散る桜
あれだけ騒がれた今年の桜はあっという間に過ぎ去った。
ラッキーにも咲き誇る姿はたくさん見ることができたが、桜吹雪を目撃できなかったのはちょっとさびしい。
風に舞う桜吹雪は華やか。滅多にお目にかかれないが、古木から無尽蔵に延々と散る姿は雄々しくて美しい。
いつだったか『生駒山?』いえ『信貴山?』だったかな?山頂近くの老舗らしき料亭の入り口の大きな古木から、無尽蔵に散る桜を見たときには、感動のあまりしばらく動くこともできずにいたことを今も思い出す。
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待ち焦がる封を開ければ散る桜 SAKURA
何気なく封を開くとたくさんの花びらが舞い落ちた。粋なことをするのは、当時付き合っていた彼。
60年ほど前の郵便事情は今のように次の日には着くということはなく、四角い封筒に入り遠距離から届いた桜。
ハラハラと舞い落ちたその花びらはセピア色だった。