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私の方が先
【櫻の魔法 〜私の方が先〜「小島凪紗」】
「なんでお前も居るんだよ」
「こっちのセリフなんだけど」
サークルの秋始めのBBQコンパに来たらなぜか小島も居た。
「いやこっちが先に入ったんだからお前が文句言うなよ」
「別にいいじゃん、ばーか」
「相変わらずおウザいことで」
「褒めて頂き大変光栄でございます〜」
「肉食った?」
「食べたよ」
「太r」
バコッ
「っっった!!!」
「なに?よく聞こえなかったんだけどなんか言った?」
「.....いえ何も」
「良かった🙂」
「.....暴力女が」
「なに?」
「なんでもないです」
「そういう○○は野菜まで食べたの?」
「食べるか」
「食べなさいよもったいない」
「野菜で腹満たしたら勿体ないだろ」
「美味しいのに」
「てか喉乾いた」
「あ、私も行く」
「着いてくんなよ」
「たまたまです」
2人でクーラーボックスの前に立つ。
「あと1本.....」
「お前買ってこいよ」
「はあ?なんで私が」
「後輩だろ」
「同級生なんだけど」
「サークルでは後輩なのでどうぞ、売店はあちらです🫱」
「うっっっざ」
「行きはするんかい」
「このやり取り不毛だから」
「つまんねぇの」
しょうがないので着いていく。
「なんで?待ってたらいいじゃん」
「なんとなくだよ」
「何?寂しいの?」
「んな訳あるか」
「あっそ」
「.....なんで急にこのサークルに?」
「別に関係ないでしょ」
「そうかいそうかい、お節介でございやした」
「.....天ちゃんと大喧嘩したの」
「なんで?」
「理由までは教えてあげない」
「別にそこまで気になってねぇよ」
「好きな人バカにされたの」
「話すんかい」
「.....それだけ」
「.....あっそ」
「天ちゃんから聞いてないの?」
「何も言ってなかったけど」
「.....そっか」
「てか今更話すわけないだろ、もう別れたんだから」
「.....天ちゃんたぶん寂しがってたよ?」
「はぁ?あいつから振ったくせに?」
「ほら.....天ちゃん素直じゃないから.....」
「.....あっそ」
「未練とかないの?」
「ねぇよ、キモイだろそういうの」
「そうかな.....」
「.....そうだよ」
売店に着いた。
「アイス買わね?」
「あり!」
小島がクリーム系を取ったことが気になる。
「氷菓系じゃないんだ.....」
「え?笑」
「いやてっきり氷系かと」
「え?変かな.....」
「いやそういうのじゃないけど、なんとなくそっちなんだって思って」
「なにそれ笑笑」
「なんだよ笑 笑いすぎだろ笑」
「変なの〜って思って笑」
「いや理屈は分かるだろ。高校の時、スポーツやってたんだから」
「運動部がクリーム系食べてたら変?笑」
「あぁ、もう変でいいや」
「あ、言い切った笑」
「なんだよさっきからうるせぇな笑」
「別に〜?」
「早く戻るぞ」
会計を済ませてみんなの所に戻っていた。
「ん、これ美味っ」
「.....ねぇねぇ」
「なに?」
「今彼女とか欲しいとは思わないの?」
「まぁそろそろ欲しいかなぁ.....」
「.....やっぱり天ちゃんみたいな子が好きなの?」
「いや別に」
「どんな人が好きなの?」
「ん〜.....俺の事好きな子」
「な.....都合いい人」
「なんだようるせぇな」
「私はね」
「聞いてねぇよ」
「○○」
.....え?
