「欅坂46を超えろ」を忘れるなー櫻坂46が必ず欅坂を越えると信じられるこれだけの理由
4月末の櫻坂3rdTOUR福岡公演で、関有美子卒業を見届けてから、約3週間。この謎の空白期間の不自然さが実に何かを予感させた。私たちも、多くがなんとなく気づいていた。なんなら、チーム櫻坂は、こちらが気づいていることも織り込み済みでこの期間を設定して、何かに取り組んでいたとも思える。そんな心理戦がとても心地良かった。
欅坂から彼女たちを知る人々は、彼女たちが期待を裏切らないことを知っている。もちろん、言葉にすれば簡単だけれど、誰かの期待に応える、なんならそれを乗り越えるということがいかに大変なことか、そしてどれほど難しいことかは、自分の今までの人生を振り返れば簡単に理解できるはずだ。それを彼女たちは、ずっとやってきた。一人の力でないのは言うまでもない。でも、そこに集う人が同じ気持ちで一つにならなければ、誰か一人でも違う方向を向くようなことがあれば、達成されるはずがない。
5月23日、神奈川公演DAY1でティザー映像が披露され。
5月30日、MV解禁。
まず、櫻坂界隈をこれでもかとざわつかせて。
6月1日、ツアーファイナル大阪でのアンコールで、初披露。
正直言えば、私たちの間では、このファイナルで披露されるのはほぼ間違いないと思っていた。あとはそのタイミングがどこであるか。もっと正直なことを言えば、そのことによる緊張感は、やはりこちら側にもあった。いや、強くあった。
一方で彼女たちは、というと、そんな私たちとは比較にならない緊張感に襲われながら、刻一刻とその瞬間に向かって走る。
裏側が櫻坂チャンネルで公開されていたけれど、もうあれだけでも当時の緊張感が伝わってきて、こちらが手汗をかくくらいである。
このときに得た感情はすでに触れたので、ここでは割愛するとして、でもそんな感情から始まった6月であった。
その6月は28日に「Start over!」の発売を控えた。約1ヶ月。でももちろん、そこへ至るまでの道のりは、本当に右肩上がり。色んな場所でこの曲が紹介され、TVでの初披露があってからはとにかく盛り上がり方が従来と比較にならなかった。
楽曲のキャッチーさは言うまでもない。
キャッチーというと、すぐに浮かぶのは例えば振り付けが真似しやすいとか、フレーズが印象的で口ずさみたくなるとか、メロディが頭から離れないとか様々あるが、どれもなにか違う気がする。けれど、世間の話題にはなる。もちろん、メンバーの背中の上を登っていく藤吉夏鈴がセンセーショナルだった、というのもあるだろうけれど、じゃあ他の人がそれを真似したら同じバズり方をするのか、と言われるととてもそうは思えない。
ではどこにその真髄があるのか。
何か一つのせいではない。総合力なのだ。
チーム櫻坂の、総合力だ。
おそらく、どの曲も精魂込めて制作されているはずなのだが、なにかすべてにおいて過去の自分たちを凌駕しにかかっている。楽曲の強さ然り、その強さに負けじとするメンバーの想い然り、さらにそれに応えようとするスタッフ然り。
コロナが5類に移行し、コロナ前と全く同じではないにせよ、少しずつあの頃を取り戻す勢いが出てきている。乃木坂や日向坂は、櫻坂よりも先行するシングルで、スペイベにリアルミーグリという、かつての握手会に近いイベントを開催している。当然櫻坂にもその期待がかかる。楽曲に込められた魂とともに、また売れるその土壌が整いつつある。ならば、ここで一気呵成に攻めの姿勢を貫くしかあるまい。
乃木坂や日向坂とは、置かれている状況が違う。このタイミング、櫻坂が秘める爆発力を最大限にまで高めるには絶好だ。今考えられる最高の強度をなして、最も爆発できる楽曲となった。
私たち界隈に刺さるのは当然として、これは明らかに櫻坂をまだ認知していない層への訴求力に賭けたものと断言できる。
そのためには、中途半端など許されるはずがない。
世間には欅坂が改名したと知らない人もたくさんいる。
いや、その欅坂すら知らない人だってたくさんいる。
まして櫻坂46なんて知るはずも、関わることすらなかった人も多くいる。
そんな人たちの記憶に残そうとする楽曲に見えて仕方がない。
だからこそ称賛されるべきはメンバーだ。
おそらくスタッフから、或いはもしかするとBuddiesからも結構なプレッシャーがあったかもしれない。でもそれをいとも簡単に跳ね返すどころか、そんなプレッシャーさえ楽しんでいたのではとさえ思わされるくらいのパフォーマンス。
私たちを見て、と。
私たちを知らない人こそ、これが櫻坂46だと知って、と。
必死さももちろんあるかもしれないけれど、そこにあるのは必死というより、もっと余裕のある感じ。
この子達は、本当にどこまで行ってしまうのだろう。
そんな彼女たちに驚愕しつつ、ふと年始に得た自分の感情に思いを馳せる。
紅白歌合戦2022。
坂道で櫻坂だけが出場が叶わなかった。
こうなると、いろんなことが言われるわけである。どこにもこういうときに揶揄してやろうとか、暴言に近い言葉を投げかけて愉しむという性格の悪さを露呈するのがいる。
