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本が読めなくなった現代人と、Noiseを届けるデザイナー


「最近、あなたが積んだ本はなんですか …?📚」

この記事では、普段デザインストラテジストをしている私が、今年1年仲間と共に深く向き合った積読体験を振り返りながら、デザイナーにとって必要なノイズについて綴ってみようと思う。


Goodpatch Design Advent Calendar 2024
バラエティに富んだ25本の記事が配信される予定です。お楽しみに!

※こちらの記事はGoodpatch Design Advent Calendar 2024 の14日目の記事です。

ちなみに本日12/14(土)は「南極の日」だそう。
ノルウェーの探検家4人のが、1911(明治44)年12月14日に世界で初めて南極点に到達したからなのだとか。いつか私も南極に行ってみたい。

本が読めなくなった私たち


「読みたい本はたくさんあるのに、なかなか読めない…」
「気づいたら自己啓発本ばかり読んでいる….」

そんな私は、社会人になってから「本を読む時間がなさすぎる」と言い訳しているが、実際は動画配信サービスやSNSにはいつの間にか触れている。
つまり時間がないわけではない。🙄

では、なぜ本から遠ざかっているのだろうか…


そんな漠然とした疑問も日々流れつつあったが
最近話題になったこちらの本からヒントが得られた。

早速ネタバレで恐縮だが、この本では「働いているとなぜ本が読めなくなるのか」の問いに対して、日々最短ルートで解に辿り着きたい現代人にとって、「本というツールは、ノイズが多いから」と1つの解を出している。

※それ以外に歴史についてなども述べられているので、
ぜひ読んでみてほしいベストセラー本だ。

そんな無意識に避けられがちな「ノイズ」について、
我々デザイナーならではの視点で向き合う機会があった。

なぜ今、デザイナーにNoiseが大事なのか


そもそも、Noiseに何か価値があるのだろうか….
ふとデザイナーとしての視点で仲間と考えてみた。

デザイナーは普段クライアントのパートナーとして、目的に合わせて膨大な情報を整理し、デザインを用意し、洗練させていく。

シンプルで整然としたデザインは一見美しく見えるが、過度に洗礼されすぎると、冷たく、感情的なつながりを築くには物足りない。

ここで一見無駄に見える「ノイズ」こそが、感情的なつながりを築く「らしさ」を届けるために必要な存在になる。

だからこそ私たちデザイナーは、クライアントのニーズやデザインの目的を損なうことなく、いかに「ノイズ」を取り入れ、「らしさ」を表現できるかが重要なのである。

積読会の発足から、「積読Lab.」へ


そんな我らデザイナーの特性として「らしさ」への感度やそもそも興味の幅が広く、故に積読の数も必然と多い

だからこそ、なかなか消化できないのも悩みなのではないか。

そんな悩みを抱えるもの同士で、「積読を消化していくソリューション」として、またあわよくば何か共創につながれば…という思いで、
いわゆる読書会や輪読会ではなく、
「積読会」を身近な仲間と試験的にやってみることにした。

最初のコンセプトはこんな感じ。
「読みたいけど読めてない、を後押しする会」だった。
注意:積読会は懺悔をする会ではない
最初は参加しやすいようにランチ会として開催

積読会ときくと「懺悔や反省会をさせられそう」と言葉も寄せられたが、
むしろ私たちは積読をネガティブに捉えずに、「好奇心を映し出す鏡」として称賛した。

そして、
「なぜ、その本を手にとったんだろう?」
「これを読んで、どんな自分になりたかったのだろうと?」
さまざまな問いを投げながら、積読の消化に向けた第一歩の背中を押すことはできないかと試みた。

積読本を通して、仲間の思考や価値観をを知るきっかけに。


が、実際に会を進めていくと、逆にみんなの積読本が増えていった(笑)

積読会後の溢れかえる本棚
積み上がる我々の好奇心


元々はつんどかーが集まり、積読を消化する目的で始めたが、
いつしか会を重ねるごとに積読が増えていくことは悪いことではなく
むしろ我々が日々渇望している「ノイズを抽出できる」体験になっていた。

そして単なる会としてではなく、人々の好奇心を刺激しノイズを増やしながら積読という体験を深め研究していこうと、今の積読Lab.が出来上がったのである。

積読Lab.の展望


我々が生きる資本主義で評価されているのは、ノイズがもどんどん削られていっていて、何だか短期的なものばかりになってはいないか。

そんな我々が無邪気にノイズを取り入れづらいこの世の中で、見えなくなっていること、また感じれなくなっているノイズは数多くあるのではないか。

そんなノイズの価値をもう一度、捉え直す機会としていきたい。

今は短期的にお金にならなくてお金が集まってこないけど、長期的に大事になってくること。

今目の前の仕事ではできてない。何かのような。

みんなが考えたいけど、考えられていないこと。

そんな体験を積読ラボで深めていきたい。


さいごに

ここまでお読みいただきありがとうございました!

2025年の積読Lab.では、「今月のゲストが選ぶ1冊の本」をテーマに
読んでいても読んでなくても、興味がある人の全てが参加できるように進化
していきます。

リニューアルポイント
❶ 準備不要!忙しくても気軽に参加できる
❷ 無理なく続けられて、いろんな人との接点ができる
❸ 1冊をきっかけに新たなテーマ探索ができる
❹ アーカイブで参加してない人も活用できる
❺ 社会を前進させるビジネスアイデアの種がみつかるかも?

積読Lab.2025

また社内にとどまらず、社外の皆様も参加ができるように活動してまいります。情報は順次発信してまいりますので、ご興味がある方はこちらからラボメン登録をぜひ!


P.S.

今や私の日々の楽しみでもある積読Lab.
過去に会に参加してくれた仲間に加えて、
こんなディープでみたことのない体験をさせてくれた
nobu,noco,panchiさんに感謝を。

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