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零れ落ちる水芭蕉「田村保乃&藤吉夏鈴」2話


冬星「えっと...じゃあ田村さんと藤吉さんの所にします」
小林「こういう子が好きなの?」
冬星「え!?いや、単純にリストの1番上にあったので.....笑」
小林「なにそれ笑」

藤吉さんがちょっと気になったとか絶対言えn

小林「もしかして夏鈴に興味でも持った?」

顔は笑ってるのに何故か恐怖を感じた。

冬星「あ、いや...そんなんじゃ.....」
小林「分かってるね?」
冬星「も、もちろんです.....」

こ...殺される.....。

ミート&グリート、通称ミーグリは事務所の会議室を使って行われる。

イメージとしてはカラオケに似てるかもしれない。
個室毎にメンバーとマネージャーを1人ずつ配置し、ミーグリを行う。

まずは田村さんの部屋.....。
担当マネージャーは関尾さん.....ここか。

冬星「失礼します」
保乃「あ〜!お疲れ様です!田村保乃です!」
関尾「お疲れ様です」
冬星「お疲れ様です!松生冬星です!よろしくお願いします!」
保乃「よろしくお願いします!」
関尾「さっそくなんだけど、色々と準備するものがあって.....」

田村さんもなにか準備をしていた。

冬星「これは?」
関尾「メンバー用の飲み物やのど飴とか、そういうものの準備」
保乃「私の場合はこの加湿器です!たぶん他の子も使ってると思いますけど」
冬星「そうなんですね.....」

メモメモ.....。

関尾「もちろんメンバーによって変わるけど、この子はこんな感じ」
保乃「いつもありがとうございます🫡」
関尾「いえいえ、あとはハプニングが起きた時の対処とかもするんだけど」
冬星「ハプニング?」
関尾「たとえばよくあるのが、順番が来てもBuddiesが画面に居ないとかね」
冬星「Buddies...ファンの名称でしたっけ?」
関尾「そうそう」
冬星「他にありますか?」
関尾「メンバーが言っちゃいけないこと言うとかね笑」

思わず田村さんを見てしまう

保乃「.....私じゃないですよ!?笑」
冬星「あ!いや!すみません!笑」
関尾「ミーグリ中に1番大事なことは教わりました?」
冬星「物音を立てない...ですか?」
関尾「です!ミーグリはあくまでも2人きりの空間なので、存在感は絶対に出しちゃダメです」
冬星「気をつけないとですね.....」

存在感は絶対ダメ.....。

関尾「ミーグリ中はこのモニターでBuddiesの状況とメンバーの映りも確認できるから」
冬星「えっ...見てもいいんですか.....?」
関尾「まぁ...察して.....笑」

田村さんも苦笑いしていた。

アイドルって大変なんだなぁ...と思いながら、しっかりとメモ帳に記入しておく。

顔をあげると田村さんと目が合い、にこっと微笑まれる。

な...なんだこの可愛い人は.....。
そりゃ推すよな.....。

保乃「なんか新鮮ですね笑」
関尾「そうだね笑」
冬星「え?笑」
保乃「おいくつなんですか?」
冬星「2000年生まれの24です」
保乃「2000年!!?」
冬星「年齢数えやすくて助かります笑」
関尾「若っ.....」
保乃「.....あははは笑」
関尾「あー!笑  今、バカにしたでしょ!」
保乃「してない!してない!笑」

意外とタレントとマネージャーで仲良いんだな.....。

関尾「ほんと.....笑」
保乃「あ、ほのは松生さんの2個上です!」
関尾「え、これ私も言わなきゃいけない流れ?」
冬星「あ、いや.....笑」
関尾「なんでよ、聞きなさいよ」
保乃「ちょっといじめちゃダメですよ〜?」
冬星「いや.....笑」
関尾「ほんっと最近の子たちは.....」
保乃「いや、保乃と同い年!笑」
冬星「えぇ!?そうなんですか!?」
関尾「おーっと、それはどっちかな〜?」
保乃「笑笑」
冬星「も、もちろんもう少し若いと思ってましたよ!」
関尾「ほんとか〜?笑」
保乃「あ〜おかし笑笑」

関尾さんに色々教わっていると、いつの間にか1部の開始時間に。

関尾「じゃあ静かにね」
冬星「はい!」
保乃「じゃあ...ぽちっ」

すごいな...この中で緊張してるのは僕だけか.....。

Buddies「ほのちゃ〜ん!!」
保乃「あ〜!久しぶり〜!」

久しぶり.....?

Buddies「おはよう!」
保乃「おはよう!!」
Buddies「もうすぐクリスマスやん?」
保乃「そうやね!」
Buddies「クリスマスプレゼント欲しいな〜.....笑」
保乃「ええで!大大大大だ〜い好き!!」

か...可愛い...なんだそれ.....。

Buddies「うわっ.....!!!」

モニターから見えるBuddiesの嬉しそうな顔。

保乃「ちょっと〜笑  保乃だけしか言わんの?」
Buddies「.....え?」
保乃「保乃もクリスマスプレゼント欲しいなぁ〜.....」
Buddies「うわぁああ!!!好き!!!!」
保乃「ありがとうな〜笑笑」

