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たった一人のStart over!ー平手友梨奈生誕祭2023

私が櫻坂46に心留められてるのは、その前身である欅坂46があったからなのは言うまでもなく、欅坂に心奪われたのは、やはり平手友梨奈の存在のせいであった。これはもう、誰推しとか関係なく、全ての欅坂推しは彼女をまず通ると言っても過言ではない。これは与えられた宿命みたいなものだ。

そんな彼女が、22歳になるという。



最近、時の流れの残酷さを、そこここで感じる。

つい先日も、かつての教え子が近くの塾で講師として働いていると知った。教育業界に20年以上も籍を置けば、そういう事象が多くなるのは当然のことではあるのだが、本当に多い。
初めて担当したとき小3だった子が、もう高校生になっている。いや、大学生にもなっている。時間の経過からすればそれは当然のことなのだが、正直怖くなるときもある。


話を戻すが。


平手友梨奈が欅坂46としてそのグループに立ったのは、14歳のときだった。


私が欅坂を見出したのは、乃木坂の番組を流し見してるときに妹分のグループができるという情報が出て、その冠番組も始まると知り、MC二人以外スタジオにいない第1回の「欅って、書けない?」を観てからずっとなので、サイマジョよりも冠番組が先なのだ。それでも別に推すつもりで見ていたわけでもなく、本当に何となく観てただけだった。

それが、デビュー曲ができ、そのMVを観たときに心が決められてしまった。


理由は、間違いなく平手友梨奈にあった。


繰り返すが、欅坂を推してきた人たちで、平手友梨奈を通らなかった人は、おそらくいないだろう。誰推しであろうと、必ず平手友梨奈を通り過ぎる。もちろん通り過ぎることなく、平手のあの底知れぬ魅力に捕らえられてしまった人も、ものすごくたくさんいる。

今更、こんなことを声を大にして言うのもおかしいのだが、櫻坂46がここまでようやく軌道に乗り、欅坂から改名したグループ、というのではなく、独自の路線を歩み始めて、少しずつではあるけれど認知もされるようになってきて、改めてつくづく感じる。

欅坂46は、やはり平手友梨奈の姿あってこそ映えるグループだった。

彼女が脱退し、そこから改名にまで到達するまでの欅坂は、名前こそ欅坂であるものの、そして平手の分をメンバーが必死にどうにかしようとしてたのは痛いくらい伝わっていたものの、どうにもならないことというのは世の中あるものだ、と思い知らされた。あそこまでメンバーが全身全霊で欅坂を守ろうとしたのに、見る側からすれば欅坂に見えないのである。
何故か。
簡単だ。

平手友梨奈が、いないからだ。


欅坂46のアイデンティティは、平手友梨奈だった。

私が言うまでもなく、これは誰もが感じる本音中の本音のはずだ。



欅坂が櫻坂に改名して、3年。

3年経って、あの頃とは少し違うニュートラルな視点でこの改名劇を考えると、客観的に見て平手友梨奈がいない欅坂46は、少なくとも欅坂46に見えない。誰が何が正しいとか間違っているとか、そういう話ではなく、厳然たる事実としてそれはどうしようもないこととして横たわっているのだ。残っているメンバーが、命を削る思いでグループを守ろうとしているのは痛いほどわかる。だけど、欅坂の名前を冠してここからも続けていくのは、本人たちの思いとは別に、観ている側に違和感を与え続ける可能性が高い。そうなってしまっては、彼女たちにどんなメリットをもたらすというのか。

だから思い切って、改名という手段をとったのか、と。


櫻坂が走り出した頃は、不安しかなかった。メンバーの不安など私たちのそれとは比べものにもならないだろうけれど、どっちに向かうかわからない中を手探りで進むしかなかった。

とはいえ。

一つのことでも、やはり三年続ければ形にはなっていく。ようやく櫻坂の形、というものが見えてきた。その間、ほとんどコロナ禍であったという変数要素も加味すると、よくぞここまで辿り着いてくれたと感謝しかない。


