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鷲掴み

【櫻の魔法 〜鷲掴み〜「山下瞳月」】
「ひゅ〜.....ずどん」
「.....なんしとんねん」

今更お昼寝から起きてきて、僕の横に座ってきたので頭を掴んでみる。

「瞳月の頭、掴みたくなるんだよね」
「邪魔」
「満更でもないくせに」

払われた。

「ねぇねぇそれ食べていい?」
「うんいいよ」

瞳月にクッキーを渡す。

「これ好き」
「じゃあ全部あげるよ」
「いいん?」
「うん、3個くらい買ってきたから」
「ありがと」

.....なんかリスみたいだな。

「なに」
「リスみたいだなって」
「可愛いってこと?」
「うん」
「あそう」
「喜べ」
「ありがと」
「可愛くな」
「あ〜.....」

なぜか僕にもクッキーを食べさせてくる。

「.....ん」
「美味しい?」
「うん」
「良かったね」
「うん」

瞳月はそのまま僕に寄りかかってくる。

「なんか適当にドラマ流して」
「ん〜.....これ」
「なにこれ」
「.....なにこれ」

しばらく黙って観続ける。

「ちょっと面白いのやめて笑」
「それな笑」
「ねぇ小腹空かない?」
「作れってこと?」
「分かってるならはよ作れ」
「何系がいい?」
「うそ、ごめん.....」
「笑笑」
「なに.....?」
「瞳月ってあほなの?笑」
「はぁ!?」
「可愛いね笑」
「ニヤニヤするな!気持ち悪い!」
「はいはい」
「甘いやつ!!」

ちゃんとリクエストするところ、ほんと可愛いな。

「おっけ〜」

レンチンカップケーキ。

「じゃ〜ん」
「え、すご」
「美味しそうでしょ」
「うん.....」

目キラキラじゃん。

「瞳月ってやっぱり可愛いよね」
「なに.....?怖いんやけど」
「いっぱい食べや」
「うん」
「美味しい?」
「うん美味しい、これ好き」
「ほんまに?」
「好きやって」
「ほんまか?」
「しつこい」
「笑笑」

頭を撫でてやる。

「やめっ.....!」
「可愛いね笑」

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