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海辺のアイス
【櫻の魔法 〜海辺のアイス〜「大沼晶保編」】
「やばい.....寒い.....笑」
近くに海があるみたいなので、散歩ついでに寄ってみた。
「ねぇ笑 おバカじゃん笑笑 だから言ったのに.....笑」
「さっきまではちょっと熱かったから!」
「あきぽの方が海詳しいくせに笑」
「半分食べて〜.....」
あきぽは僕の袖を掴んで、への字に口を曲げていた。
「しょうがないなぁ」
「.....美味しい?」
「.....うん、美味しいには美味しいけど寒い」
「暖めてあげるね!」
そういうとあきぽは僕を包み込んでくれる。
「あきぽはほんとに暖かいね」
「逆にキミはめっちゃ冷たいね」
「じゃあちょうどプラマイゼロかもね」
「たしかに笑」
あきぽとハグする時は、いつもゆらゆら左右に揺れる。
「....落ち着く」
「いつもはキミからだけどこんなに包んでる感あるんだね」
「そうだよ〜もう母性の域。あきぽが可愛くてしょうがないもん」
あきぽは静かに僕の肩に顎を乗せる。
「ちょっと!黙ったら恥ずかしいじゃん!笑」
「.....私さ、今までこんなに大事にされなかったから」
「そうなの?」
「うん。だって前の彼氏には浮気されたし、その前はパチンコ中毒ですぐお金貸してって言ってくるし、最初の人なんて奥さんが居た」
「結構だね.....笑」
「もう疲れちゃうよね」
「あきほは優しいからね」
「良いところに感じないよ.....笑」
「笑笑 そうだね笑 でもあきほの優しいエピソードいっぱい知ってるよ」
「例えば〜?」
「ん〜さっきあきほがアイス買おうとしてた時に後ろに子供並んでて、先に順番譲った所とか」
「え〜普通だよ〜」
「でもそれを実践できる子って凄いと思うよ」
「そうかな〜?笑」
あきぽの背中をとんとん優しく叩く。
「この前なんてUFOキャッチャーで取れたぬいぐるみ、近くで見てた子供にあげてたじゃん」
「だってすっごい欲しそうに目を輝かせてたから笑」
「まぁたしかに笑 でもあきぽのそういうところ、大好きだよ」
顔は見えないけどニヤニヤしてるのは分かる。
「ねぇ私も○○くんの好きなところ言ってもいい?」
「え?笑 うん笑」
「私が困ってたらすぐ気がついて、助けてくれるとこでしょ〜」
「あきぽは危なっかしいからね」
「ご飯も全部美味しい美味しいって食べてくれるし」
「だって美味しいんだもん」
「あとハグされるとすっごい落ち着く」
「僕もだよ〜」
「○○くんの優しさが滲み出てるところがほんとに大好き」
「あきぽが優しいからだよ」
「違うよ!○○くんが優しいから!」
「ずっと優しいままで居てね🙂」
「○○くんもず〜っと優しいままで居てね」
「うん、約束するね」