ムカデ油
2014年、まだ仕事をしていた頃の話。朝の粗方の片付けも終わり、そろそろ出勤しようとしたけれど・・・
『あれ?今日は火曜日?』
火曜日は火の回りの掃除の日。コンロの周りが少々油染みていたので、これだけはやっつけようと右手で拭きだした。
なんにも考えずにちゃっちゃかスイスイ。
ジュッ! 『しまったッ!』
コンロの上に載っていた夕べのすき焼き鍋をちょいと退けようと左手で掴んでしまったのだった。ついさっき、鉄鍋を掃除して火にかけ、水分を飛ばしていた後だったのに・・・
慌てて氷を掴み、小さなボールに水を入れて氷を掴んだ手ごとその中にぶち込む。冷たさが勝つので思うほど痛くはない。
ジュッ!
という音が脳裏を離れずリフレインされる。
あれだけの音だからきっと酷いことになるだろうと容易に想像できた。氷でキンキンしている手をみながら頭の中でくるくる考える。
『えっと、えっと・・・火傷には・・・なんかあったな、あ!ムカデ油!』
でも、それは事務所にある。そこまではどうしていこう?
手を恐るおそる氷水から出し、タオルで拭いてみる。
『あら?治った?』
ほんの一瞬そう思ったけれど甘かった。水気がなくなると中指の一番酷いところが真っ赤っかで痛い!水ぶくれになりそうで慌ててまたボールに手を戻す。
『さて、事務所までどうしてこの状況を保つか?』
いくら事務所が近いとは言え、まさかこのボールごとでは歩けない。
手がすっぽり入る厚手のビニール袋に氷と手を入れ、水を少々。手首周りを輪ゴムで軽く縛り、よし、これでOK!
事務所に着くなり、ムカデ油を塗りたくる。噂に違わず、クサイ!!!
『こりゃあ、我慢できひんなぁ・・・』
新品の薄手の布手袋をはめて、ジップロックでくるんだあと、養生テープで匂いをシャットアウト!これでなんとかすごせそうだ。
ムカデ油の効用がどんなものか、実験にはちょうどいい(笑)
このムカデ油、食用油(私は少しでも臭い対策にはならないかとゴマ油)に生きたままのムカデをじゃんじゃん入れて作る。いっぺんには捕獲できる環境にないので、毎夏、山の資材置き場に行った時に見つけては投入。これで、5~6匹は入っているハズ。恐々よぉくみるとデッカイのがまだ形を保っていた。そのうち、完全に姿は溶けてなくなってしまう。臭いし気持ち悪いので、いつもは見えない所に置き、その周辺には行かないことにしているのだが。
ムカデ油に浸すこと2時間あまり、痛みもなくなったので手を洗ってみる。中指の第二関節あたりを除けばまったく何も問題なし!一番酷かった中指第二関節は、色が変わってちょっと膨れてはいるものの、水ぶくれにはならずに固く硬化している。よかった!念のため、プロポリスを湿布しておこうっと!
【追記】
もし作ろうと思われたアナタ!
ムカデ油は【民間療法】ということであくまでも【自己責任】でお願いします。それよりも、虫刺されやちょっとした傷用に毎年仕込んでいる『ヘビイチゴ』や『ドクダミ』『カキドオシ』の焼酎漬けも火傷にも効くことが判明。作るならこちらを超絶オススメです!
100均で買えるちっちゃなスプレーに入れてどの部屋にもスタンバイさせておきます。家人もなければ探し歩いていたりして。私は『ヘビイチゴ』が大好き!何より香りがいいんですよ。
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