さなコン2 感想 24 - 47
前回からの続きです。
今回は一ページまるまる全部作品で埋まってるので24作品。
地球滅亡の理由に隕石が多い。それとAIと人間の恋愛物も同じくらいに。
このページもまだちょっと出来がキツいかなって気がする。焦らずじっくりと書き進めた方がいい作品が多くて、非常にもったいない。
星のマトリョーシカ | 常盤みどり
入れ子構造になった世界で、人類の滅びを描く。
パーフェクトレギュレーション違反。構造もちょっと普通かな。
女神の神託 | つるよしの
人類存続のために必要なことはなにか。それはある国の「大統領の失脚、あるいは暗殺」することだった。現実を皮肉った話らしい。
むーん。Not for meだな。残念だ。どういう作品だ、っていうのを説明したくないような感じ。そういう意味では、やったものが勝てばいいんじゃね? という態度になってしまった。
人類滅亡SF | kt
メタノベル。お題を使った小説コンテストが発端となり、世界は滅亡する。
絶対に誰かやるだろと思ってたやつ。一応、それにとどまらないように作品が作られているんだけど、どうかな。これを刺激的と捉えるのか、それとも退屈と捉えるかで自分のいる場所がわかる気がするね。
寝る間を惜しんで眠れ | はるかなつ
外側の世界から現実を覗いている、ような話。構造が複雑。
おそらく高度に重層的なSF小説なんだと思うけど、なにが起きてるのか読み取るのが難しいのと、シーンのひとつひとつの取り扱いに酷薄なところがある。難しいな。
啓蟄の夢 | 金銀花
ある人類がおじいちゃんになった時に目覚め、仁類という新しい種族とカップルを形成する話。
ええーっ、ここで終わりなの!? これから面白くなってきそうだ! というところで無情に終わってしまう。もったいねえ。人類と仁類のギャップが半端ねぇ。ちょっとした悟り世代との対比なんかね? 知らんけど。
そうして人類は永遠の眠りについた。 | かめさんぽ@BOOTH通頒中
石倉さんと主人公の交流シーンが何回か描かれて、そのままカットアウトで物語が終わる。
どういう話かよくわからないけど、構造的にはSF小説な気がするね。多分石倉さんめっちゃかわいいんだろうから、もったいない。
記録採掘者 | 武石雄由
繋がる者、という形で思考共有をしている者たちがいて、主人公はそれに属している。主人公は繋がる者になれなかった人類の記憶を採掘して理解しようとするのだが、結局は相いれないままに終わる。
皮肉なラストだね、って思ってしまったのは私だけなんだろうか? 繋がることを拒否する者たちとは、繋がる者も繋がれないっていう事実なのかなと思った。行動的には諦めてないように見えるけど、テキストからは諦念が感じられるという。
ただ、私はテレパシー拒否論者(テレパシーで自分の生の感情を伝えたりしたら、相手か自分のどちらかが破壊されると思うから)だし、全員が常に繋がっている状態はディストピア的にも読めるから、なかなか正確な読みができないんだろうな、とも思う。なので、無資格者のコメントだと思ってくれれば。
石の棺 | 星十郎
謎の遺物が見つかる。それを発端に世界が滅ぶ。
ムーかよ!!!!! って感じのあらすじ。あとSCPのTalesの味もする。語り口は面白かったけど普通にレギュレーション違反なので、頻出単語【もったいない】だね。
瀬戸の山 | colnago
二次大戦のような戦争をしている世界。主人公と福という子と仲良くなるが、主人公は戦争の責任追及の名目で処刑されそうになる。福がそれを助けてくれるのだが、逃げのびた主人公が後々戻ってきても、もう福はどこにもいなかった。
結構いい話なんだけど、この語り口の中で「ルーティン」って単語が出てきて笑ってもうた。せつないラストだけど事情を読み解くのが難しめで、私は選ばれてない感が凄い。
星を見る人 | おでん
神と会う。神は人類を救わないことを告げる。
スターゲイザーがきた。確かにすこし不思議な話って感じがするね。ところで「妻が一人」でめっちゃワロタ。こいつ実は一夫多妻制の価値観だろ。
