備忘録:さなコン2 一次選考通過作品感想(27作品)
さなコン2の一次選考通過作品を読んだ感想です。とりあえず読めたところまで。
読者の立場として備忘録的に好き勝手書くというのが第一目的なので、かなり乱暴な言葉遣いをしています。その点については承知の上でお読みいただければ幸いです。
また、過去に感想を書いたものは、感想があるページへのリンクを貼っております。なので序盤はひたすら他ページへのリンクが並んでます。
神推し作品である「環(わ) | マラカス」と「スプリット | 継橋」は例外です。もう一度褒めます。
オケラ | 鮭さん
さなコン2 感想 1 - 23に記載済み
猿のいない星 | 元村 民子
さなコン2 感想 1 - 23に記載済み
蛙化 | 酒田青
さなコン2 感想 48 - 64に記載済み
環(わ) | マラカス ★
さなコン2 感想 48 - 64に記載済み
神推し作品。
前にも感想書いてるけど、小説として構成が純粋に優れている。これほど美しく作品設定と登場人物たちの感情、そしてストーリーの流れが一致しているものは、他に存在していない。同じ投稿者としては、実に残念な現実。
いまのところさなコン2優勝はこの作品。
だからみんな読んでね。
なお、後述するスプリットと似たような影響をこの作品から受けた。作品を読んだ直後は超テンションがあがり、その夜に寝込んで、しばらくの間は受けたショックから立ち直るために創作をするというわけわからん状態に陥った。だから切実に評価されて欲しい作品のひとつだったりする。
総張替え | 有町 朋
さなコン2 感想 65 - 71に記載済み
紅茶を一杯 | 種
さなコン2 感想 65 - 71に記載済み
最後の人類 | Pulmo ★
さなコン2 感想 72 - 95に記載済み
ポストたちのみる夢 | ぱらしゅー
さなコン2 感想 72 - 95に記載済み
人類の声 | あぼがど
さなコン2 感想 72 - 95に記載済み
おやすみなさい、人類 | 金銀花
さなコン2 感想 72 - 95に記載済み
僕が早めたさだめの果てにて | ライア
さなコン2 感想 72 - 95に記載済み
アンドロイドの私と、人間の夫は、終末世界を生きる | Edy
さなコン2 感想 96 - 119に記載済み
人類滅亡RTA | 抹茶ソフト
さなコン2 感想 120 - 136 (ローラー終)に記載済み
※読了できてません。
忘れ形見と葬送 | かなこ ★
さなコン2 感想 120 - 136 (ローラー終)に記載済み
※読了できてません。
Still feel | 阿瀬みち
さなコン2 感想 120 - 136 (ローラー終)に記載済み
※読了できてません。
死霊 | 田中ざくれろ
さなコン2 感想 120 - 136 (ローラー終)に記載済み
翼を抱いて | 抹茶ソフト
読了した瞬間に「こういう作品がいたのでは、我のが一次落ちするのは至極当然」っていうくらい、テーマ・モチーフでかぶりを感じた。一方的なものなので、作者の方には感知されたくない。
内容はSK-クラス:支配シフトシナリオで、外的侵略者によって人類が滅亡することと、主人公の〈絵を描きたい〉という願いが侵犯されることが重なり合っており、結構よくできた構造になっている。ラストも好き。
疑問として〈なんで天使たちは地球にやってきたんだよ?〉っていうのがあった。本筋に関わらないから追求しなくてもいいんだろうけど〈余暇〉がどうして発生したのかが直感的にわかりづらかった印象がある。どうしてなんだろうね?