すっっっご.....。
これがトップアイドル.....。

そのまま流れるように1部が終わる。

保乃「ばいばーい!」
冬星「.....」
関尾「.....」
保乃「😊.....ほい!お疲れ様です!」
関尾「お疲れ様」
冬星「お疲れ様です」

そう言いながら、田村さんは早々と部屋を後にする。

関尾「部が終わったらメンバーは急いでメイクさんの所に行ってヘアアレンジしたり、衣装を変えたり、ご飯を食べたりするの」
冬星「あ、だから急いで出て行ったんですね」
関尾「そうそう。メンバーによっては喉のケアとかが凄く大事だから、私たちに出来る事はなるべくやってあげてね」
冬星「大変ですね.....」
関尾「そうね...保乃ちゃんに限らず、彼女たちの凄いところは一切それを出さないどころか、本当に楽しんでる所なんだよね」
冬星「そうなんですか?」

簡単に部屋の片付けをしながら話す。

関尾「欅坂時代からマネージャーとしてお世話になってるけど、1度も彼女たちからそういう話聞いたことないかも」
冬星「ほんとですか?」
関尾「うん...むしろ『こんなBuddies居たよ』って話題に上げて皆で可愛いとか言ってる笑」
冬星「微笑ましいですね笑」
関尾「昨日なんてきらとまりのがBuddiesから何回可愛いって言われたかで勝負してた」
冬星「増本さんと幸阪さん...で合ってますか?」
関尾「お、もしかしてもう覚えた?」
冬星「まだ顔が一致してないですけど名前は覚えました!」
関尾「やるじゃ〜ん」
冬星「加湿器って水の補充とかしますか?」
関尾「うん、してあげよっか」
冬星「分かりました」
関尾「給湯室は出て左の突き当たりね」
冬星「はい!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ひたすらにアイドルの凄さを見せつけられていると、2部も終わりお昼休憩へ。

ご飯を適当に食べて喫煙所へ向かうと、藤吉さんが居た。

夏鈴「あ.....」
冬星「あ.....お疲れ様です」
夏鈴「お疲れ様です.....」
冬星「.....吸っt」
夏鈴「ってないです.....笑」
冬星「ですよね笑」
夏鈴「.....じゃあ」
冬星「あ、この後、よろしくお願いします!」
夏鈴「この後.....?」
冬星「はい!見学させて頂きます」
夏鈴「.....あぁ...よろしくお願いします」

深々と一礼される。

冬星「あ、よろしくお願いします」

こちらも同じく一礼し、顔を見上げると目が合う。

冬星「.....」
夏鈴「.....」

.....ん?なんだ?

冬星「えっと.....?」
夏鈴「.....あ、失礼します」

謎に数秒見つめられた後、彼女は去っていった。

冬星「.....?」

お昼休憩も終わり、藤吉さんの部屋へ。
担当マネージャーは...田原さんか.....。

冬星「お疲れ様です!」
田原「あ〜!お疲れ様〜」
夏鈴「お疲れ様です」
田原「お昼ゆっくりできた?」
冬星「はい!」
田原「じゃあお昼からも頑張ろ〜う」
冬星「はい!お願いします!」

藤吉さんの必需品は大量の飲み物とラムネだった。

冬星「飲み物ってこれだけは絶対欲しいとかありますか?」
夏鈴「ん〜.....」
冬星「.....」
夏鈴「.....」
冬星「.....」
夏鈴「.....」
田原「.....」

な...なんだこの時間.....。

夏鈴「.....ジャスミンティーですかね」
冬星「ブランドにこだわりありますか?」
夏鈴「特にないですけど、ローソンさんのが好きです」
田原「ジャスミンティーはほかのメンバーにも人気だから箱買いして倉庫に入れてるよ」
冬星「へぇ.....」

ジャスミンティーは倉庫.....。

夏鈴「こだわりはそれくらいで...あ、炭酸は嫌です」
冬星「分かりました!」

そして第3部の時間に。

Buddies「夏鈴ちゃ〜ん」
夏鈴「は〜い〜👋」
Buddies「夏鈴ちゃん史上1番可愛いぶりっ子できる?」
夏鈴「え"っ"」
Buddies「おねが〜い.....」
夏鈴「ん〜.....私のことしか見ちゃダメだよ♡」

可愛いな.....。

Buddies「ぐはっ」

めっちゃ喰らってる.....笑

夏鈴「笑笑」
Buddies「夏鈴ちゃんしか見ません!!」
夏鈴「嘘だ〜、この前天ちゃんから聞いたんだからね」

え?

Buddies「おーっと.....」
夏鈴「怒るよ〜」
Buddies「可愛い.....」
夏鈴「てかこのこと、2人だけの秘密ね?」
Buddies「えっ」
夏鈴「レポとか書いたら怒るから」
Buddies「好き!!!!!!」
夏鈴「ばいばーい笑笑」

この子...ぶりっ子とかいける子なんだ.....。
僕がファンだったら沼るな...恐ろしい.....。

そのまま特に何事もなく全ての部が終わる。

メンバー「お疲れ様で〜す!お先に失礼します!」
冬星「お疲れ様です!」
小林「松生くん」
冬星「はい!」

部屋の片付けをしているとチーフに呼ばれる。

小林「どうだった?」
冬星「アイドルの凄さを見せつけられました.....笑」
小林「みんな幸せそうだったでしょ」
冬星「ですね...Buddiesが沼るのも納得です」
小林「そっかそっか笑」

メンバーのことを褒めたのにチーフも嬉しそうに笑っていた。
きっとチーフもメンバーが大好きなんだろうなぁ.....。

小林「明日なんだけど」
冬星「はい」
小林「一旦お休みで、明後日から本格的にやって行こっか。疲れたでしょ」
冬星「いやいや!元気です!」
小林「まぁ休息も大事だから明日はゆっくりしなね」
冬星「ありがとうございます」
小林「趣味とかあるの?」
冬星「趣味か.....」

Q.主人公 松生冬星の趣味は?
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