繋いだ手
【櫻の魔法 〜繋いだ手〜「的野美青」】
「ねぇねぇそれさどうなってんの?」
流れで2人で放課後、勉強してた。
「なにが?」
「親指」
「え?」
「めっちゃ曲がってない?笑」
「そう?」
「触っていい?」
「いいけど」
そういうと的野は俺の指を逆方向に折り曲げる。
「お〜.....え?痛くない?」
「別に」
「こわ」
「こわってなんだよ笑」
「赤いよ?」
「いやそりゃ押さえたらそうなるだろ笑」
「私、そんな曲がんないよ?」
「やってみて」
「.....ほら」
「ほんとだ.....え、これもしかして特殊能力になるかな?」
「ならねぇよ笑 ただ指柔らかい人じゃん笑」
「的野、何か出来ないの?指系」
「私、指長いよ」
「そう?」
俺の手を取り、手合わせしてくる。
「ほら」
「ギリ俺の勝ち」
「ちゃんと下合わせてる?」
「合わせてるって」
「ズレてるよ」
そういうと的野はそのまま俺の手を握る。
「え」
「1回こうしたら指の長さ分かるじゃん」
「そういう.....」
「ほら〜!私の方が長い」
「.....たしかに」
「.....ふっ笑」
「なに?笑」
「もしかして『恋人繋ぎだ〜』とか思ったの?笑」
「思ってないわ!笑」
「え、初恋人繋ぎじゃないよね?」
「.....ノーコメントで」
「え、ごめん.....」
「いや謝られたら惨めじゃん俺.....笑」
「別に私も初めてだから許して」
「.....え」
「.....ふっ笑 嘘だよばーか笑笑」
「なんだよ.....良かった」
窓から残暑の風が入る。
「初めてだったらどうしてたの?」
「どうするも何も悪いなと思って」
「.....嫌じゃないよ」
「え」
「別に.....」
最終下校のチャイムが鳴る。
「.....帰ろっか」
「うん.....」
それぞれ荷物を片し、席を立つ。
「手繋ぎたいな〜.....とか言ってみt」
的野はびっくりして俺を見つめていた。
「.....なに?悪い?」
「いや.....びっくりしただけ.....」
「家、どっち方向?」
「.....一緒」
「そう.....」
「.....寄りたいとこがあって」
「いいよ、着いてく」
「ありがと.....」