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焼き餅焼くなら狐色 3話

【焼き餅焼くなら狐色「井上梨名」】3話
「井上さん」
「うん?」

朝のファミレスは静かで余計な事を考えるにはうってつけの時間。

「どうしたんですか?ぼーっとして」
「いや暇やな〜って」
「そりゃ全部僕に作業やらせてますからね」
「研修や研修」
「なにか考え事ですか?」
「ん〜そんなところ」
「あ、やば」
「何しとんねん、貸してみ.....はい」
「おぉ!ありがとうございます」
「梨名が居らな何もできんな😤」
「そうですね笑 井上さん居ないと何も出来ないです笑」
「はぁ...早く1人前になりなね.....笑」

カランッ

「いらっs」
「よっ」
「○○.....」

今1番会いたくない人だ.....。

「えぇ!?いのりさん!?」
「なぎちゃん!?」
「ごめん、近くがここしかなかったから」
「そっか.....」

だからってわざわざここじゃなくても.....。

「いのりさんここでバイトしてたんですね.....」
「あぁ...うん.....」

しかもよりにもよってなんで梨名が居る日に.....。

「席どこでもいい?」
「うん...奥の方空いてるよ」

やっぱりなぎちゃん可愛いなぁ.....。

悔しくも2人並んで歩く背中はとてもお似合いだった。

「.....井上さん知り合いですか?」
「幼なじみとその彼女兼部活の後輩.....」
「ふ、複雑ですね.....」

ほんとムカつく。

「それ貸して!」
「え」
「ったくなんでここに来r.....」

...るんやろ!別の所行きいや!腹立つなぁ.....。
いっそのこと手でも滑らせて3回くらい水かけたろうかな!!ばか!!!

「井上さん.....怒ってますか?」
「怒ってない!!!」
「気まずぅ.....笑」

あぁ!もう!ほんとムカつく!!
梨名がいつから好きやったと思ってんの!?

「井上さん.....」
「なんで梨名が居ってイチャイチャできるかな.....」
「.....あの人の事好きなんですか?」
「そうだけど.....あ」
「そうなんですね笑」
「いや、違くて」
「顔真っ赤ですよ笑笑」
「やめろ!笑」
「そっかぁ.....そっかぁ」
「はぁ.....夜の準備しよっか」
「は〜い」

ちょうど食材を切らなきゃ行けなかったので、当然怒りをぶつけながらやってやった。

.....作りすぎた。

「トマトも切ったしハンバーグも解凍したし.....」
「井上さ〜んちょっとこれ持てなくて手伝って貰えます〜?」
「どした〜?」

納品ボックスが積み上げられている所に向かう。

「これ持てなくて」
「梨名そっち持つから反対持って」
「はい」
「せー...のっ.....」
「よいしょ」
「行けたやん」
「ほんとですね」
「足元気をつけや、そこ段差あr」
「うわっ.....!」

△△が転けたせいで梨名も連れて転ける。

「.....った...大丈夫?」
「ご...ごめんなさい」
「怪我とかしてない?頭とか」
「.....打ってないです」
「良かったぁ...ほんま気をつけや」
「井上さん...その.....」
「ん?」
「ち...近い.....です」

そう言われてやっと自分が後輩くんを押し倒してる状況だと理解した。

『お疲れ様で〜sえぇ!?』
「うわ!!」

そこにタイミング悪く、ディナーから勤務の子がやって来る。

『えーっと...お疲れ様でした〜.....』
「待って待って!!違うから!!」
『井上さん...いくらなんでもバイト先はダメっすよ.....』
「違うってば!!事故!!ね!?」

.....なーんかすっごいぼーっとしてんだけどー。

『△△は違うみたいですけど.....笑』
「おい!!△△!!ちゃんと否定しろ!!笑」
「待って意識朦朧としてきた.....」
「えぇ!?大丈夫!?」

△△は急にその場に倒れてしまう

『これマジなやつすか?』
「わかんないけど.....たぶん!」
『えぇまじか!俺、救急車呼びます!梨名さんも!ほら膝枕とか!!』
「あぁそっか.....えぇ!?」

「なんか騒がしいですね.....」
「そうだね...また梨名がなにかやらかしたんだろ」
「大丈夫なんですかね.....?」
「いつもうるさいから」
「そうですか.....」

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