ゆらり
キイィーーーーッ!
睡魔が襲い助手席で半分眠りかけていたが、ハッ!と醒めた。
「どないしたん?」
「あれ、なんや?!」
「ふぅ〜ん?」
と、前方を見れば大きなもみじ。確かにちっちゃめの葉っぱで可愛いと言えば可愛いんだけれど、どこがそんなに?
「ちゃうちゃう、後ろや、後ろ!」
「ん?」
振り返った途端、私はカメラをつかんで助手席から飛び出した!
送電線に蔦紅葉が絡まっているのだけれど、その長さ10mあまり。
延々とまるで真っ赤な緞帳のよう。しかもトラックなどの大きな車が通れば、そのカーテンはゆらりと揺れる。
この蔓性の植物は何という凄技を使うのであろうか!
そう言えば、さっき山の中でも伐採した杉の切り株にひこばえの木が3本も育っていた。
ハイキング道なのでこれ以上大きくなれば伐採されるとか。しかしその生命力に感動していたのだった。
生きるために彼らはどんな手でも使ってくるのだ・・・それに比べ、私たち『人』という生物のなんとやわな事。
ちったぁ・・・見習わなければねッ!
***
2007年11月27日記
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