【スタートアップ!占い師】#28 SNSのDMから鑑定依頼をもらっても大丈夫なのか②プライバシーポリシーついて
帳簿のことを学び、プロ占い師としてレベルアップしたさくらさん。
占い師のSNSで多くみかける「仕事依頼はDMから」という文言をみて、何やら疑問をもったようです。
前回は特定商取引法についてお話しました。ネットやSNSで一般のお客さんからお仕事をもらうときに、気をつけなければいけないことを学びましたね。
今回は、その表記の隣でよくみかける「プライバシーポリシー」についてお話していきます。
今回も非常に大事な回なので、無料記事にしています。
プライバシーポリシーとはなんぞや
プライバシーポリシーとは、「個人情報の取扱い方法やプライバシーにどのように配慮しているかを示すための指針」のことです。
(詳しくは下記をどうぞ)
これは個人情報保護法に定められている義務に基づいた表記になります。
……また難しい法律の言葉が出てきましたね。
その、個人情報保護法とはなんぞや
「個人情報保護法」とは、簡単に言えば、個人情報を取り扱うためのルールになります。
例えば、何らかのサービスを利用するときに私達は自分の名前や住所、電話番号などを登録します。身分証明が必要なら、車の免許書やマイナンバーカードの番号や顔写真を使用します。そのときに、相手に見せた自分の個人情報がどこかに漏れてしまい、知らない会社からDMが送られてきたら困りますよね。勝手に自分の情報が、何らかの統計データに使われてしまうと気持ち悪いですよね。
個人情報保護法は、そんなトラブルにならないように、「個人情報を取得するときに本人に同意を得ましょうね」「情報の使い方を伝えましょうね」「個人情報漏らすのダメよ」「誰かにデータを渡すときや誰かに見せるときも本人に確認してね」「登録した相手から『私が登録した情報みせて』と言われたらちゃんと見せないとダメよ」……といった決まりを設けた、個人情報にまつわる法律となっているのです。
詳細は下記のサイトをどうぞ(長くなっちゃうのでサイト頼り)。
プライバシーポリシーを設置する意味
プライバシーポリシーの役割
上記のサイトにもありますが、個人情報を教えてもらう際に「情報がどのように使われるのか」を直接相手に伝えるのが個人情報保護法のルールとなっています(これは個人間から、仕事の取引、行政等にまですべてに関わるルールです)。
が、個人情報を教えてもらうごとに、1回1回「このときにこれだけの個人情報をあなたからもらいます」「この個人情報はこれ以外に使うことはありません」「あなたの個人情報は他に漏らさず、ちゃんとこちらで管理します」「開示を求められたらあなたの情報は伝えます」「だけど第三者から開示を求められても一切明け渡すことはありません」などと伝えるのは大変です。
そこで、設置するのが「プライバシーポリシー」です。
このプライバシーポリシーがあれば、個人情報を教えてもらうたびに、一人ひとりに上のようなことを長々と伝えることなく、個人情報の取り扱いについての説明をすることができるのです。個人情報についての説明を、プライバシーポリシーの設置によってショートカットしている、と言ってもいいかもしれません。
プライバシーポリシーの作り方
プライバシーポリシーも、前回の特定商取引法同様、難しい項目が多いです。こちらもテンプレートがあります。
取り扱う内容にあわせて書いていきましょう。
法律に詳しい専門家と相談しながら作るのもおすすめです。
プライバシーポリシーは義務ではないが、「『自分の情報がどのように使われるのか』を直接本人に伝える」のは義務
プライバシーポリシーを設置するのは、法律上義務ではありません。
ですが、「『情報がどのように使われるのか』を直接相手に伝える」のは法律上義務となっています。
ですので、仕事のために個人情報を聞く際に
・「情報がどのように使われるのか」を直接相手に伝える。
相手に伝える方法は口頭でもいいし、メールやDMでもいい。
・プライバシーポリシーを設置して、相手に読んでもらう
書面でもいいし、「これ読んでおいてね」とメールやDMにURLを貼り付けるのもOK。ただし、目に見えるところに設置する。
このどちらかはルール上、絶対行わないといけません。
どちらを選択するかは、情報を聞き出す本人次第です。
個人情報の取り扱いについての指針はきちんとしておこう
個人情報をガンガン扱う占い師だからこそ、マジできちんとしておこう
鑑定依頼の予約では氏名と電話番号、メールアドレス等を聞きます。鑑定になれば相談内容を、ホロスコープや命盤を出す人は生年月日を聞きます。相で占うなら、人相、手相、家相もみますよね。
……と、この太字の多さをみたらわかると思いますが、占い師の仕事は、実は相手の個人情報まみれのお仕事です。
だからこそ、上記の義務はもちろんのこと、個人情報の取り扱いについての指針はきちんとしておかないといけないですし、相手に聞かれたらすぐに「このように扱いますよ」と伝えられるようにしておかないといけません。
指針を決めた後も、決めていなくて直接話すことを選んだとしても、個人情報の取り扱いには気をつける
「プライバシーポリシーを設置したからもう大丈夫」などと、指針を決めっぱなしにするのもいけません。直接個人情報の取り扱いの説明をしたとしても、話しっぱなしではいけません。
お仕事の取引を受けた後も「大事な情報を扱う仕事を行っているんだ」と、常に意識していないといけないでしょう。
取り扱いの説明を行ったとしても、了承なしに
・ブログやSNSでお客さんの話を言う
・お客さんの生年月日や人相・手相・家相を使って事例をとりあげる
・お客さんの感想のメールやDMをネットにあげる
といったことをする占い師も多いのです。相手の了承も配慮もなく、個人情報を好きなように扱ってはいけません。
(この場合は個人情報の漏洩というよりは、プライバシーの侵害で民事で訴えられそうですが……)
見えないところで行っていても、名前や相談内容を隠していても、たまたま見かけて「あれ?この人ってあの人のことじゃ……」と勘づく人が現れるかもしれません。「もしかして、他でも自分のことを違うふうに書かれているかもしれない」と疑うお客さんが出てくるかもしれません。
どこにいても、誰と話をしていても、仕事でもらった個人情報は使わない・漏らさないように気をつけましょう。
結論・プライバシーポリシーというか、個人情報の取り扱いに関わる取り組みはすべての占い師の仕事に関係ある
改めていいますが、個人情報の取り扱いについて直接お客さんに伝えるか、サイトやSNSなどにプライバシーポリシーを設置するかは個人の自由です。どちらを選ぶにしても、これらの取り組みは法律の義務であり、すべての占い師の仕事に関係があります。
どこかでは「相談内容も個人情報も漏らしません」と話していても、相手に伝わっていない場合もあります。お客さんに安心や信頼を与えるためにも、個人情報取り扱いに関わる取り組みを明確にし、一人ひとりに伝わるように工夫しておきましょう。
SNSのDMで鑑定依頼をもらうなら、
・DMで直接伝える
・SNSの固定ページのどこかにプライバシーポリシーを掲示しておく
・プライバシーポリシーが掲示されたページに飛ぶように設定しておく
のがいいですね。
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