もちろん当然ながら、櫻坂がこんなものではないと、強く信じられる材料はたくさんあるし、まず私たちが信じなければどうするんだという想いはあった。
彼女たちが諦めることなく、もう一度年末の大舞台に返り咲きたいと願うなら、少なくとも私が据える目標はその一点に尽きる。
推しメンでもあるキャプテン松田里奈は、昨年11月紅白落選を受けてのブログをこう綴っている。
紅白はマンネリだ、オワコンだという声を聞くようになって久しい。
その気持ちもよくわかる。
出る必要ないんじゃないか、という声があるのも知っている。正直、そう思う部分がないわけでもない。
ただ、やはり紅白歌合戦が持つ力は、今もまだ大きいことは間違いない。日本中に訴えかける力は、まだまだある。それに「大晦日に紅白を観る」ということが、多くの中高年のステータスになっていることも否めない事実である。もちろん、彼らのお目当ては演歌であったり、以前から親しまれている曲だったりではあるだろう。そんな彼らこそ、櫻坂46なんて聞いたこともないかもしれない。欅坂46すら知らないかもしれない。
でも私がStart over!という楽曲と、私自身の魂を、納得がいくまで擦り合わせた結果何を思ったかというと、まさに櫻坂なんて見たことも聞いたこともない、そんな方々にこそ観てもらいたい、ということである。
いい悪いは別にして、必ずや観た人の心に棲み着く強さを持っていると信じる。
それがどんな形で残ろうと、櫻坂というグループが観た人の記憶に残るのであれば、それでいい。
好きの反対は、嫌いではない、とよく言う。
好きの反対は、無関心だ。
嫌い、ということは関心があるのでまだマシだ。
無関心は、0だ。
0よりも、マイナスの方がマシというのもなかなか面白い現象ではあるが、0には何をかけても0なのだ。
オワコンとは、すべての人が無関心になった状態を指すと、私は思っている。
だから、よく「オワコンだろ」などと書いてる連中がいるが、話題にしている時点で関心があるわけで、オワコンではないことを証明してしまっていることに気づいていない。
スタオバは、必ず何かを残す。
その強さがある。
だからこそ、この曲で大晦日のお茶の間の度肝を抜いてほしいのだ。
逆に言えば。
この曲で紅白に選んでもらえないなら、もはやそれまで。
ここまで数字を残して、これからもその数字の伸びが期待できる楽曲を引っさげているのに、必要とされないなら。
未練などなくなる。
それくらいの自信を持ってもいいくらいの曲だ。
欅坂46とはまた違うアプローチでありながら、
欅坂46を経験したからこそ出せるリアルな心の叫び。
そして忘れてはならないのは
櫻坂46として、他のグループにない歴史を刻んだからこそ、身につけたもの。
これらがミックスされて、初めてあの楽曲となるのだ。
今まで辿ってきた道のりを感じながら
成長してきた彼女たちだからこそ託せる
制作側もきっとそんな信頼感があったに違いない。
最高傑作だ。
そんな最高傑作をもってしても、紅白に出場できないのなら
本当の意味で吹っ切れるじゃないか。
そして紅白なんか関係のないところまで突き進んでやろうじゃないか。
坂道シリーズも、3グループもあるとどうしても比較したい人が出てくるものである。
乃木坂と比べる人。
日向坂と比べる人。
櫻坂と比べて、その2グループがどうの、という人もいるだろう。
だけど私は思うのだ。
櫻坂が比較するのは乃木坂や日向坂ではない。
やはり欅坂46なのだ。
過去の自分たちを超えることこそが、彼女たちの命題なのだ。
櫻坂に改名したとき、出されたのがこのコピーだったからだ。
当然、私は今も生きていると思っている。
欅坂46は、いろんな意味でムーヴメントになった。
あれを超えるというのはどういうことか。
それは、Buddiesが結束して、MVを回そう!とか、TVerを回そう!とか、ストリーミング頑張ろう!とか、そんな声かけなどしなくても、何の働きかけもなしに勝手に数字が上がっていく、という状態にならなければ同じ土俵にすら立てない。そんなあまりにも高すぎる壁なのである。
欅坂絶頂期は、数字上は「ガラスを割れ!」の頃であると思うが、まさにその伸びはムーヴメントと呼ぶにふさわしい。
レコ大だろうが、紅白だろうが、ファンが動かずとも候補にあがる。
世の中の話題の中心になる。
世の中の流れすら変える。
それがムーヴメントだ。
過去の彼女たちは、そんなグループなのだ。
他のグループと比較している場合か。
先人が確かなレールを作り、後輩がそれを受け継いで盤石の体制を目指す乃木坂46。
数奇な運命で誕生し、欅坂の後をずっと追いかけ、今や自分たちだけの道を見つけ邁進する日向坂46。
どちらも素晴らしいグループだ。
でも、櫻坂がライバルとするのは彼女たちではない。
過去の自分たちなのだ。
欅坂を経験し、櫻坂としての茨の道から華開く道を歩んできた彼女たちの絶対の使命は、それしかない
…と私は思っている。
櫻坂46。
あなたたちなら絶対にできる。
3年前なら私は断言できる自信はなかった。
でも今は、確信をもって言える。
きっと欅坂を超えられる。
そしてそのときこそ、初めて欅坂を払拭できるのだ。
坂は、まだまだ、続く。