そうして人類は永遠の眠りについた。 | Saki
100人の村ガチ勢によって世界が滅亡する。
同士討ちが綺麗に決まっててワロタ。こいつらガチ勢と言っておきながら殺すことしか頭にねえんだなあ。
眠りたい | 鯖
主人公は疲れ果てた女性、かな? 謎の声が聞こえてきて、そのまま人類すべてが滅亡する。
ホラーに近いもんがある。なんかパパ活みたいな空気漂っててつらみ。ちなみに微妙なレギュレーション違反だけど、これくらいなら見逃してもらえるのかな? わからん。
悠悠自適の毎日 | 貴嶋 司
AI任せにしていたら人類は滅亡しました、みたいな話だった。多分だが……。
不思議系ストーリー。うーん。レギュレーション違反です。
胃炎性病原体 | 青西瓜
文字遊び。
たぶん面白いことしようとしてるんだろうけど、厳しいと思いました。なにが厳しいって、意味を読み解くのが難しいところだね。
人類皆平等法 | しいら
人類全体を平等にしようとしたが、最終的には全員平等に滅亡しました。
せやなって感じで滅びていく話。序盤の平等論とかで読者を思いっきりふるい落としてる。多分な。
ゆりかごの希望。 | 雪月海桜
主人公はある場所に取り残され、生かされている。あるきっかけで自殺用の薬を発見して、そのまま死んでしまう。そんなことが何度も繰り返されている世界。主人公にそっくりな名前の息子(?)を助けるために、母親が実験を繰り返している世界を描く。
母の愛ってやつだな。隕石人気だね。物語自体は大きく動くものの、なぜこんな世界になっているのかということの動機がややありきたりで、状況変化も緩やかな印象。そしてこれからも物語は続くというところで、切れ味に劣る印象だった。
そして、世界は冬に包まれた。 | ももいろるぴなす
神の力を得た者たちがいた。季節が廻りアキが死ぬと、世界は冬になった。
中身読んでから題名を見ると、なるほどって感じにはなる。ただ、物を語るという点が弱く、あらすじと軽い会話だけで話が流れて行ってしまっている印象。がっつり紙数を費やせばもう少し強くなったかもね。
永遠の眠り | 稲葉 青
警察官が課題文を見つける。その課題文が呪いのように伝播していき、人類は滅亡する。
ホラーですね。正体不明のものによりわけもわからず試合終了という流れ。課題文を徹底的に使い倒すのはいい発想では。全然関係ないけど、この感じ、筋肉少女帯の「パブロフの犬」みたいだなって思った。
This is your program | ちゅんとー
人間に作られたAIは、人間に恋をしていたが、人間はAIを捨てて去ってしまう。
題名から見られる通り、AIに関する直球の恋愛小説だと思われる。だがいかんせん紙数が足りな過ぎて、詩的なテキストも威力不十分に終わってるかな。
大型連休 | もちこネコ
ある日常風景を描いたあと、唐突に人類が滅びる。
日常シーンに重きを置いた作品なのだが、終わりがあまりにも唐突であっけなさすぎるところに賛否がありそうだ。落差はあるが、ストライクゾーンを外れている気がしてしまうな。
平行線ノスタルジア | 和泉アリオ
あらすじにするとうまくいかない小説の典型。だからあらすじは書かない。
幻想的なテキストが乱舞する。もうすこし強化を重ねれば別の舞台で戦えると思う。これ単体だと、ラストがすこし唐突なので、小説として読むのはちょっと難しいかもしれぬ。
分別された人々 | あああ
謎の破滅の中、人類以外、おそらく猿判定されたものだけが残るというアイディア自体は面白いかもしれない。なんというか、破滅に対抗するために退化という形で進化したみたいなね。
明日、別の誰かになる君へ | fatematsu
主人公がAHという人間に似て人間ではないものから、人間に成るという過程を描いた恋愛小説だ。話の流れはしっかりと存在しているのだが、現状説明の文章が多すぎるので、ふるい落とされる人が多かったのだろうと思う。
終焉についての一考察 | 雨
うまくあらすじが作れないタイプの話。
残念だが俺も最後の一文については同じ意見だ。
今回は以上です。
お読みいただきましてありがとうございました。