである。しかもこれ、最初にアプリで金額もわかってしまう素晴らしい代物。「海外ではこれが主流やで!」という父の言葉を信じ、しっかりアプリダウンロードしていきました。
ホテルの名前を入れて、一番上の車をタッチして……もうどっきどき。今思えば日本で一回使ってみるべきやったと思う。なんて頭が回らないことでしょう。教えてもらった車のナンバーをぶつぶつ呟きながら探し回ること3,4分。

来た!!あれだ!!!!

思わず駆け寄ったよね。動いている車に。

しかもこれ後から気づいたんだけど、アプリで迎えに来る車の位置情報見れた。便利すぎ。ぶつぶつ呟く変人はもうやりません。
運転手さんは実はあんまよく覚えてないけどおじさんだった。タクシーは女性の運転手さんもいたけど、UVERでは一回も女性に出会わなかった。

おじさんは私の新しい相棒を後ろに乗せてくれて、車を発車させた。

おじさんが目的地確認してくれなかったから、私が携帯を握りしめてマップでずっと位置情報確認していたのも仕方ないよね!!連れ去られて解剖される想定までしたよ!!

ホテルまでは約20分。危機感を感じながら乗っていると、急におじが

「あれ、スカイタワー。」

お!!!なんか教えてくれとる!!

私「へえ!」
おじ「800mあって、南半球で一番でかいねん。」

800m!!!?それはすごい。スカイツリーもびっくりだ。そんな観光名所があったとは……

おじがわざわざ通ってくれたのか、それともたまたまなのかわからないが車からかなり近くで見た。

800m……のわりにちっさくない?

私はすみだ水族館もソラマチも浅草も何度も行ったことがある。スカイツリーの展望台に上ったこともある。関係ないし行ったことは無いが展望台の飲食店で働いていた友達もいる。
そんな私が見て、こんなちっさいと感じるわけがない。
後部座席でこっそり調べた。

おいおいおいおい。半分以下やんか。おっさん適当なこと言うとるな。

私はこのおっさんを信用しないことにした。

その後もぼそぼそとおっさんは話し続けたが、私のリスニング力の乏しさも相まって適当な返事を返し続けている間にホテルに到着した。おっさん、ばいばい。

突然だが、私はお酒に強い。本当に強い。
年末に紅白を見ながら白ワイン1瓶を一人で飲み切ってケロッとしていた。うちの兄はほろ酔い半分飲んだだけで顔が真っ赤っかになって寝てしまうので、私は母のお腹で肝臓の丈夫さを兄から全部吸い取ったのだと思う。そのかわり几帳面さとかは吸い取られた。多分。
そんなわけで、ニュージーランド産のワインをそれはそれは楽しみにしていた。オークランドに到着したその夜も身体を奮い立たせて飲みに出かけた。
これが当時私が残したストーリーである。

現代技術ってすばらしいねぇ~!!!おかげで生牡蠣にありつけた。

でもメニューの上から2行目。見て。

ほこりっぽいエプロン

やだよ。

ストーリーを見た友達が後から連絡くれて発覚したんだけど、これ頼まなかったんです。悔しい~~~!!!!ほこりっぽいエプロン。気になりすぎてもう一度行くって決めてる。

まあそんなこんなで1日目終了!濃かった!
安心してください。こんなアホみたいに色々起こる1日があと30日分続くわけじゃありません。ここからは1か月間の中でこれは言いたいな~ってものを書いていきますね。

そんなこんなで2日目。
朝食にかの有名なフラットホワイトを飲もうとしたが「フラットホワイトプリーズ」を100回繰り返しても伝わらない。5、6人のスタッフさんを困らせてようやく頂けたフラットホワイトは苦かった。伝わった瞬間のスタッフさんの顔を見せたい。
本場の発音は「フラッホワッ」らしい。わからんわ。

そうしてまたまた空を飛んでやってきましたウェリントン!
街でホストファミリーに会うために空港からまたUVERに乗りました。
今回は頭にターバンを巻いたおじいちゃん運転手。まあもう私も慣れたもんで、目的地だけ確認して身を任せた。すると、

おじい「観光?」

おじい話しかけてくる!!

