「もっとこうしてほしいな」を伝えるには
8月から、講座で学んで自分を深めている。
その講座で、直してほしいところがあるときは、
「○○してくれて、ありがとう。でも、××してくれるともっとうれしい」
でなく、
「○○してくれて、ありがとう。そして、××してくれるともっとうれしい」と伝えるのだと教わった。
文法的におかしくても、相手の気分を害さずに自分の気持ちを伝えることができ、相手の行動を促すことができるということだ。
メンバーどおしでお互いに言ってみる。
言われるのは、案外違和感がない。
でも、言う番になると、なんだかぎこちない。
慣れなのだろうけど、本当に言えるかな?
そのときはそう思った。
◇
ある日、息子に祖母への届け物を頼んだ。
一日目は、テーブルにメモを置いていったが、息子は忘れてやらなかった。
二日目は電話をして頼んだら、「わかった」と答えた。
確かに息子は行ってくれたが、一番届けてほしかった漬物や佃煮は、置き忘れていた。
帰宅した私は、冷蔵庫に遺された漬物の包みを見て、ため息をついた。
さて、どう彼に伝えようか。
私は心の中でつぶやいた。
『おばあちゃんのところへ行ってくれて、ありがとう。
そして、漬物を持って行ってくれたら、もっとうれしい。』
不思議と、いらいらしていた少し気持ちがやわらいだ。
そう、彼はフリースクールの後、ベッドでひと眠りして、塾へ行く前に、わざわざ塾とは逆方向の祖母の老人ホームへ行ってくれたのだ。
ここは怒るところじゃない。
思い切って息子に言ってみた。
「おばあちゃんのところへ行ってくれて、ありがとう。そして、漬物を持って行ってくれたら、もっとうれしい。」
息子は変な顔をしていた。
けれど、ハハの学びの成果は伝わっただろうか。
「でも」でなく、「そして」で。
心の中でそう言い換えるだけで、少し気持ちが落ち着くかもしれない。
ぜひ、お試しを。
よろしければサポートをお願いします。いただいたサポートは,自由で多様な学びのあり方について勉強する費用に使わせていただきます。