トランプ再選でも日常は続く
トランプ批判の記事ではないので、トランプ批判しないことに不快感を覚える方は読まないことをオススメします。
特にトランプを擁護も批判もしてません。ただ、赤い州に住む自分の心境と、周りの観察を書いています。
アジア人女性移民が赤い州に住むのも悪くない
私はこの夏に日本から社内転籍でアメリカに移住しました。今住んでいる地域は赤い州(共和党支持州)の中にあるポツンと青い点(都市)です。州法で中絶禁止、マリファナ禁止の保守州です。
どこにでも良いところと悪いところが必ずあり、何を自分が優先するのかを考える必要があります。私はラッキーなことに、日本と今住む街とカリフォルニア州の田舎という3つの選択肢を職場で得られました。そしてこの街を選びました。
良いところ
-アジア系住民が多い(街の人口の2割)
-日本と比べて仕事面はプラス(機会面でもフレキシブルさでも)
-給料に対する生活費がカリフォルニアのように鬼高くない
-治安が良い
-職場で性別や年齢を理由にできないという先入観を持たれない
-母親や子供やペットに優しい(これを古い価値観で男女平等でないと捉える人や、子供やペットはやかましいと感じる人にとってはマイナス)
良くないところ
-中絶禁止が厳しく、妊婦の生命に緊急処置の対応遅れの事例あり
-銃規制がほぼない
-会社の保険に入っても日本より医療費が高い
-日本ほどご飯が美味しくない
-日本のようなコンビニや電車の利便性はない
私は総合的に見て、自分の優先度が高いポイントではこの街がプラスが多く、移住して来ました。移住から4ヶ月、満足しています。
移住後に気づいた良いところ(完全に私の都合)
-職場の人が皆優しくて良い空気感
-ゆったりした余裕ある生活
-食や健康に自然と気を配るような環境
-日本と種類は違うけれども、アメリカ食以外の国際料理が豊富で食事は基本美味しい
-行き過ぎたポリコレがなくて生きやすい(以前、青い州に住んでいた頃に、ルームメイトのムスリムやヴィーガンにいちゃもんつけられたり、間違ったこと一つも言ってない神父様が大学から追い出されたりと、いくつか事件がありましたw寮のトイレがジェンダーフリーしかなくて汚かったのも地味にストレスでした。もちろん、これをプラスと受け取る人もたくさんいるとはわかってます。)
-結婚して子供を持つことの方が完全に多数派(私は結婚して子供を産みたいので、助かります)
-職場の男性も当たり前に家事育児を行なっていて、そのための途中抜け、早めに帰る、というのも当たり前(私は家事育児分担で楽しく働き続けたいので、助かります)
赤い州へ移住する際に、政治面では完全に保守的な州法であることは覚悟の上で来ました。できる対策は行えば、それほど怖くはないと思います。対策した上で命に関わる確率は、地震が来るとか交通事故に遭う程度の確率だと思います。あくまでも個人の感想です。
元々保守的な宗法を覚悟の上で来たので、トランプ再選しても、「そっか〜」程度で、まあ元々保守州なので生活に直結する何かが大きく変わることはないのだろうと思います。少し心配なのは会社スポンサーで申請準備中のEB2 NIW永住権申請ですが、自分はボーダーラインのケースではないと思うので、そこまでヤバい状況だとは感じていません。
実生活では、この街にアジア人がとても多いこと、また、お金に余裕のある人が住んでいる地域で、何の差別も見たことがありません。学生時代に東海岸の青い州に住んでいた時よりも差別を見るとか差別を受けるということははっきり言うとないです。(赤い州ですが青い点に住んでいるのが大きいと思います。)学生時代は「どこから来た?中国か?」というやりとりを何度もしていたのですが(私だけでなくアメリカ生まれアメリカ育ちの友達も)、この街では4ヶ月時点ではまだしてません。
トランプ再選でこの世の終わりを嘆く同僚と、賭けに勝って儲けた同僚
うちの州はトランプだろうと誰だろうと、常に共和党支持州なので、大統領選自体にそんなに盛り上がりはありませんでした。
翌日、結果がニュースに出ていても、職場は通常運転。誰も何もコメントしない、雑談なしで普通に仕事の本題が進む。
