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耳が弱いのね

【櫻の魔法 〜耳が弱いのね〜「森田ひかる」】
「ひかる」
「なに」
「チョコいる?」
「いる」
「口開けて」
「あ」

隣で僕の肩に頭を乗せるひかるが、頭はそのままでこちらを向く。

「ほい」
「ん...うま」
「絶対好きだと思った」
「もう1個ちょうだい」
「はい、口開けて」
「あ」
「...欲しい?」
「欲しい」
「くださいは?」
「ください」
「いいよ」
「ねぇねぇ耳かき取って」
「ん」

取ってあげたら何故か僕の足に足をほおり投げる。

「なにしてんだー」
「足乗せてんだー」
「そうかー」
「そうだー」

ご機嫌に足をぷらぷらしてる。

「足もちっちゃいんやね」
「うるさい」
「可愛いねぇ」
「うるさい」
「来年の誕生日、靴プレゼントしてあげるよ」
「どんなの?」
「キッズ靴」

無言で僕を睨む。

「蹴るよ」
「そんなことしちゃダメでしょ」

ちょうどいい所に膝があるのでこしょこしょしてみる。

「ねぇ!笑 くすぐったい!笑」
「早くどけろ〜」
「やめて!笑」

退けてくれたけど今度は膝枕をしてくる。

「おい」
「なんだ」
「座れ」
「やだ」

僕の太ももに寝転んだままこっちを見つめる。

「鼻毛出とるよ」
「下から見とるからな」
「耳かきして」
「いいだろう」
「痛くせんでよ?」
「うん」

ひかるは耳も小っちゃくて可愛い。

「耳もちっちゃいんやね」
「うるさい」
「耳弱い?」
「ううん、そんなことない」
「残念」

.....ふっ

「ひゃぁ!」

腕と足を上げて縮こまる。

「ひかるさ〜ん.....笑」
「怒るよ」

耳を撫でてみる。

「うぅい.....」
「なんで逃げないの?」
「.....逃げたら負けかなって」
「いいの?」
「.....いや!やっぱやめて!」

無理やり逃げられてしまう。

「あぶな〜笑」
「つまんな」
「ねぇねぇ耳かきしてあげるよ」
「いや大丈夫です」
「なんで?膝枕もしてあげるよ?」
「今更そんなんじゃ喜ばんよ」
「こんなに可愛いのに?」
「引くわー...自分で言う奴」
「可愛いんやからしょうがないやん」
「引くわー」
「ねぇおいでってば」
「なんでなんよ.....」

仕方なく膝枕されてあげる。

「ふふっ笑」
「早くして」

ひかるは僕の髪をかき分け、耳を触る。

「.....え?くすぐったくないん?」
「全然」
「えぇ.....これは?」

こしょこしょしてるものの、特に効かない。

「くすぐったくないって笑」
「.....ふ〜」
「んひぇ」
「え?」
「あ」

やばっ。

「あ〜...見つけちゃったぁ.....」
「ねぇアイス食べたくない?」
「ふ〜笑」
「んぁあ」
「笑笑」

膝枕されてる関係上、下手に動けない。

「ちょっとほんとにやめて笑」
「仕返し〜笑」
「ねぇ怒るよ」
「怒んないくせに...ふ〜」
「いぃ」

僕の脇腹を叩いて笑うひかる。

「勘弁してくれ.....笑」

隙をついて起き上がると首元を掴まれる。

「あ、逃げたらあかんやろ」

意図せず顔が目の前に来る。

「.....近くない?」
「逃がさないよ」
「いやそれ以前n」

距離はもっと近くなる。

「.....」
「.....おい」
「.....逃げた罰」
「罰になってないよ」
「え.....」

驚くひかるの後頭部を抱える。

「.....ちょっと」
「なに」
「.....私のこと友達としてしか見れんかったんやないん?」
「そんな奴にキスしなくない?」
「.....いけるとか思ってる?」

ひかるから出た意外な言葉につい笑ってしまう。

「なんで笑うと.....笑」
「ううん笑  なんかおもしろいなって笑」
「なんなんもう.....笑」
「別にずっと好きだったから安心して」
「.....ほんまに?」
「うん」
「.....じゃあ耳かきしていい?」
「え?笑」
「ちゃんとやってあげる」
「じゃあお願いしようかな」
「おいで」

ポンポン叩く膝に寝転ぶ。

「結構これ憧」
「ふ〜」
「れぃぁあ」
「笑笑」
「ひかる!😠」

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