焼き餅焼くなら狐色 1話
【焼き餅焼くなら狐色「井上梨名」】1話
「○○先輩の事がずっと好きでした!彼女にしてください!」
えー.....まじか...どうするんやろ.....。
告白される○○を校舎の2階から見ていた。
「あー.....うん分かった」
えぇ!!!?なんで!!!?
「いいんですか!?」
「うん、別に好きな人居ないし。僕でよければ」
「やったぁ!」
なんでなん...梨名は.....?
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「梨名〜ここの公式何使ったらいい?」
なんで私が居ながら他の子と付き合うかな.....。
梨名の方がずっと好きやったのに.....。
「梨名?」
「ん?」
「だからここの公式何を使えばいいかって」
「あぁここは.....」
「.....なんか最近ずっとぼーっとしてんな」
「え?」
「好きな人でもできた?」
「え!?」
「図星か」
「いやできたっていうか.....」
何も知らないで.....。
「そっちは?」
「あ、そういえば彼女できた」
「えぇ!?」
一応驚いとく。
「誰?」
「1年の小島さん」
「梨名の後輩やん.....」
「あ〜そうね、テニス部って言ってたわ」
「どこが好きなん?」
「どこ?.....ん〜可愛いところ?」
「梨名も可愛いけどな」
「なにが?」
「え、他には?」
「他?ん〜.....犬っぽいところ?」
「そこ?笑」
「まだそんなに知らないけど、お手ってしたくなる」
「可愛いよね.....笑顔でお手ってしてくるから」
「あ、してんだ」
「うん」
そう...可愛い.....。
可愛いんだよね.....。
「そっかぁ.....」
「梨名ここなんか付いてる」
「ん?どこ?」
「ここ.....」
「ちょっt」
「あ、チョコだ」
「急に唇触るな!!」
「なに急に...いつも取ってやってんじゃん.....」
食べるわけでもなく、普通にゴミ箱に捨てられる。
どうせなら食べろ!!
「そうだけど、ほら今はなぎちゃん居るんだし.....」
「別に居ても梨名との関係変わんないよ」
なにそれ.....。
「幼稚園からずっと一緒で大学も一緒のとこ行くしさ〜、もう梨名が居ないとか考えられないよね〜」
だったらなんで.....。
「料理も美味いし」
「.....そこまで思っててどうして」
つい声に出てしまった。
「ごめん聞こえなかった、なんて?」
でもたまたま家の前を通ったトラックの音が消してくれた。
「あ!やばい!ラジオ始まる!」
「はいはーい静かにしときまーす...お、伏黒パパ来てんじゃん引くしかないか」
毎週日曜夜19時は大好きな大園玲ちゃんのラジオ。
毎週絶対欠かさず聴いてて、お便りも何通か送った事がある。
今日は読まれるかな.....。
『みなさんこんばんは櫻坂46、そして番組MCの大園玲です』
今日も声可愛いなぁ...癒し〜。
『今週と来週はSPウィーク!リスナーのみなさんの恋愛相談に乗っていきます』
きた!!!
「なあなあ梨名、お茶ほしい」
「話しかけんな!」
「はいすみません」
「梨名のあげるから」
「ありがとうございまし〜」
『まず1通目は東京都19歳「ゆでたまごは愛季派さん」。私には彼女が居るんですが、その子がヨイショヨイショで...ヨイショヨイショ.....?笑』
爆笑してた。可愛い。
「ヨイショヨイショ?笑」
「静かに!笑笑」
『あ〜、おかし笑笑 .....はい、誰に対しても母性を発揮して嫌です。ほんとは私にだけ母性を向けて欲しいのですが、私はそういうキャラじゃなくてどうしたらいいか分かりません。良かったら教えてください』
玲ちゃんは頑張って笑いを抑えてた。
『女の子同士のカップルですね〜可愛い〜!その子同い年なのかな〜...ん〜そうだな〜...よし!正直にぶつけてみましょう!その子の母性が強いならきっとキミの...キミの...ふふっ笑 ゆでたまごさんに「キミの」って笑笑 あっはっはっは笑笑 「黄身」ってこと〜?笑笑』
「さっきからめっちゃツボってんじゃん笑」
「ツボ浅いからこの子、笑」
『あ〜.....あれなんの話だっけ?笑 まぁいっか!頑張れー!次はー』
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『それではここまでのお相手は櫻坂46の大園玲でしぱ...ぱっ笑.....ちょっとカットしてくださいもう今日ダメd』
なにーかをー♪うしなーあーたってー♪
「あ〜今週も可愛かった」
やけに静かだなと思って後ろを向くと○○は横になっていた。
「○○〜?」
「.....zzZ」
「また人のベッドで.....」
寝てたら可愛いのに.....。
「ねぇ.....」
「.....zzZ」
「.....ねぇってば」
「.....zzZ」
人の気持ちも知らないで幸せそうに寝てさ.....。
「.....私じゃダメなの?」