櫻坂も、6枚目のシングルまで到達した。欅坂で6枚目といえば、「ガラスを割れ!」だ。今回6枚目という縁もあって改めてガラ割れの記録も見てみたが、ある意味の欅坂の全盛期。その数字はやはりとてつもないものだった。平手友梨奈とロック、という親和性が完全に嵌ったあの曲のインパクトは特大だった。


櫻坂の6枚目は「Start over!」。やり直す。もうこのタイトルを聞いたとき、電撃が走った。そしてMVを観て最初に感じたことは、まともに欅坂の世界観だった。いや、正確には、櫻坂が表現する欅坂の世界観、か。少なくとも私にはそう見えてしまう。

となると、どうしても、いるはずのない平手友梨奈の姿がオーバーラップして仕方ない。

私は事あるごとに言うのだけれど、櫻坂は欅坂を内包するグループなのであって、欅坂の名前を出されることに拒否反応を起こすというのは、甚だ間違った価値観であるとずっと思っている。自らの血を否定することに等しい。己の血は、変えられない。たとえその血の色に嫌悪感を抱いたとしても、体を駆け巡る血を入れ替えることはできないのである。

ならば、受け入れるしかないだろう。

一旦受け入れてから、そこからどうするか考えたって遅くはない。

あのMVに、いるはずのない平手友梨奈の姿がオーバーラップする、ということは、つまりStart over、何をやり直すのかということもはっきりするのではないだろうか。
もちろん、櫻坂が欅坂と対峙するのではなく、自らの一部として心から認めてあげられることを指していると私は思っている。

となれば、もちろんのこと、それは「平手友梨奈のいた欅坂を受け入れて、自分たちの一部とする」という意味なのであるが。



それにしても。
いないはずの場所にまで、いるように見えてしまう。そんな存在感をこの世で残すことなど、或いはそれができる人など、一体何人いるのだろう。




平手友梨奈さん。


あなたは、本当に、何も言わない人だ。
何も言わずに、すっとどこかへ行ってしまって、そして気づけば世間をあっと言わせる。
あなたほど、誰に忖度するわけでもなく、世の中ととことん向き合って生きている人を、私はもしかしたら見たことがないかも知れない。

そう考えると、欅坂46のあなたは、エンタテインメントではなかった。
本当の意味での、筋書きのないドラマ。
何が起きるかわからない。
ジェットコースターに縛り付けられて、何周もさせられているような、そんな心臓の悪さがあった。

そして、それが最大の魅力だった。

そんなあなたの、虜になった人はもしかしたら、大袈裟ではなくて生きてきた中で初めて経験するような激しい心の揺動をもたらされたからかもしれない。


でも、グループを脱けてからのあなたは、私にそういう想いがあったからなのか、ずっと信頼して見ている。

きっと、平手友梨奈なら間違いない。

必ず何かやってくれる。

たとえ活動の様子が聞こえてこなくても、どこかで何かを必ずやっている。

根拠も何もないけれど、ほぼ確信に近い気持ちがずっとある。今もある。


だから、何も心配していないのだ。


だって、平手友梨奈だもの。


私だけではない。

あの頃、あんなに多くの、アイドルファンだけでなく、アイドルになんかこれっぽっちも興味がなかった人まで虜にした、あのあなただもの。


本当は楽しいことが大好きで、人が大好きで、同期が大好きで、後輩が大好きで、心からグループを愛していたあなただもの。


自分のペースで、また私たちを心底驚かせてください。



22歳おめでとう。




あ、あなたの愛したメンバーや後輩やグループは、欅の木に満開の櫻を咲かせる存在に、なったよ。





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川島 雅隆(かわしま まさたか)
noteの中でも、櫻坂46・日向坂46に特化した内容ですので、特に二つのグループの推し活を経て、皆様に文章で還元できるよう努めてまいります! よろしければサポートをお願い致します。