【スタートアップ!占い師】#21 占い師の帳簿ってどうなってるの?④ 占い師の仕事で経費になるもの、ならないもの
占い師として活動をはじめて38日目。
大事なことに気がついたさくらさん。そう、帳簿の付け方です。
占い師は個人事業主なので、会計業務も自分で行わなければいけません。
どこからお金が入ってきて、何に使っているのか。使ったお金は事業のために適切に使われているのか。それを明確化できるのが、帳簿です。
どんぶり勘定だと、せっかくスタートさせた占いの事業も立ち行かなくなりますよ〜。
今回は、占い師の帳簿のお話です。
私も、占い師はじめたてのころは帳簿のことは全くわからんちんでした。
わかってて、お小遣い帳レベルでした。
そんな私のような人や会計関係が苦手な占い師もいると思うので、この回は必要最低限のところだけを、用語はなるべく使わず、めちゃくちゃ噛み砕いて書いていこうと思います。
ここでは、「占い師の仕事で経費になるもの、ならないもの」をお話していきます。
占い師の仕事というよりは、個人事業主としてめちゃくちゃ重要なので、この帳簿の回は無料で公開しております。
「経費になるもの」の基準とは
経費になるものの基準は「事業に関係している費用かどうか」です。占い師なら、占いの仕事に直接関係しているものは経費になりますが、そこまで関係のないものは経費になりません。
個人的な話ですが、遠方の神社に参拝する際に、交通費を経費にしている知り合いがいました。これは「個人的な旅行」ともとれるので経費にはなりません。神社で受けた占い館用の御札代は、事業のためのものなので、経費にできます。この場合「寄付金」の勘定科目で帳簿に書いていきます。
……とこんな感じで、仕事に関わるのか関わらないのかがわからない経費が、占い師の仕事にはゴロゴロあります。そのボーダーラインが曖昧なものを「占いに関わってるんだし」と、経費としてどんどん計上している人も多いと思います。
「なんでも経費」は絶対するな!ペナルティがあるぞ
上記の知り合いとは縁が切れてしまってどこにいるのかもわからないのでなんともできませんが……。
こんな感じでなんでも経費にしちゃってて、ちゃんとした会計がされていない場合や、「こいつ正しい税金収めてないな」と税務署に判断されてしまうと、追加で税金を支払わなければいけないペナルティがあります。
(最初の文章含め、下記サイトより引用)
仕事のために使ったものは正しく帳簿に書き、曖昧な出費はすぐに経費にしないで、ネット等で調べたほうがいいでしょう。曖昧な出費は、経費にできないパターンが多いですが、経費にできるパターンも稀にあります。
占いの仕事で経費にできるもの
占いの仕事で経費にできるものは、前回の記事の「占い師が使う主な勘定科目」に書いた通りです。
他にも、占い師の仕事で経費にできるものとして、以下のものがあります。
・仕事のみに使う衣装代……服飾費や雑費で計上(帳簿に書く)する
・仕事場のみに使うヒーリンググッズ、お清めグッズ、神棚のお供物
(塩、天然石、ホワイトセージ、クリスタルチューナーなど)
……消耗品代や雑費で計上する。塩などを受けたのが神社や寺なら、寄付金で計上する。
・写真館で撮った宣材写真の費用……広告宣伝費として計上する。このときに、メイクやヘアの費用もかかっているなら、それもあわせて計上する。
・鑑定や原稿執筆などのテレワークで利用した漫喫の利用料……地代家賃や雑費で計上する。食事代は経費にできない。
・カフェで仕事をしたときの飲み物代……テレワーク目的なら雑費、仕事の打ち合わせなら会議費、カフェの一角で鑑定をしたときのお客さんの飲み物代(こちらで出した場合)は接待費として計上する。
飲み物は経費にできるが、食事部分は経費にできない。
……などあります。
前回書いた、こちらも。
自宅で仕事をしているから、個人の出費になるし仕事の経費にはならない……なんてことはありません。仕事で使っている分は、経費にできるのです。
家事按分できる事例をご紹介します。
・在宅占い師が仕事で使っているスペース分の固定資産税
・在宅占い師が仕事で使っているスペース分の家賃
・在宅占い師が仕事で使っているスペース分の電気代
・お客さんのウェルカムドリンクを作るときに使用した水道代やガス代
・電話鑑定を行ったり、仕事用のSNSやブログの書き込みを行っている私物のスマホ代やインターネットの通信費
・仕事で移動した距離分の、私物の車のガソリン代
・仕事に使った私物の車の自動車税
家事按分の割合は、仕事で使う分だけを割り出すので「建物の総面積に対して仕事で使っている場所の面積の割合」か「仕事でそれを使っている時間のトータル」で計算します。
占い師の活動を自宅で行っている人や、私物を仕事と個人と兼用で使っている人は、どれだけ仕事用としてモノやお金を使っているのかを把握しておきましょう。
占いの仕事で経費にできないもの
占い師の仕事で経費にならないものは、以下になります。
これらの出費を仕事のお金から出すときは、「事業主貸」という勘定科目を使って計上します。
・仕事と関係ない出費
・生活費
・病院の通院費や入院代
・個人や家族の所得税や住民税
・個人や家族の国民健康保険
・個人や家族の国民年金
・個人や家族の生命保険、医療保険、共済の掛け金
・個人や家族のiDeCoやNISAの掛け金
・事業主名義の小規模企業共済の掛け金
・借り入れ金の支払い
・ふるさと納税の寄付
他にも、占い師の仕事で出てくる出費で、経費にできないものとして、以下のものがあります。
・親しい占い師友達と食事を楽しんだ……仕事の打ち合わせではなく、食事をともにしただけなので経費にできない
・仕事でもプライベートでも使う服を買った、メイク用具を買った……生活費にもなるので、計上できない
・美容院や理容院で髪を切った、ネイルサロンでネイルをしてもらった……一見人に見られる仕事なので経費に捉えられがちだが、「普段から行くもの」とみなされ、生活費としても捉えられるので計上できない。夜職や美容関係の仕事であれば経費にできるが、占い師だと難しい
・イベントや出張鑑定の行きがけ・合間・帰り道に外食した、コンビニ等でご飯を買って食べた……個人の食事は生活費になってしまう
・神社やお寺の参拝のための交通費や宿泊代、食事代……プライベートの旅行と捉えられるので経費にできない
・仕事のときに調子が悪くなったときに使うお薬、栄養ドリンクやエナジードリンク……個人事業主だと、事業での費用というよりは個人に支払う費用なので計上できない。誰かを雇っていてみんなが使うものなら、福利厚生費として計上できる。
・イベント仲間から買ったグッズ類……個人の買い物としてみられるので、経費にできない。最初から仕事用として使う目的があるものなら、経費にできる。
・同業者に鑑定してもらった……個人の用事とみられるので、経費にできない。事業関係のみをみてもらうなら、コンサル料として計上は可能(あくまでも「可能」なので、経費扱いするのはおすすめしない)。
……などあります。
特に、占い師友達が多い人やイベント出店が多い人は、人付き合いのための出費が多いと思います。
人付き合いのための出費は、そこで仕事をしていない限り経費にはできないので気をつけてください。
次回は「電子帳簿保存法について」をお話していきます。
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