可愛い後輩
【櫻の魔法 〜可愛い後輩〜「松田里奈」】
「先輩!!」
「どうした」
「ご飯食べてきました!🫡」
「おかえり」
「今日は蕎麦を食べました!🫡」
「あ、この前教えたところ?」
「です!🫡」
「何食べた?」
「とろろにしました!🫡」
「美味しいよな〜」
「美味しかったです!🫡」
「それ.....」
「ん?🫡」
「右手辛くない?」
「辛いです!🫡」
「直れ」
「はい!」
隣のデスクに座る松田里奈は最近入ってきた後輩。
どうやら事務は初めてらしく、毎日頑張っている。
「何か手伝えることありますか?」
「今ちょうど無いんだよね...どうしようか」
「.....🙂」
ふと松田の方を見ると、笑顔でこちらを向いて待っていた。
「.....」
「.....?😊」
「ふっ笑」
「なんですか笑」
「いや笑 なんか犬みたいだなって笑」
「えぇ!?笑」
「いいね」
「いいね?笑」
「あ、特に何も考えてない」
「なんだそれ」
「何しようかねぇ」
「.....🙂」
「.....手!笑」
松田は拳を前に突き出して犬のポーズをしていた。
「もう犬じゃん!笑」
「だって指示ないと何も出来ないんですも〜ん」
「そうだなぁ.....じゃあ書類整理でもしてもらおうかな」
「はい!喜んで!」
「居酒屋か」
「ご注文は以上でよろしいですか?」
「居酒屋じゃねぇか」
「生、頂きましたー!」
「これさ.....」
「はい!」
「日付順に直してくれる?」
「分かりました!」
「申請書と領収書がごちゃ混ぜになっちゃってるから、それも分けといて」
「分けたらどうしたらいいですか?」
「ファイルに馳せなきゃなんだけど.....無いね」
「総務から貰って来ましょうか?」
「場所分かる?」
「あ〜.....」
「.....一緒に行こうか」
「はい!」
松田を連れて総務へ。
「エレベーター呼びます!」
「ありがとう」
「エレベーター着きました!」
「うん、着いたね」
「乗りますよ!」
「うん」
「乗りました!」
「.....そうだね」
「降りてます!」
「降りてるね」
「あ、止まります」
「うん」
.....なんでこの子はいちいち報告を?笑
「.....」
「.....」
「.....天気いいですね」
「いや笑 別に無理に話さなくても笑」
「着きました!」
「着いたね」
「降りますか?」
「うん、降りるよ」
「降ります!」
「うん」
「降りました!」
「.....ふっ笑」
「なんですか?」
「報連相しっかりしてるね笑」
「はい!先輩に教わったので!」
「.....?」
少し前の出来事を思い返す.....
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「いいかい」
「はい!」
「事務に限らず、仕事は報連相が大事」
「ほうれん草.....」
「あ、たぶんそっちじゃない」
「え?」
「胡麻和えにしたら美味しいやつじゃなくて」
「先輩胡麻和え派なんですか?私は煮浸し派です」
「美味しいよね」
「はい!」
「.....何の話だっけか」
「ほうれん草美味しいよねっていう」
「あ、報連相ね」
「はい.....?」
「報告、連絡、相談」
「あぁ!報連相!」
「そうそう」
「どんなに些細なことも報連相してね」
「分かりました!!」
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「.....え、まさか全部報告してた?」
「はい!」
「あぁ...だからか.....」
思い返せば、たしかに全部報告してた。
PCを立ち上げる時も、席を立つ時も、誰かに話しかける時さえ。
「素直なんだね」
「ありがとうございます!」
「よしじゃあ次は厳選した報連相を目指そうか」
「厳選ですか?」
「うん、例えば一緒にエレベーターに乗る時は僕も乗るから分かるでしょ?」
「.....確かに」
おーう...気づいてなかったー.....。
「そんな感じで厳選していこうか」
「はい!頑張ります!」
やる気は凄いんだよな.....。
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次の日。13時。
「先輩!!」
「どうした」
「ご飯食べてきました!🫡」
「うん、おかえり」
「今日はハンバーグ定食を食べてきました!🫡」
「この前教えたところ?」
「はい!🫡」
「美味しかった?」
「美味しかったです!🫡」
「.....直れ」
「はい!」
「うん、今日も素直だ!」
「はい!」
可愛い後輩だ。