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最初のフォロワーは

【櫻の魔法 〜最初のフォロワーは〜「守屋麗奈」】
「まぢウケるんですけど〜笑」

最悪だ。
ギャルとぶつかってしまった。

「もういい?行きたいとこあるんだけど」
「え、なになに?アニメイトとか〜?笑」
「やば!がちぢゃん!」
「え、でも結構ぅちも観るよアニメとか」
「実はぅちもなんだよね」

俺抜きで会話するんならもう良くないか?

「あ!ちょっと!逃げるのはやばくね?」

勘弁してくれ。

「ちょっと困ってんぢゃん」
「なに?もしかしてれな好きだったりしちゃって〜」
「違うからぁ〜」

うわぁ.....苦手だ.....このノリ.....。

「もういい?ほんとに」
「ノリ悪すぎ〜」
「いいよ、行こ〜」
「👋」

.....でもあのピンク髪の子可愛いんだよな。

用事を済ませ、お昼を食べようと適当にカフェに入ったらさっきのギャルが1人で居た。

「え」「あ」

テーブルの上には参考書と使い古された単語帳とデコレーションされて一瞬分からなかったけどたぶんペンケースがあった。

「やっほ〜👋さっきぶりだね〜ここ座る?」
「あ、いや....大丈夫」
「いいぢゃん座りなよ」

上目遣いに負けた。

「予定間に合った〜?」
「う、うん.....」
「なに?笑  緊張してんの?笑」
「いや....」
「大丈夫だよ、ゥチら意外と単純だから」

そう話しながら参考書のページを1枚めくる。

「....それなに勉強してんの?」
「気になる〜?」
「いや、まぁ」
「はい」

表紙には保育士とデカデカと書いてあった。

「意外だった?」
「.....子供好きなの?」
「うん」
「そっか....」
「子供ってなんにも考えてないから楽ぢゃん?」
「.....そんな風に考えたこと無かった」
「ギャルってさ、意外とみんな色々考えてて人間関係とかめんどくさいんだよね〜」
「上手くいってないの?」
「ううん?仲良しだよ?」
「あぁそう」
「なに?もしかして心配してくれたの?優しいぢゃん笑」
「心配とかじゃ....」
「キミは?たぶん同じくらいだよね?」
「あぁうん、高3」
「あ!一緒だね」

さっきまでノートに向いてた視線が急にこっちを見て微笑むもんだから、思わず目を逸らす。

「私れな。キミは?名前なんて言うの?」
「○○」
「○○くんは大学どこ行くか決まってる?」
「あぁ△△大学に行く予定」
「え!れなと一緒ぢゃん!」
「.....まじで?」
「良かった〜みんな大学行かないかられな1人だったんだよね〜」
「いやでもこっち理系だから」
「違うよ〜、1人でも友達が居るっていう気持ちが大事なんぢゃん!」
「友達....?」
「え?嫌だった?」
「あぁ、いや....」

うるうるした眼で見られたら流石に喉まで来た「今日会ったばっかりだろ」は飲み込んだ。

「....あ!ごめんね!れなの荷物でテーブル全部使ってた!」
「気にしなくていいよ」
「ご飯食べに来たんぢゃないの?」
「うん涼みたかっただけだから」
「そっかぁ....あ!ねぇねぇインスタやってる?」
「一応あるけど」
「交換しよ〜」
「やり方分かんない」
「貸して!」

信用していいのか分からなかったけど、それはこの子の目が保証してくれた気がした。

「出来た!れな1番ぢゃ〜ん」
「うっ.....」
「え笑笑  リアルに喰らう人初めてなんだけど笑」
「いや.....うん.....」
「よろしくね!○○!」

まさかの最初のフォロワーはギャルだった。

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