「.....今なんて?」
「○○が好き」
こっちが呆気取られてると、小島は近くのベンチに座った。
「こっち来なよ」
「.....なんだよ急に」
断る理由もないので横に座る。
「急じゃないよ」
「.....」
「私の方が天ちゃんより先に好きだったもん」
「.....知らなかった」
「だって頑張って出さないようにしてたもん」
"頑張って".....。
「.....悪かった」
「謝らないでよ.....惨めじゃん」
「ごめん.....」
「もう.....ばか」
なんて声を掛ければいいか分からない.....。
「ばか」
「.....」
「ばかばか」
ポコポコ殴られる。
「痛てぇな、なんだよ」
「ばかばかばかばか!!」
「やめろ痛いだろ!」
「ばか!!!」
「痛いって!!」
「気づけ.....!!!」
「無茶言うなよ.....」
「なんでずっと一緒の委員会してたと思ってんの!?」
「はぁ.....?」
「大学も一緒の所に行きたくて頑張って必死に勉強したのに!!」
「小島.....」
「テニスサークル入るかなって思ったら居ないし!!」
「それは.....」
「.....寂しかったんだから」
「.....」
「.....はぁスッキリした」
さっきまでのが嘘のように急にケロッとした。
「.....は?」
「いや〜ずっと言いたかったんだよね〜」
「おい」
「じゃみんなの所戻ろっか」
「待てよ!」
「.....なに?」
「.....それでどうしたいんだよ」
「それだけだけど」
「そんな訳ないだろ」
「.....早く戻ろう?」
背を向ける小島の腕を掴む。
「じゃあなんで泣いてんだよ!」
「泣いてなんか.....」
「気づいてたよ!!でも確証はなかった!!」
「.....」
「.....勇気が出なかった」
「.....○○」
「.....だから天にも振られたんだろうな」
「.....違うよ」
「.....は?」
「天ちゃんから聞いたの」
「なにを.....?」
「私の話ばっかりするって」
「.....っ!」
「ねぇどういうこと?」
「そんなの.....」
「○○の口から聞きたい」
「.....」
「.....○○」
「あぁ!くそ!好きだよ!!!」
「.....ほんとに?」
「好きだからこそ言えなかったんだよ!」
「.....」
「振られて気まずくなるなら告白しない方g.....」
小島はこっちを向いて俺を抱きしめた。
「.....好き」
何も言えず、ただ抱き締め返した。
「大好きなの」
「.....分かったって」
「○○は?」
「好きだって言ってんじゃん」
「言ってない!」
「なんなんだよ.....好き」
「.....」
「.....これでいい?」
「.....もっと」
「いや.....」
「もっと言って!」
「好き」
「.....」
「.....好き」
「.....」
「聞いてる?」
「足りない」
「なんなんだよ」
「天ちゃんに言ってた分より言ってくれないと許さない!!」
より強く抱きしめられる。
「苦しいって.....」
「もう離さないから」
「.....重いよ」
「嬉しいくせに」
「はぁ?」
「心臓うるさいもん」
「.....勝手に聞くな」
遠くから先輩たちの声が聞こえて2人は離れた。
『おー!こんなところに居た!』
「すみません、飲み物買いに行ってました」
『あ、ずりぃ!俺も欲しかったのに』
「すみません.....笑」
『てかそろそろ帰るぞ』
「分かりました!」
先輩の後を2人並んで歩いていた。
すると小島はわざと肩をぶつけてくる。
「なんだよ」
「なんでも?」
次第に強くなって側溝に落ちる。
「うわっ!」
『っ!なにしてんだ!?』
「いやこいつが.....」
「何もしてませんけど」
「お前.....」
『おいおいなんだなんだ〜?』
「あ、いやそんなんじゃ」
「付き合いました」
『え』
「え」
「さっき告白されたんです」
「は?」
『まじ!?』
「ね?」
「いや」
『まじか〜!俺も小島ちゃん狙ってたんだけどな〜』
「えぇ!!?」「えぇ!!?」
声が被る。
『いや冗談だよ笑 仲良すぎかよ笑笑』
「いや.....」「いや.....」
また被る。
『どんだけ仲良いんだよ笑笑』
帰りの車では先輩の余計なお世話でご厚意で隣の席になった。
「おいくっつくな」
「いいじゃん、1番後ろで見えてないんだから」
「暑いんだよ」
「汗かいてないけど」
「これからかく予定なんだよ」
「なにそれ笑」
『バックミラーで見えてっぞ〜笑』
「うそ!!!?」
「ばーか」
「恥ずかし.....笑」
「笑笑」
その後、凪紗は○○の肩ですやすや眠ったとさ。