口喧嘩
【櫻の魔法 〜口喧嘩〜「石森璃花」】
「ねぇまた昨日電気つけっぱなしで寝たでしょ〜!」
寝室は別々。
「.....そうだっけ」
「そうだよ!私が消したんだから!お金もったいないでしょ?」
「そのお金稼いでるの僕です」
「その少ない稼ぎでやり繰りしてるの私です」
「高いランチに行ってるのはやり繰りとは言わないんですけど」
「あなたが浮気してるの知ってるんですけど」
「璃花メイク変えた?めっちゃ可愛いびっくりした」
殴られた。
「してるんだね?」
「いや浮気というかなんというか」
「楽しそうだったね?何歳?」
「.....21」
「へ〜.....やっぱり若い子がいいんだ」
「1歳しか変わらんやろ」
殴られた。
「1歳でも若いものは若いです」
「自分のこと老けてるって思ってるってこと?」
2回殴られた。
「あなたね、いい加減にしなさいよ」
「なんなんですか!さっきからボコスカと!いつからサンドバッグになったんですか!!」
5回殴られた。
しかも最後の1発はディレイかけられた。
「ひぃ....もう勘弁してください....」
「こっちのセリフ」
「で、でも!!高いランチ食べたりしてるのは事実だろ!!?」
「先月に使わなかったものでやり繰りしてます〜」
「じゃあその分電気代に使えばいいんじゃないですか!!?」
「○○君が消せばいいだけなの!!分かる!?」
「そんなに怒ってたらしわ増えるよ」
10回殴られた。
間に何回かフェイント入れられた。
「次は許さないからね?」
「ばい.....ずびばぜんでぢだ」
「じゃあスマホ貸して」
「え?」
「いいから」
「今はダメだよほら仕事の連絡の途中だし」
盗られた。
「あれ〜?このお店何かな〜?」
「あ、いやそれは」
「綺麗な女の子たちいっぱいいるね〜」
「えっと」
「どれか璃花に着せてくれるってこと〜?」
「そ、そうです!」
スマホは宙を舞い、水槽の中へ。
「あぁああああああああ」
「浮気だけじゃなく夜遊びまでなんて.....そんなに私に魅力無いわけ?」
「それは断じて違う!!」
「じゃあ私が納得する好きな所10個言って?」
「可愛い」
「知ってる却下」
「料理が美味しい」
「練習したらできる却下」
「笑った顔が可愛い」
「笑ったら大抵可愛い却下」
「メイクちょいちょい変えてるの可愛い!」
「変えてないし、今朝も別に変えてない却下」
「可愛い」
「さっき聞いた却下」
「.....もうやめて!!私のために争わないで!!」
「まだ?🙂」
「はいすみません、可愛いおめめ」
「可愛いしか言えないの?だから浮気するんじゃない?」
「可愛い封印ですか?」
「分かるよね?」
「チャワイイ」
殴られた。
「無理だよ!!だって本能で好きなんだもん!!!」
「じゃあなんで浮気したの?」
「じゃあ璃花は毎日同じ料理食べ続けられるの!!?」
「勝手に調理しないで」
「じゃあ璃花は毎日同じお米食べられるの?」
「調理するなって言ってんじゃないの」
「答えて!」
「論点が違うでしょ。あと食べられるし、お米は別に」
「もう分かんないよ!!」
「こっちのセリフじゃない?」
「じゃあなに?璃花しか愛さなくて僕のこの愛の深さを璃花だけに注げばいいって事?」
「そう言ってんじゃん」
「それで璃花に愛を注ぐマシーンになればいいんだ!」
「え?うん」
「マシーンになって感情失っていけばいいんだ!」
「そこまで言ってないよ」
「感情失ったらそれはそれで愛が足りないとか言っちゃうんだ!」
「そんなことないよ」
「愛が足りないってなって璃花が浮気するのを見てればいいんだ!」
「まず止めなさいよ。しないけど」
「もう知らない!!」
「.....え?私が悪いの?」