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知らない天井

【櫻の魔法 〜知らない天井〜「大園玲」】
「.....ん?」

目を覚ますと知らない天井が見えた。

というか柵?が見えた。

.....あれ?起き上がれない...なんか頭が重い。

「あ〜!おはよぅ。いっぱい寝たねぇ」

玲ちゃん!!?

「よいしょ」

れれれれ玲ちゃんに抱っこ!!??

.....抱っこ?

自分の手を見ると明らかに小さかった。

「まんま食べようね〜」

そのまま赤ちゃん用の椅子に座らされる。

やっぱり赤ちゃんになってる.....!?

え、やばいなんか泣きそう.....。

「うわぁ〜ん.....」
「わぁ〜、どしたどした」

玲ちゃんはすぐにこちらに来て僕を抱き上げる。

「ごめんね、寂しかったね」

なんでか分からないけど、泣くのを自分で制御出来ない。

「よしよし.....」

僕を抱っこしたままゆらゆらと縦に揺れる。

この距離で見る玲ちゃんってやっぱり可愛いなぁ.....。

「なぁに?ママの顔になにか付いてる〜?」

ママ!?

「まんま食べれそう?」

えっと...とにかく困らせるのやだな.....。

「ちょっと難しいけどママのお膝で食べよっか」

という訳で玲ちゃんに抱っこされたままご飯を.....。

.....。

.....。

ご飯っておっp

「はいあ〜ん」

離乳食かよ。

ぱくっ

「.....うぇ」
「あ〜ダメでしょ食べないと」

まっず!!
市販のか.....?...なんだ市販のか...玲ちゃんが作ったのかと思った。

「も〜...なんなら食べるの〜.....」

玲ちゃんの困った顔を初めて見た気がした。
あれ...やばい...また泣きそう.....。

「うぅ.....」
「あぁ...ごめんねごめんね...怒ってないよ〜」
「うわぁああん」
「あ〜よしよし...大丈夫だよぉ.....」

玲ちゃん.....。

ダメだ...ちゃんとしなきゃ.....。

「あ〜あ」
「あ〜あ?」

そうか...そりゃ喋れないよな.....。

「あ〜あ」

気づいてくれ!

「.....まんまのことかな」

玲ちゃんはまた椅子に座り、離乳食を食べさせてくれる。

そうだ、玲ちゃんの顔を見ながら食べよう。
そしたら食べなきゃってなるはず。

そうして無事全部食べた。

「偉いねぇ、全部食べたねぇ」

なんでだろう...なんかすごい嬉しい.....。

気がついたら玲ちゃんのことをバシバシ叩いていた。

「あはは笑  嬉しいねぇ、全部食べれたねぇ」

玲ちゃんに頭を撫でられるとめちゃくちゃ眠たくなる。

「お昼寝する?」

玲ちゃん温かい.....。

ソファに座る玲ちゃんに抱っこされたまま、眠りについた。


目を覚ましてもまだ玲ちゃんに抱っこされ...ん?

「あ、おはよ」
「おは...え!?」
「びっくりした!なに!?」
「こ...声が出る.....」
「何言ってんの?笑」

玲ちゃんの上から飛び起き、手を確認する。

「.....僕の手?」
「なになに」

寝転んでた玲ちゃんも起き上がる。

「どうしたの?」
「いや...なんか変な夢見たかも.....」
「夢?笑」
「うん、玲ちゃんの子供になる夢」
「なにそれ〜!可愛いね笑」
「妙にリアルだったんだよね.....」
「わぁ〜おいでおいで笑」

そのまま玲ちゃんに抱き寄せられ、ソファに倒れる。

「じゃあ今から○○は赤ちゃんね」
「えぇ.....」
「ママって呼んでみて?」
「.....ママ」
「あら〜可愛いねぇ」

死ぬほど愛でられた。

「あれかな?」
「ん?」
「神様が今から産まれる子を大事にしなさいねって言ってるのかな?」
「あ〜.....」

たしかに玲を困らせちゃダメだとは思った。

「そうかも」
「ふふっ笑」

そのまま玲ちゃんのお腹にゆっくり抱きつく。

「.....これからここが少しずつ大きくなるのか」
「そうだよ〜、色々出来なくなるからいっぱい助けてね?」
「もしかして今のうちに玲ちゃんに甘えないとダメか」
「笑笑  甘えたいの?笑」
「一応?」
「なにそれ笑  甘えたいなら甘えたいって言いなよ笑」
「ん〜...そこまでじゃないかな」
「素直じゃないなぁ」

そうは言いつつ、玲ちゃんの手を僕の頭に移動させる。

「しょうがないなぁ」
「ふん」

そのまま玲のお腹でお昼寝した。

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