見出し画像

眼鏡の行方

【櫻の魔法 〜眼鏡の行方〜「石森璃花」】
「あとは〜.....数学で円周率の問題が出たかなぁ」

2人で日誌を付けてた。

「あ〜....円周率の計算苦手なんだよねぇ」
「私も〜」
「まじ?」
「うん?」
「いや石森、勉強できるイメージ」
「そんなことないよ、この前も赤点ギリギリだったよ」
「ほんとに?笑」
「うん笑」
「意外」
「それでいうと○○くんだって」
「眼鏡のせいでしょ笑」
「それ結構度、強いの?」
「うん強いと思う。眼鏡外したら何にも見えない」
「掛けてみてもいい?」
「目悪くなるよ?」
「もう悪いから大丈夫」
「.....はい」
「わぁ.....すご」
「すごい笑笑」
「なに笑」
「見えるとかじゃなくて?笑」
「うんすごい笑」
「どう?見えてる?」
「掛けてないよりは見えてるよ。似合う?」
「見えない」

何気なく石森に近づく。

「.......」
「あぁ似合ってるんじゃない?」
「.......そ、そうかな」
「いや分かんない。僕の感覚」
「そっか......」
「.......」
「.......○○くんってそんな顔してたんだね」
「え、今まで見えてなかったの?」
「目悪いから.....笑」
「眼鏡買いなよ笑」
「ううん....見えなくてもいいかも......」
「そんなに酷い顔してた?笑」
「違うよ!」
「それもそれで....笑」
「あ、違くて!笑」
「はい、眼鏡返して」
「.......やだ」

僕の腕を掴む石森は体温が高かった。

「なんでだよ笑」
「今はやだ」
「見えないだろ」
「見えなくて良し!」
「......なんだよ」
「もうちょっと預かるね」
「......」
「......な、なんですか」
「なんで敬語笑」
「こっち見ないで」
「さっきから変だぞ?」
「......うるさい」
「はいはい気が済むまでどうぞ」

日誌の続きを書き始める。

「家でもずっと眼鏡掛けてるの?」
「ううん、寝る時は外してるよ」
「.......眼鏡ない方が良いよ」
「笑笑  なに急に笑」
「ううん.......はい返すね」
「.....いや別に自分で掛k」
「いいから」
「.......」

視界がクリアになった時に見えたのは夕陽のせいか、はたまた......頬が紅く染まった石森だった。

「......うんやっぱり無い方がいいよ」
「そうかな.....」
「......じゃなきゃ好きになっちゃうもん」

いいなと思ったら応援しよう!