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欲しいもの
「欲しいもの〜?え〜.....何もいらないよ.....笑」
今日は夏鈴の誕生日。
「嬉しそうにしてんの超可愛いんだけどなにそれ」
夏鈴は嬉しそうに身体を揺らしていた。
「やめて」
「何でもいいよ」
「ん〜....美味しいご飯食べたい」
「これから食べるからそれ以外」
「え〜....あ、○○の家にあるディフィーザー同じの欲しい」
「え?あれでいいの?」
「うん」
「ちなみになんで?笑」
「....なんでもいいじゃん」
「ふ〜ん僕ん家と一緒の匂いにしたら会えない時も寂しくないもんね〜?」
「....うるさい早くちょうだい」
「他にない?ディフィーザーだけだとなんかあれじゃん」
「....なんでもいいんだよね?」
「うん?」
「....○○の服が欲しい」
「....え?」
「ごめんやっぱりなし!!忘れて!!」
「無理でしょ笑」
「もう....殴っていい?」
「なんで!?」
「....○○の匂い好きなの」
「でもあんまりハグしてくんないよね」
「....あんまりぎゅーするの嫌かなって」
「そんな事ないけど」
「前言ってたじゃん『くっつくの嫌だ』って」
「違うよ笑 『暑い時は嫌だ』って言ったんだよ笑」
「....今は?」
「おいで」
夏鈴はダッシュで飛び込んできた。
「もしかしてずっと我慢してたの?」
「....うん」
「なにそれ超可愛いんだけど」
「....あとこれからもいっぱい『可愛い』って言って欲しい」
「言われなくても、夏鈴が嫌だって言っても言うよ笑」
「その....あんまり可愛い反応できないけどちゃんと嬉しいから」
「いや、見てわかるからそれくらい笑」
「....え?」
「夏鈴、嬉しそうに振ってるしっぽ見えるもん」
「絶対うそ」
「ホントだよ、ほら今も」
「そんなことない」
背中に回してる手はしばらく僕を掴んで離さなかった。