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いつまで経っても 4話
【いつまで経っても「小島凪紗」】4話
「なぎどこ〜?」
「はぁ〜い」
メイドのなぎと主人の僕。
「あぁ居た、なぎ」
「いかがされました?」
タオルを畳んでたのでなんとなく向かい側に座る。
「どうしたんですか?」
「別に?」
「そうですか」
黙々と作業を続ける。
「.....」
「.....」
タオルはどんどん綺麗に畳まれていく。
「.....なんか今日大人しいね」
「そうですか?」
「うん」
「今日は色々やることが溜まってて忙しくて.....」
「いや.....うんありがとね」
「あ、分かったもしかして寂しいんですか?笑」
「う〜ん.....まぁ」
「え、な.....え?」
最近ずっと僕の部屋で朝から晩まで騒いでたのに、急に静かになるとこっちもその寒暖差に困る。
「僕も手伝おっと」
「いやいや!○○様は休んでてください!メイド長に怒られちゃいますから!」
「僕から言っとくから」
「でも.....」
「早く終わらせてゲームしようよ」
「またいじめるんですか.....?🥺」
「ふふっ笑 それもいいかもね笑」
「嫌です!したくないです!」
「ダメだよ。ご主人様は誰?」
「ずるいです、こういう時だけ使うの」
「だから早く終わらせよ」
タオルを1枚取って畳むと怒られた。
「たたみ方が違います!それだと皺になっちゃいます」
「たたみ方なんてあるの?」
「そうですよ」
「どうやるの?」
「まずここで折って次はこっちを折って.....」
なぎに教えられてる事実が少し不思議で、なぎの顔を見ていた。
「ん?何か付いてますか?」
「え?いや別に」
「そうですか.....分かりました?たたみ方」
「うん、ありがとね」
「いえいえ!」
「えーっと....ここをこうして....」
「ねぇ笑 最初から違いますよ?笑」
「え?どうだっけ?」
なぎは僕の隣に座る。
「見ててくださいね」
「うん」
「まずここで折って次はこっちを折って.....」
普段見れない、なぎの真剣な横顔に見とれてたんだと思う。
「.....です」
「.....」
「見てました?笑」
「え?」
「もう.....笑」
なぎは立ち上がり僕の後ろに立ったと思いきや、そのまま僕に覆い被さる。
「な、なぎ!?」
「手貸してください、教えるので」
その声は真剣な時の声だったので、続ける他無かった。
「まずここで折って次はこっちを折って.....」
「.....うん」
「こうです」
「分かりやす.....笑」
「できますか?」
「うん、ありがとう」
「.....」
なぎはそのまま抱きついてきた。
「私も寂しかったので○○様から会いに来てくれて嬉しいです.....」
「なぎ.....」
僕の首に回ってる腕を撫でる。
「早く終わらせて僕の部屋でのんびりしよ」
「もうちょっと.....」
「なぎ〜.....」
なぎの鼓動が背中を介して伝わってくる。
「.....よし!チャージ完了です!急ぎましょ!」
「うん」
僕が1枚畳む度になぎは3枚畳むので圧倒的な力の差を見せつけられた。
「終わった〜.....」
「まだ他の作業があります。笑」
「え?」
「お洗濯と〜、お掃除と〜、それから」
「よし、明日やろう」
「ダメです。明日はまた別のお仕事があるので今日やらないとなんです」
「えぇ.....どうしても?」
「どうしても」
「.....分かったよ、手伝うから頑張ろ」
「はい!」
全部終わったのは16時だった。
「○○様のおかげで1時間早く終わらせられました!ありがとうございます」
「なぎ、いっつもこんなに大変なことしてたの?」
「左様でございます」
「もっと労るね.....」
「いえ、○○様から『ありがとう』と言われるだけで十分どころかもったいないくらいですので.....笑」
「そんなことないよ。これからもたくさん言うよ」
「大変嬉しゅうございます」
「なぎは偉いね」ヨシヨシ
「○○様ぁ.....」
「肩とか凝ってない?手とか痛くない?」
「大丈夫ですよ」
「あれならぎゅーしてもいいよ」
「ほんとですか!」
「うん、おいで」
「やったぁ!」
「うっ」
勢いよく来るためびっくりした。
「○○様、大好きです〜」
「うん、ありがとう」
しばらく無言で抱きつかれてたからたぶんほんとにチャージしてたんだと思う。
「なぎって休日何してるの?」
「休日ですか?」
「うん」
「○○様の事考えてます。毎日ですけど」
「そうじゃなくて、何して過ごしてるの?」
「部屋でゴロゴロしてます」
「外出るの好きじゃないの?」
「あんまり自分からは出ないですね」
「今度遊園地連れてってあげる」
「ほんとですか!!」
「ちゃんと給料も出すから」
「いらないです」
「いやでも」
「てっきりデートに誘われたと思ってたのですが、メイドとしての対応をご所望ですか?」
「.....たしかに」
なぎはより強く抱き締めてきた。
「.....楽しみです」