拝啓 関有美子様ー櫻坂46の一人のオタクからの送辞
拝啓 関有美子様
オタクという言葉が、これだけ市民権を得るようになったのはいつからでしょう。
私にとってのあなたは、ずっとずっと、私たちの側の代表としてメンバーにいるという、そんな見方しかできませんでした。
これは私も何度も何度も言っていることであり、なんならあなたにも直接そのお話を二度したことがあります。
コロナ前。それも、欅坂46に二期生が加入する前。
私の地元である京都パルスプラザの握手会に、私も何度か足を運んでいました。
渡辺梨加列に、とてつもない可愛さ可憐さ綺麗さが際立つ女性が並んでいる。自分の握手の番がもうすぐ回ってくるというのに、そんな女性の存在が気になって仕方ありませんでした。
そして、二期生のお披露目。
その姿を見て、仰天しました。
見間違えるはずがない。
パルスプラザにいた、あの人だ。
確信しました。
二期生が入って最初の握手会。欅坂8th黒い羊(結果としてあなたにとって最初で最後の握手会になりましたが)。何人か申し込んで、当たったのが松田里奈さんと、あなたでした。
初めましてのあなたに、私が投げかけた言葉は、やはりどうしても気になっていた、握手会で見かけた女性とあなたは同一人物なのかどうか、ということ。
自分が並んでいた握手会に、並ばれる側として立っている。
不思議だっただろうと思います。
あなたはよく「憧れだけで飛び込んだ世界」という言葉を口にします。卒セレでもそうでしたね。
この言葉の裏には、相当の苦労があったのだろうと想像します。
いや、本当は私には想像なんかできないくらいの過酷さと、突きつけられる現実と戦う日々だったのだろうと。
だから、あなたを見てると、生半可な気持ちでアイドルを応援することがいかに浅はかで、アイドルを下に見ている意見を目にすると怒りが湧いてくるという、その根本理由になってました。
でも。
だからこそというべきか。
「五月雨よ」で表題のメンバーに入ったことは心から嬉しかったし、「摩擦係数」のあのダンスをこなすあなたを見て、努力と自分の姿を見せたいと願う誰かの存在があることで、人はここまで強くなれるのかと感心しきりでした。
確かに私たちの側の代表なのだけれど。
そんなことを通り越えた、真の櫻坂46メンバーであるあなたの姿がそこにありました。
気づけば三期生が加入して、当時のあなたと同じように、櫻坂に憧れて入ってきたメンバーがとても多く。
憧れる側から憧れられる側になって、その場を離れる。
こんな理想的な展開は、他にないかもしれません。
いつも卒業生を送り出すときに言う言葉ですが、私は「卒業おめでとう」という言葉が苦手です。
だから、その代わりに「いってらっしゃい」と言うようにしています。
たとえグループを離れたとしても、あなたの居場所は間違いなく、櫻坂46であるので。
それともう一つ。
関有美子さん。
あなたにはかけたい言葉があるのです。
それは。
「おかえりなさい」
約5年近くにわたる「スペイベ」、本当にお疲れさまでした。
あなたに勝る、櫻坂46オタクは、この世に存在しません。
卒業生を含めた、欅坂櫻坂メンバーと親交を深めたオタクは、あなたしかいないのです。
あなたの卒業で悲しさ寂しさに暮れながらも、唯一ホッとできることがあるとすれば…
あなたが「こちら側」に帰ってきてくれることなのです。
だから、おかえりなさい。
私が、心から誇れる人。
また、私たちと同じ目線で、グループを共に見ていきましょう。
あなたの進む道に、幸あれと心から願って。
とある一オタクより。
敬具