流離のいばら姫 | oxygendes
SF設定がめっちゃハードなのに、小説部分が大人しく、ラストはユーモアで締めているという不思議な作品だった。割とハッタリが効いてていい感じだけど、あらすじから受ける印象より本文が薄味だったかな……。
アスドフグという言葉から受ける印象がまるっきりフグだったんで、Ø(スラッシュドゼロ)でちょっと笑っちゃった。
スプリット | 継橋
神推し作品。
破滅の衝撃という意味合いでこれを超えるUX(ユーザーエクスペリエンス、ここでは読書体験のことを指す)を発生させている作品は他にない。何度読んでも審査員特別賞です。
この物語も基本的な構成が優れている。主人公が自分の意志によって〈電〉と自分をスプリットして生活しているにも関わらず、それが現実で否定されてしまう。そこで物理的にスプリットしてやろうとする展開がスキ。
実はこの作品は私がさなコン2に参加する前に読んでいたのだけど、読了した時点で〈勝てない〉と思わされた。後遺症はしばらく続き、ショックから立ち直るために何度も小説を書く羽目になった。当時のログを漁ると「どうやってスプリットに勝つんだよ……無理だよ……」と繰り返している自分がいて笑えた。
みんな読んでね。
夜長のやぐら | 四宮ずかん
SK-クラス:支配シフトシナリオが出だしで、人類が実は滅びていなかったというパターンの物語。作品内には伏せられている事実が多く、読み解くには色々な疑問をスルーして自分自身で世界を構築しなければならない。なにも考えずに読むってのは、雑念の塊みたいな自分にはつらい。
そういう意味では割と不思議系の小説。うーん、でもやっぱりSKクラスだとすると主人公たちの行動がどうにも人間的すぎて、気になっちゃうんだよなあ……。こういうのをnot for meと言う。
春分の月 | 木口まこと
読了して、この作品ってなんの話なんだろってなった。他の人の感想を読むと登山SFとか、壮大な物語とか書いてあるが、うーむ。物語として何が書きたかったのかわからなかった。not for meってやつだな。覚えて損のない、便利な単語だよ。あらすじを読んでもどんな物語なのかわからなかったから、私がだいぶ重症だということだけはわかった。
世界史の晩火 | 燕
メタノベル。語り手のいる世界が本の中の世界であり、物理実体としての本が焼かれることで世界が滅亡する。
こう書くとシンプルなのだが、それを新聞記者という文字に関わる者が語るというあたりが小説的であり象徴的。
また、ネクロノミコンという、創作物の中にしか存在しない本が存在することになっていたりと、この作品そのものが〈フィクション〉であることを伝えようとするようになっているなど、要素の置き方も割と凝っている。
でもこの作品の真価は、語りだけでやりたいことがわかるようにシナリオを進めているところにあると思う。歴史なんてミリしらだけど普通に読めた気になるからね、この作品。
人類統合最終少女 VS 少年W.W. | 外村京
セカイ系的な恋愛小説。細かい部分に目を瞑ると、本当にジュブナイル恋愛小説以外の何者でもないというのがすごい。ラストも希望が感じられる。
本当にお前たちはこれからやっていけるのか? 大丈夫か? という気もするが、それはそれ。
グリッド | 小西オサム
感傷的な物語。シナリオの運び方がよくてけっこうおもしろかった。根底に流れているのは〈決断しない〉ことのやさしさと強さみたいなものなのかな。確かにそれがあれば決定的な破滅は避けられる気がしてくる。これはいいですね。
雰囲気が昔の電撃文庫っぽいのもスキだったな。普通にいい小説だと思ったんで、イイネしておきました。
ポケットにいっぱいの果実、あるいは | mogi
海外の掌編SFみたいな読み味の小説。説明が難しくて長いって時点で私にはまるで合ってない。人間とは何かも、描写じゃなくて説明文で流れていく感じで、小説としては難しすぎるかなあ……というのが感想でした。
Wasted Days | サクラクロニクル ★
私のじゃん。やっほ。
最初と最後の一文を全く同じにしているシリーズですね。(目次についてる★は、それを知るための目印です)
自分で自分の作品の感想を書いてもしょうがないので、他の人にもらった感想から要素を抜き出して列挙します。
ティピカルな恋愛SF小説
人類と思えばなんでも人類
ロマンチックなストーリーで素敵
ありがとう。
恋愛小説にしようとして書いたものなので、ちゃんと恋愛小説になってるみたいで安心した。一次選考通過という結果を得られて本当によかったね。
アクアテラリウム | 彩瀬あいり
さなコン2の縁で先に読了していた。題名がいい。開幕でお題を消化したことによる利点を活かした美しいラスト。アンドロイドの持つ人間性についてはまだ追求する余地があったかな、とちょっとだけ感じた。
いやしかし、自分の作品にロマンチックという言葉をもらったけど、作品としてはこっちの方がよほどロマンチックだと思う。そう考えると、この順番で並んでるのが悪夢だよ。どうあがいても比較されるじゃん。
今回は以上です。
お読みいただきまして誠にありがとうございました。