昼休みに休憩室でみんなでご飯を食べていると、ようやく反応が。
私の上司(南部出身、白人男性)が、選挙戦にかけて、当たったから結構な額儲かった!と軽く笑い話をしていました。
そこで、別の同僚(韓国生まれ韓国育ち。米国市民権取得済みの女性)が
「またトランプになった。この世の終わり。アメリカは完全に終わり。アメリカ脱出したい。けど韓国には帰りたくない。カナダかヨーロッパに移住したい。ビザとりやすい国どこだろう?」
とめちゃめちゃ騒いでました。「でも、韓国には帰りたくない」というところには共感の嵐。アメリカはトランプのせいもあるし、他の要因もあって悪い方向へ進んでいる気がするけど、個人の損得で考えるとまだまだ手に職ある女性には日中韓より良いのでは?と思ったり。
多分職場の大卒知識層でも共和党支持者は大勢いるので、よくそんな堂々と言う度胸あるなあ、と思ったりしました笑 (私は「投票権ないんで、特に意見ありません」というノーコメントでいつも通しています。)
実はトランプ初勝利の際、私は青い州で大学生で、そのときの周囲の9割も「この世の終わり」という反応でした。けど、そのあとトランプの任期が終わるギリギリまでアメリカに住んでいましたが、実影響はそんなになく、まあとにかくトランプよりコロナが大変だったなあ、という記憶です笑 「トランプが移民法をいじるかもしれないからビザある人は雇いません」という日和った企業のせいで職探しが難航して日本に帰りましたが、実際のところすごく大きな変更があったわけではないです。少しされた変更はバイデン政権でも維持されたので、民主党だと良いというのも微妙です。移民締め付けはもはや世界的な流れだと感じているので。
まとまりがありませんが、報道されているほどは、アメリカの人々はパニックになっていませんよ。そして、アメリカに住む日本人も焦ってない人もいますよ、という報告でした。
追記:トランプ派は低学歴のあたおかとは言わない方が良いですよ
あまりにも日本語での発信でよく見るので、書かないつもりでしたが追記することにしました。
トランプ派は低学歴者、田舎者、差別主義者、移民排斥者。トランプ派は全員頭おかしい。こういう発言を割とよく見ます。トランプ再選したからこの世の終わりという発言もまあまあ見ます。
トランプ派の中にもいろいろな人がいて、ハリス派にもいろんな人がいます。だから、トランプ派はあたおか、みたいな発言はどう考えても偏見すぎる…
私の勤めるオフィスは、グローバル大企業(アメリカ資本、Nasdaq100, S&P500)の赤い州のポツンと青い大都市圏にあるオフィス。そこで、PhD卒で共和党支持を公言してる人もいましたし、1番面倒見の良い修士卒のアジア系移民のおじさんも共和党支持を公言していました。もちろん、同じくPhD卒でハリス派を公言している人もいたし、修士卒のアジア系移民でハリス派を公言する人もいました。
トランプに投票した人も普通の人々であって、「彼らは低学歴だから」「彼らは差別主義者だから」と対話をやめてしまうことが私は怖いです。トランプというよりも、共和党が良いから投票したという人だっています。
移民問題、経済問題、大企業の優遇、アメリカの戦争参加、対中国、中絶法問題、オバマケア、など、いろんな問題があり、どちらかの候補や党が全ての点においてもう一方より良いということは、当然ながらあり得ません。良いところと悪いところどちらもある中で、マシな方を一つ決めないといけないので、投票したサイドと全ての論点で同意してるなんて決めつけられたらかわいそうです…
青い州に住んでいた頃、かなり有名なリベラルな大学でもあり、トランプ初当選のあの頃は、トランプ支持しているとバレたら差別主義者認定されるから絶対にバレないようにしなくてはならない、っていう圧力を感じました。(だからと言って共和党支持が全くいなかったということではないと思います。ただ、隠さないといけない雰囲気で隠していただけ。)そういう一定グループの人を一まとめにして「頭おかしい」と決めつけること自体が、完全に差別主義者だと思います。どっちもどっちだな、と。
最後に確認ですが、私は選挙権ないので特に意見ありません。