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衣は新に如くはなく、人は故に如くはなし 5話 Fin.

【衣は新に如くはなく、人は故に如くはなし】5話
「ちょっとお手洗い行ってくるね」
「は〜い」

.....あぁあああああ!!!緊張する!!
というかしてる!!!!
頑張って仕事の合間を縫ってマナーの勉強しといて良かった!!!!
先輩に連れてってもらって実践できてよかった!!!!
ちゃんと大人っぽく立ち振る舞えたかな.....。
不安だ.....すごく不安だ.....いやでも突然連れてこられた里奈の方が緊張してるはずなんだから平常心を保つんだ.....。

.....いや、違う...これからだ。

「すみません」
『ご用意できております🙂』
「.....」
『お客様、良かったら私と一緒に深呼吸しましょう』
「え.....あ、ありがとうございます笑」
『プロポーズ成功すると良いですね』
「えぇ.....でもなんだかいける気がしてます」
『私共も祈っております😊』

里奈と高校生の頃に出会ってから5年、大学生の時からお金を貯め始めてやっと目標額に達した。
そして仕事も2人の関係性も充分に自信がある。
あぁ.....大丈夫だ。


よし


「ただいま」
「おかえり〜.....どうした?笑」
「里奈、これを受け取って欲しい」
「えぇ!?」

彼が持っていたのは黄色が綺麗な花束だった。

「.....可愛い」
「良かった.....」
「でもなんで?」
「その花束の中を見て欲しい」
「ん?.....うそ!!」

花が小さな森になり、その中には一際輝く指輪があった。

「里奈さん」
「は、はい」
「これからもずっと僕の隣で笑ってて欲しい」
「うん.....」
「僕と結婚してください」

その時の景色を今でも鮮明に覚えている。
夜の水平線に満月がほろり、手には黄色のラナンキュラス、そして人口81億人の世界で私だけに向けて微笑んでくれる彼。

これほどまでに優しい彼の笑顔を見たことはなかった。

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「里奈〜」
「できてるよ〜笑」
「早いな笑 待って僕が準備できてない笑」
「も〜早くして〜笑」
「心配しなくてもガイドのニャリが来るのは10時だから笑」
「近くにマーケットがあって行きたいなぁって🥺」
「よし分かったすぐ行こう今行こう」
「いや着替えてちゃんと笑」
「シャツ選んでよ」
「ん〜じゃあこれ」
「あはは笑  僕もそれ選んでた笑」
「いえーいシンパシー🫰」
「パシー🫰」
「ねぇねぇフランス語で『avoir du persil』で『楽しい』だって!」
「『persil』ってパセリ?」
「うんパセリ」
「なんでパセリ?笑」
「分かんない笑」
「ままーぱぱーまだー?」
「もう行けるよ〜」
「あ〜、天ちゃん服脱ぎっぱなしじゃん」
「ちがうよこれはおひるねさせてるの」
「だとさ?笑」
「も〜笑 じゃあ帰ってきたら起こしてあげようね」
「うん!」

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