ドッキリ
【櫻の魔法 〜図書館の記憶〜「大園玲」】
今日は玲にドッキリを仕掛けようと思う。
題して「リビングに謎の耳があったら付けるのか付けないのか〜!」
次の日の朝。
「玲〜じゃあ行ってくるね〜」
「ん〜....待って〜」
「どうした〜?」
「行ってきますのちゅーしてないよ」
「あ〜はい....」
「......行ってらっしゃ〜い」
「朝ごはん置いてるからね〜」
「ありがと〜おやすみ〜」
完璧です。
後は車の中で隠しカメラで見守るだけ!
「んあ〜....ご飯ご飯....なにこれ」
見つけました。
「.....なにこれ.....耳?.....こんなのあったっけ?」
耳を持って不思議そうに見つめています。
「ん〜.....まいっか」
耳を一旦机に置いてご飯を温めます。
「なんで電子レンジって待たなきゃいけないんだろう.....一気に温めたら良くない....?」
あ、だから料理できないんだこの子....。
「できたできた....あちちち....」
可愛い。
「いただきまーす.....ふ〜...ふ〜...」
可愛い。
「....うまっ.....○○居たらもっと美味しいのにな....」
じゃあ早く起きなさいよ。
「......」
耳を見つめてます。
「......」
おぉ!付けた!!スマホで確認してます。
「意外と似合っちゃってたりしちゃったりして🤭」
可愛い。
「○○が置いてったのかなぁ....変な趣味....」
うぐっ....。
「あ、そうだ....」
あ、自撮りしましたね。ラインッ ん?
「ふふっ笑 可愛いって言ってくれるかな」
なんと自撮りが来ました。「なにこれ?」と一緒に。
「.....卵焼きうまっ」
付けたまま食べてます。何この子可愛いんだけど。
「.....味噌汁うまっ」
そりゃ玲ちゃんに合わせて変えたからね。
「.....既読ついてない....見ろ〜」
スマホになんかビーム撃ってる可愛い
「.....ご飯冷めちゃう」
えぇ急に真顔こわっ。
「ご馳走様でした🙏...おっかたづけ〜♪」
付けたまま家事するの?
「ん〜....洗濯物もしなきゃ....」
なんかずっと付けてそうだけどこのままだとほんとの始業時間に遅れるのでネタばらし。
「玲〜忘れ物した〜」
「うわっ!びっっくりしたぁ!」
「あ、それ」
指を指すとそそくさと隠した。
「なにが〜?」
可愛い。
「忘れ物それだよ」
「えぇ!?これ!?」
「うん、次の子供向けのおもちゃがコスプレ系になってね。それの試作」
もちろん嘘である。
「そうだったんだ.....」
「うん、玲付けてみる?」
「いや....!私は大丈夫かな〜....」
「そう?」
もちろんもう見ている。
「じゃあ行ってくるね」
「行ってらっしゃ〜い!」
車を出す前に急いでスマホを見ると玲がしゃがんで何か言ってた。耳を澄ますと
「うわぁ......恥ずかしぃ...... 待ってさっきの写真送っt」ラインッ
📱
[なんだ笑 付けてたんだ笑 可愛いね]
「うわぁあああ......」
📱
[消して!!お願いだから!!]
[消した消した!]
[ほんとに?帰ったら写真フォルダ見るよ?]
[全然いいよ?]
もちろん嘘である。