
いたずら
【櫻の魔法 〜いたずら〜「幸阪茉里乃」】
「うわぁああ!!!」
「はい、びっくりした〜笑笑」
「もう!!!ばか!!!」
今日はこの前の罰ゲームでまりのちゃんをびっくりさせる日。
今ので2回目。
「じゃあばいば〜い」
「え!?そんだけ!?」
「うん、仕事戻るわ」
「えぇ.....」
お昼休憩、1人で歩いて食堂に向かうまりのちゃんを発見する。
静かに後ろから近づいて.....
「わっ!!」
「うわぁああ!!」
両腕を折りたたみ、拳を握っていた。
かわいい.....。
「もう!!なんなん!!」
「はい3回目〜笑」
「もういいやん!!十分やろ!!」
「あかんよ、一日中って言ったんどっちやっけ?」
尽く成功するのが嬉しくてスキップでその場を去る。
「え、ちょっ」
「ばいば〜い」
「.....」
営業から戻って来る時にまたもや1人で歩いてるまりのちゃんを発見する。
流石に後ろは警戒されてると思うので、今度は先回りして前から驚かそうと思う。
「ふっふっふっ.....」
息を潜めて.....
「わっ!!!」
「!!!?」
こいつ...声を出さn
「まりのちゃん.....?」
よく見るとまりのちゃんは泣いており、僕をひたすら見つめていた。
「どしたん.....?なんかあった?」
「.....寂しい」
「.....ん?」
「寂しかった.....」
???
「え?なにが?」
「だっていっつも○○とご飯とか食べてんのに今日居らんくて...今日1人で食べたんやで.....」
たしかに今日はまりのを驚かせるための準備でお昼は適当にコンビニで済ませた。
「ご...ごめん.....」
「出てきたと思ったらすぐどっか行くし.....」
「それは.....」
「寂しかった!!」
僕の袖を掴んで離さない小さな手が愛おしくてたまらなかった。
「悪かったよ.....今日終わったらケーキ奢ったるから許してよ」
「ケーキ?」
「この前行きたいって言うてたやつ行こ?」
「ほんまに?行ってくれるん?」
「うん」
「やったぁ.....」
頑張って泣き止むまりのちゃんが可愛いすぎて、まだやったろうかなと思いつつ.....流石に罪悪感が勝つ。
仕事を終え、エントランスでケーキ屋さん近くのディナーを探しながらまりのを待っていた。
「ここまりのちゃん好きそうやな.....」
「わっ!!」
「うわぁ!!」
後ろを向くとニヤニヤしてるまりのちゃんが居た。
「仕返し〜笑笑」
僕の目の前で指をクルクル回す。
「なんだよ...元々は罰ゲームだろ?笑」
「いいって言ってないもん」
「罰ゲームってそういうもんだろ笑」
「そうやけど.....笑」
「まぁいいや、行こっか」
「行こ行こ〜」
「ケーキ食べた後さ」
「え、ご飯行きたい」
「え」
誘われると思ってなくて困惑してしまう。
「あかん?」
うっ...上目遣い...だと.....。
「まりのちゃん」
「なに?」
「.....もしかしてやり返されてる?」
「え?笑」
「うーわ...正解じゃん」
「引っかかってやんの〜笑笑」
「あぶね〜笑 ほんまに好きになるとこやった」
「可愛かった?笑」
「.....正直。笑」
「や〜ん笑 可愛いやって〜笑」
「腹立つ.....笑」
「いいから行くで!」
そんな僕を置いて少し先を歩くまりのちゃんを追いかけた。