私「あ、はい。まあそんな感じで」

私も数年接客業してますもんで、愛想よくするの得意なんですよ。笑顔で半トーン声上げて。でもこの時、おじいにはこの肯定の言葉聴こえへんかったらしく

おじい「この辺は高級住宅街だから、中国人は住めないよ」

んん!?
これはあれか。噂のアジア人へのなんちゃらってやつか。

私「ちゃうで。私日本人やし、観光するねん。サイトシーング!」

そしたら態度は一変。

おじい「日本人かあ!!!そうかそうか!!」

他にもなんか言うてたけど聞き取れへんかった。
いや、なんていうか。日本人の信用のされ方が嬉しいっていう気持ちもありつつ、こう露骨な態度を目の当たりにするとドキドキしちゃうね。何者でもない私は良しも悪しも言えん。
このおじい、私を送り届けた後近くのタクシー運転手に「儲かってる!?Fu*k you!!」って叫んでた。こっわ。

そうしてそんなファンキーおじいに送り届けられ、私は無事にホストファミリーに出会うことが出来た。

そしてまた事件は起こる。

私の使っているスマホは海外でも一応使えるが、その容量は2G。1ヶ月は不可能だ。
そこで私はスマホのSiMをニュージーランドで購入し、ホームステイ先に送っておくことにしていた。

ホームステイ先に到着すると、ホストマザーがSiMを手渡して「大変だったんだよ!」と言ってくる。

え?

どうやら家に誰もいない時に届けに来たらしく、1度SiMが業者の元に戻ってしまったらしい。

しかも届け先は私の名前になっているため、名前も苗字も違うホストファミリーは受け取れない。

じゃあ何故ここにあるのか?

「私の姪って言ったの」

いけるんかい。

ガバガバやな。

そうして紆余曲折して私の元に届いたSiMはちょっと輝いてた。気のせいか。

SiMには説明書がついており、「SiM入れたらこんなマークが出てきてそれを押せば使えるようになるよ!」と書いてあった。簡単。

そう、簡単なはずだった。

ところが、SiMを入れても使えない。一切何も出てこない。何度も入れてるうちに「これは読み込めません!」って出てきた。温厚なうちのスマホが怒った。

カスタマーセンターに電話したが、機械音しか鳴らない。

なんてこった!!!!!!!!

困る。大変困る。一応持ってきたサブのスマホも読み込まない。困る。

これは………殴り込みか………?

上陸2日目にして2回目の殴り込みである。仕方ない。

次の日。スマホ2つとSiMと勇気を手にして、夜に調べておいたSiMのお店に向かった。

意を決して店に入ると、そこには

イケメンがいた。

いやびっっくり。私普段外国の方にあんまりときめかないんですよ。日本人の顔が好き!って公言してる。なのに。

イケメンだったのだ。

あの…なんていうか、シュッとしたイケメン。前に友達には「北村匠海を細くして縦に伸ばした感じ」って言ったけどやっぱりちょっと違う。どっちにも失礼だな。ごめんなさい。

そんなイケメンを前にどぎまぎしながら必死に訴えた。

私「この…ここで買ったSiMが使えないんです。」
イケメン「ちょっと見せて」

イケメンはSiMを受け取ってパソコンでカタカタし始めた。

イケメン「これね、SiM入れる前にアプリ入れないといけないんだよ」

え!!?聞いてないよ!!?

どうやら説明書には省かれていた工程があったらしい。なんてこった。

どうなってんだと文句を言おうか…ちらっとイケメンを見る。

かっこいい。許そう。

そして無事に私はSiMを手に入れた。命よりも大事なスマホに命が宿ったのである。

イケメンは優しかったし感謝している。しっかり相談料取られたけど。

しかしまぁ、昨日の佐藤二朗とは対応が180°変わる自分にびっくりだ。二郎のことはまだ許していない。俺のスーツケースを返せ。

そうして私はまた相棒と一緒にニュージーランドのポケモントレーナーを目指して歩んでいくのである。ピカチュウ。

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