猫耳ハロウィン
【櫻の魔法 〜猫耳ハロウィン〜「谷口愛季」】
「あ〜いり」
「な〜あに」
「こっちおいで」
「ふぃ」
今日はハロウィン。
と言っても今の今、テレビのニュースで思い出したくらいのもの。
「今日ハロウィンじゃん」
「うん」
「愛季を猫にしてもいい?」
「え?笑」
「してみたい」
「分かった.....?」
「ほい」
膝の上をポンポン叩いて僕の前に座らせる。
「え?分かるの?やり方」
「うん、妹のやってあげてたから」
「そういうね」
まずは細い三つ編みを作ります。
「何見てんの?笑」
「なんか...ライフハック?」
「いつ使うん」
「いつ使うんだろうね」
そしたらピンをつかって内側の髪に留めます。
「見て見て」
「ん?」
「これ食べたい」
「美味しそう。愛季みたい」
「.....え?笑」
後は形を整えてスプレーで固めます。
「でけた見て」
愛季の前に鏡を持ってくる。
「え...上手すぎない?笑」
「でしょ」
「可愛い.....」
「うん可愛い」
「写真撮ってもいい?」
「いいよ」
自撮りの為に手を伸ばそうとするものの、僕が腕を押さえているので伸ばせない愛季。笑
「ねぇ笑 無理じゃん笑」
「できる〜?笑」
「も〜...○○が撮って」
「いいよ」
愛季からスマホをもらって自分達を映す。
「.....」
「.....」
「.....」
「.....まだ?笑」
「.....来た!」
「ねぇ〜笑笑 私、半目じゃん笑笑」
「可愛い笑」
「もう1回!」
「.....」
「.....」
「.....」
全然撮らないのでこっちを振り返る愛季。
「来た!」
「ねぇ!笑 私、後ろ向いてるじゃん!笑」
「笑笑」
「もう!返して!」
すかさず腕を押さえる。
「もー!!!むかつく」
「怒った愛季も可愛い」
「そろそろ怒るからね?」
「はい、すみません」
「よろしい」
「偉い」
「偉い」
愛季の猫耳を指さして驚く表情をしたり、僕がスマホを持って愛季に猫のポーズさせたりして自撮りした。
「可愛いじゃん」
「可愛いじゃん」
「なんか愛季、食べたくなってきた」
「こわ」
「食べてもいい?」
「やだよ」
「マヨネーズと醤油どっちがいい?」
「たまごじゃないから」
「あ、塩もあるわ」
「たまごじゃない」
「逆にケチャップとか」
「たまごじゃない」
「可愛いねぇ」
「😑」
「なんならいいの?」
「なんで怒ってるの?笑」
「愛季のばか」
「ばかって言う方がばかなんだよ」
「うるさい」
なぜか愛季がずっと僕の方を見てくる。
「ねぇねぇ」
「なに?」
「○○も猫耳出来そうじゃない?」
「そう?」
「やってみてもいい?」
「いいけど」
今度は愛季の前に僕が座る。
ただし、ソファの下に。
「.....何やっての?」
「え?ハグだけど」
「早く猫耳してよ」
「もうちょっといいじゃん」
「だめ。勝手にハグしないでください」
「けち」
「けちじゃない」
「ばか」
「関係ない」
「くま」
「.....くま?」
でけた。
「可愛いじゃん」
「くまにしてみた」
「そゆこと」
「くまさん」
「なんですか」
「はちみついる?」
「それ違うくまじゃない?」
「んふふ笑」
「愛季、スマホ貸して」
「はい」
「ハグしてもいいよ」
「やったぁ」
後ろから飛び乗ってくる。
「超可愛い顔して」
「いつでも可愛いよ」
「なんかうるさいな」
猫のポーズ。
そして愛季がこっちをガン見してくるやつ。
逆に僕が愛季をガン見するやつ。
「可愛いじゃん」
「可愛いじゃん」
「あ!そうだ!」
愛季は寝室に走る。
「これ!」
持ってきたのは小さなクマのぬいぐるみ。
「あぁ!」
「愛季と○○の子供みたいな?」
「天才じゃん」
「はい、ちーず」
たまにはこんな日も良いなって。