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甘酸っぱい夏日(かじつ)

【櫻の魔法 〜甘酸っぱい夏日〜「松田里奈」】
「それ撮っとる?」
「撮っとるよ」
「え!?うちも撮っとるよ」
「あはは笑笑  もしかして今、お互いカメラしか写ってない?笑」
「うん笑笑」

里奈とグランピングに来た。

「いぇ〜い✌️」
「かわいい」
「うちも撮ってあげる」
「だからカメラしか映らんって笑」
「笑笑」

周りの木に薄い黄緑の葉が成り始めた時期、夏と秋のちょうど境界線。

「マシュマロ焼きたい!」
「いいよ〜」
「そっちチャッカマンある?」
「さっき里奈が持っとらんかった?」
「そうやっけ?」
「あ、あったよ〜」
「ないす」

薪を集め、火を灯すと里奈も横にしゃがむ。

「火ってなんか落ち着くよね〜」
「確かにね〜.....よいしょ」
「.....ふふっ笑」
「なに?笑」
「よいしょ要素なに?笑」
「え?笑」
「○○ってめっちゃよいしょって言うよね笑」
「いやこれ里奈からの伝染だから笑」
「絶対うそだ〜笑  よいしょ」

里奈は立ち上がりテーブルに並んでる串にマシュマロを刺した。

「ほら!」
「え.....?😶」
「自覚ないの怖。」
「うそ!今言った!?」
「言った笑」
「やば.....全然意識してなかった.....よいしょ.....笑」
「わざとじゃん笑笑」
「笑笑」

徐々にパチパチと音が鳴りだす。

「わぁ〜パチパチ言っとる!」
「火、初めての人?笑」
「ち〜が〜う〜よ〜笑」
「マシュマロ貸してごらん」
「ん」
「これね、距離とタイミング大事なんだよね〜.....」
「知っちょると?」
「うん、小さい頃にお父さんに教えてもらった」
「ちち!」
「うん、ちち」
「あーにゃ、ちちすき」
「うちの家族と仲良くなりすぎなのよ、あんた」
「笑笑」
「ビックリしたわこの前、うちの母さんとランチしたって聞いて」
「あぁ食べたね笑 言っとくけどそっちも一緒やからね?」
「え?笑」
「なんかこの前うちのお母さん、家まで送ったらしいけど」
「あぁ送った笑」
「なんで?笑」
「いやなんか仕事帰りにたまたま歩いてたの見つけたからついでに拾った」
「ついでに拾うな笑」
「笑笑」
「てか聞いた?今度うちのお母さんと○○のお母さんで旅行するらしい」
「えぇ!?」
「伊豆やって〜」
「なんで.....笑」
「マブダチとか言いよった笑」
「マブダチ笑笑」
「あーー!!!焦げちょる!!!」
「あ!忘れとった!!!」
「あぁ.....ましゅまろぉ〜」
「まろぉ〜.....」
「次、ウチがやるね」
「出来る?」
「少なくとも焦がさないので〜」
「やってみろってんだ」

風向きが代わり、煙がこちらに来る。

「ゴホッゴホッ.....ちょっ.....笑」
「避難避難。笑」
「なんでうちの時だけ.....笑」
「こっちおいで笑」
「よいしょ」
「あ、また言った」
「今のはわざと....笑」

なんとなく身体を寄せる。

「な〜に」
「別に〜?」

里奈も寄せ返してくる。

「先に倒れたら負けね」
「いいよ」

一向にお互い倒れないため徐々に本気を出し合う。

「うわっ」
「うぇ〜い」
「顔、腹立つ〜.....笑」

里奈はここぞとばかりにドヤってた。

「あ」
「あ」

マシュマロが燃えてた。

「焦がさないんじゃなくて?」
「うるさい」

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