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一目惚れ
【櫻の魔法 〜図書館の記憶〜「小田倉麗奈」】
「ゴルフ部あるの珍しいな.....」
夏に転校するなんて勘弁して欲しい。
「誰かいるかな.....」
「ん?どうかしたの?」
「好きです。一目惚れしました」
「えぇ!!?どういうこと!!?」
まずった。
目の前に現れた今まで出会ってきた中で1番綺麗で清らか(そう)な人に出会ってしまったせいで考えるより先に口が動いてしまった。
どうやらこの人のせいで僕の脳は声に直結したらしい。
「あ!!いや!!ごめんなさい!!」
「なに?笑笑 キミ面白いね笑笑」
「あはは.....」
今にでも逃げ出したかったけど目がこの人をずっと見ていたいと脳に逆流の指示を出し、足が動かなかった。
「最近転校してきた子だよね?あれかな?部活決めるとか?」
「........」
「........ん?大丈夫?」
「.....え!あぁ大丈夫です!」
「今から練習場に移動するところだけど来る?」
「はい!」
「うん、じゃあ着いてきてね」
どうしてこの人はこんなに暑い中、いい匂いを発しているんだろう......。
姉ちゃんとか汗臭くなったりするのに.....美人ってみんなそうなのかな。
「ねぇねぇさっきの『好きです』って私に対して?」
「はい......あ!いや違くてその!」
「一目惚れって言ってたけど笑」
「もう....ほんと....忘れてください」
「それは無理だよ笑笑 あんなに面白いの笑笑」
「なんか....勝手に口が動いただけで.....」
「じゃあ可愛いって思ってくれてないんだ?」
「.....え!?」
「初めて言われたから結構嬉しかったのになぁ.....」
「えぇ!?いや!!可愛いです!!いや可愛いというかすごく綺麗です!!」
「えへへ....ありがとう」
「.......」
「.......ん?それで?」
「.......え?」
「好きなのは分かったけどそれだけ?」
「え」
「ほらなにかあるでしょその後の言葉」
「えーっと.....付き合って.....ください」
「嫌です」
「えぇ.....なんで言わせたんですか......」
「キミの事全然知らないし、私のことも全然知らないでしょ?」
「.....そうですね」
「だからまずはゴルフ部に入ってきなさい」
「.........その」
「なに?」
「ごめんなさい....急に気持ち悪いこと言って.....」
「なんで?全然気持ち悪くないよ」
「でも.....」
「人に好きって言われてどうして嫌悪感抱かなきゃいけないの?しかも初めて異性から言われたのに」
「......そうですか」
「えーっと....名前は?」
「○○です」
「○○くん、私と仲良くなってよ」
「......えぇ!?」
「そしてもしそれでも私が好きならその時もう1回告白してよ」
「え、でも」
「でもでも言わないの。耳にたこ焼きできちゃうよ」
「たこ焼き?なんで焼いたんですか」
「....ふふ笑笑 きっと仲良くなれると思う」
「そうですか.....」
「はい!着いたよ!ここが練習場!体操服持ってきた?」
「一応」
「ゴルフする時はこういうウェアもあるんだけど、全然体操服の子もいるから安心してね」
「......え?なにかするんですか?」
「当たり前でしょ。手取り足取り教えてあげる」
「え!?いきなり!?」
「あ、小田倉です。小田倉麗奈。2年生です」
「よろしくお願いします.....」
「じゃああっちの更衣室は男子用だから着替えたら声かけてね」
「はい.....」
仲良くなるのはすぐだった。