欅坂46の「マモリビト」ー小池美波生誕祭 毎日note neo EX 2024年11月14日付
欅坂46に二期生が入ることになり、オリジナルメンバーは「欅坂46一期生」と呼ばれるようになった。
二期生歓迎派の私でも、正直最初は違和感しかなかった。
違和感なんてものは、過去の経験のなさからくるものであってさほど大した感覚ではない、慣れに勝る違和感なし、というのが私の持論だけど、欅坂46に「一期生」という言葉が誕生して、その言葉に慣れるまであんなに時間を要するとは思わなかった。
今になって振り返ってみると、つまり自分の中にもどこかに「欅坂46はオリメン21人」という感覚があって、口では何と言おうとそこから抜け出すことと格闘していたんだろうと、そんな感じがする。
もちろん、二期生を受け入れたい、というのも嘘ではなく、本音ではあるのだけれど、本音は二種類も三種類もあるものだから。
そんな欅坂から、一人卒業し、二人卒業し、最終的には彼女たちからグループ名までが「卒業」していって。
アイデンティティという言葉があるけれど、彼女たちは一体どこにアイデンティティを置いて進んでいけばよかったのだろう。
私は、私の置かれる立場など二の次三の次でよく、彼女たち自身がどこを目指して活動するのか、その芯がちゃんと存在するのかという点が本当に心配だった。
それこそ、特に一期生。
だから、櫻坂46に改名するときに、そのほとんどの一期生が残って活動すると聞いたとき。しかも自分たちが前に出るわけではなく、二期生を前面に打ち立てて後方支援のような形でグループ活動をしていく姿を目にしたとき。
グループと後輩に対する想いの深さを見るようで、そのことで何度も涙した。
今でもこれを書きながら、込み上げてくるものがある。
グループと、後輩たちの成長を見届けて、櫻坂に残った一期生も、一人、そしてまた一人と卒業して自らの新しい道を進む。
それは間違いなく、そうしたとしても大丈夫だという安心感が大きかったに違いない。
2024年12月。
上村莉菜さん、齋藤冬優花さんの二人が卒業することになり。
一期生で最後にグループに残るメンバーが
小池美波さん
ということになった。
本当に、予想もしていなかった。
いつかはそんな日がやってくるだろうとは漠然と考えていたものの、でもどこかでそれを考えたくなくて。いざ「最後の一人」となるメンバーが出てくることになって、それがみいちゃんで。
そういう意味で今年の小池美波生誕祭、いつもとは違った感覚で迎えた。
事実がどこにあるかはわからないことを前置きしたうえで。
一時期彼女が休養していた期間、その間に土生ちゃん、由依さんが卒業して。
そのことに心に期するものがあったのではないかと想像する。
逆にその間、一期生としてグループに残っていた莉菜ちゃんとふーちゃんは、みいちゃんが復帰したときに一期生が誰もいない、という場所にはしたくなかったのではないかとも考えられる。
みいちゃんが復帰して。
逆に二人には心残りがなくなった、とも言えるかもしれない。
そしておそらく。
みいちゃんは復帰した時点で、自分が最後の一期生になることを覚悟していたような気もする。
考えてみれば、欅坂のオールラウンダーは、小池美波だった。
特に「アンビバレント」に関しては、記憶しているだけで3ポジションもしくはそれ以上の動きをマスターし、そのときによって柔軟にポジションに入っていた。他の一期生二期生ももちろんそうだけど、彼女が欅坂を心から愛していたのは間違いなかった。
と同時に、と敢えて言うと。
櫻坂46も同じくらい愛してやまないのも、小池美波である。
だからこそ、櫻坂の初期に欅坂を求められることについて悔しさを表明したのもまた、彼女だった。
一期生として、ただ一人。
欅坂の立ち上げから、今現在までを知るメンバーとして、ただ一人。
莉菜ちゃんふーちゃんの卒業後は、唯一無二の「ポジション」に立つことになる。
欅坂の伝導者。
あれだけ可愛さに振れていた初期があって、今でももちろんその可愛らしさはフェーズを変えて存在しているものの、その裏打ちされる芯がはっきりしている。それこそがまさに、欅坂はもちろん、櫻坂というグループの象徴の一つとも言える存在。
「強い」小池美波というと、いつもこのシーンを思い出す。
櫻坂初期、二期生がメインになることで、当然二期生にはその覚悟が求められたとは思うけれど、その二期生を盛り立てていくことを決意した一期生は、もっと強い覚悟が求められたのではないだろうか。
それが、この表情に表れていた気がする。
ここから、4年。
その歴史の語り部となった彼女は、今何を思うだろうか。
小池美波さん。
26歳のお誕生日、おめでとうございます。
今年、この挨拶をすることができて本当によかった。
文字通り唯一無二の存在になるここから先のあなたが発信するものを、私は一つも逃さずに受け止めていこうと思っています。
あ、それと。
かわいいみいちゃんももちろん好きですが、私はやはりカッコいいあなたが心から大好きなのです。
一期生、最後の一人の世界は、何が待ち受けているか、誰にもわかりません。
でも。
全力で、あなたを支えなければならないなと思っています。
鳥居坂からグループを見てきた人間として。